※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.11【タイミング考察】
仕掛けの入れ方と流し方
私はこの2パターンに細かな考え方を加味します。そのため実際の操作はかなり複雑になります。
まずはAのパターンについて。この方法は『関西のつり』誌にて何度か紹介しています。刺し餌を自然に落とすために、ハリスの抵抗がかからないように潮の流れを利用します。風の影響を回避するためや、アタリに対して瞬時に掛け合わせようと着水後からウキと穂先の間にある道糸をピンピンに張っていても、ハリスがたるんでいるため仕掛けが立つまで刺し餌が自然に沈下します。
仕掛けの入れ方のイメージは図3の通り。潮かみに向けてハリスをたるませるように仕掛けを海面に置きます。こうすると刺し餌がハリスに引っ張られず、自然に近い形で沈んでいきます。たるませる幅はそのときどきで異なるため図4のA〜Cのように潮の流れや魚の動きに合わせて調整を繰り返さなければなりません。
一方、ハリスをピンと張った状態で仕掛けを入れると、図5のように潮流がハリスを押すために刺し餌は撒き餌と同じように沈下しません。もちろん、撒き餌と同じコースを流れることもありません。潮の流れが速ければ、ハリスが吹き上げられてなかなかなじまなかったり、意図せぬ流れに取られて見当違いの方向に刺し餌が流れることがあります。このため、状況に応じてハリスに小さなナマリを打つ対策が求められます。
また、図6のようにハリの少し上に刺し餌と同等のスピードで落ちる重さの小さなガン玉を打ち、ガン玉〜刺し餌の間のハリスを水平にするのも有効な手段です。とりわけ横移動にて捕食する個体にはこの方法がハマることが多いです。
細かく書けば膨大な文章量になるため、仕掛けの入れ方と流し方はこれぐらいにしておきましょう。以上の点を意識するだけでもアタリは格段に増えると思います。
〈だましのノウハウ〉
刺し餌を自然に見せる方法を考慮
尾長グレを狙うとき、私は撒き餌の沖アミをほとんどつぶしません。細かくつぶすと刺し餌との見た目の違いがはっきりし、グレが警戒心を抱くからです。それは配合餌に多い赤色に染まった沖アミの中に刺し餌の白い沖アミがポツンとある状況も同様です。その場合、着色された加工タイプの沖アミを使うことを考えたいものです。スレた魚をだますには同じ刺し餌と撒き餌を使うのが鉄則です。
私は配合餌を混ぜたものの他にボイル単体の撒き餌も使います。魚を寄せる効果はもちろん、白い色と大きな粒による視認性のよさと、ゆっくりと沈むという特徴が海中の流れを読むために適しているからです。
そのボイルは海中では横向きになって沈みます。わかりやすくいえば地面に置いた状態です。頭を下にして縦に沈むイメージがありますが、そうではありません。しかし、刺し餌にはハリが入っているうえ、ハリスがついているので縦の姿勢で沈みます。つまり、海中では刺し餌だけが立った状態であり、尾長グレからすれば餌ではないと一目瞭然なのです。
「仕掛けが斜めの方が食いがいい」とよく耳にしますが、それはこの刺し餌の姿勢が関係しているのではないかと私は思っています。
ハリスは、ピンピンに張ろうとしても海中では魚の死角になるほどまっすぐにはなりません。図5のように潮流が当たるため、常に放物線を描くような形になるからです。自重のあるハリやハリスがなければまっすぐになるかもしれませんが、重いハリがついている以上はそうならないため、ハリスが刺し餌で隠れるということにはならないと思います。
だったらなぜハリスが斜めになっている方が食いがいいのか? その要因が海中での刺し餌の姿勢ではないかと思うのです。スレた魚に対しては刺し餌が水平になる可能性が少しでも高い斜めの角度がいいというわけです。
以上が「いかにだますか」という考え方です。この点も踏まえてアプローチすれば、アタリをより得やすくなるとともに、尾長グレ釣りの楽しさをより実感できるはずです。
【桑原英高プロフィール】
桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.6【潮岬釣行記】
桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.7【春の食い渋り対策】
桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.8【タックル考察】
桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.9【南紀・見老津釣行記】
桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.10【南紀・出雲釣行記】
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。