【実釣マニュアル】ハマチ(ブリ)の釣り方 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

【実釣マニュアル】ハマチ(ブリ)の釣り方

ハマチ(ブリ)の釣り方4

岸から狙える魚種の中でとりわけ強い引きを味わわせてくれるのがツバス・ハマチ・メジロ・ブリといった青物です。中でもハマチは身近なターゲットであり、回遊情報をいち早くキャッチして釣り場へ急げば高確率で釣れるのが魅力です。近ごろは近郊の波止でも60㌢クラスを超えるメジロクラスもコンスタントに上がっているなど、大物をゲットできるチャンスは大きくなっています。好みのスタイルで強烈な引きを見せる青物狙いにぜひチャレンジしてみましょう!!

ハマチ狙いの概要

ハマチとは、成長過程で呼び名がかわる出世魚として知られるブリの若魚のことです。モジャコ→ツバス(ワカシ)→ハマチ(イナダ)→メジロ(ワラサ)→ブリとなり(カッコ内は関東方面の呼称)、波止では40㌢前後のハマチ級を中心に30㌢前後のツバス、60㌢前後のメジロが主なターゲットになります。

そのシーズンは初夏~初冬と考えてよいでしょう。とはいえ、同じ回遊魚でもアジなどは割と同じようなパターンで例年の接岸があるものの、ハマチは少々気まぐれなところがあります。前年は梅雨のころからツバス~ハマチ級が釣れ続いて秋にはメジロ級の大物までよくヒットした場所でも、翌年は秋にハマチ級がポツポツと釣れただけ…というようなことも少なくありません。だから、釣れているという情報があれば即座に釣行したり、そろそろ青物が回るだろうと予測した場所へ他の釣りものも考えて出かけるスタイルが無難といえます。

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また、タチウオやカマスなどは小魚を追って港内へも入ってきますが、ハマチはそこまで餌を深追いしません。港に入るのは非常に活性が高いときぐらいで、通常は港の出入り口や波止の外向きといった潮通しがよいエリアに小魚が集まる時間帯(朝夕のまづめどきや、潮がわりのタイミングであることが多いです)にだけ接岸して釣り人の射程内に入るケースが大半です。

フィッシュイーターであるハマチを釣る餌は小型のアジやイワシで、生きたものがベスト。また、ルアーでもよく釣れています。ただ、釣り場回りにシラス(カタクチイワシの稚魚など)やアミ(アミエビの類)が多い状況だと大型の青物も小さな餌ばかり追うことがあります。沖アミの撒き餌を使う人が多い場所でもそうなる傾向があり、必ずしも生きアジなどが有利とはいえません。その場合はカゴ釣りや極小の擬似餌を用いた釣りがおもしろいといえます。

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サゴシをはじめ、美味な他魚が多いのもハマチ狙いの魅力です。

なお、ハマチ釣りには青物仲間のヒラマサやシオ(カンパチの若魚)・サゴシ(サワラの若魚)が釣れることが多いです。いずれ劣らぬ美味なファイターとあって楽しみのひとつとなります。ヒット率が比較的高いハマチよりも他魚の方を喜ぶ人がいるほどです。

ハマチの飲ませ釣りのパターン

青物が回るような釣り場ではたいていアジやサヨリ・イワシなどが釣れることから、それらを餌にした飲ませ釣りが非常に有効です。ただ、朝まづめに青物を狙うのと同時に生き餌を調達するのは難しく、結果的に時合を逃してしまうことも多いものです。できれば暗いうちに港内の常夜灯下などでアジを釣り、ブクバケツで生かしておいて夜明けから飲ませ釣りに専念できる態勢とするのが理想的です。午後からサビキやサヨリ釣りでスタートし、夕方に青物狙い、その後はタチウオ釣りというのもいいでしょう。

ウキ泳がせ釣り

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波止の先端回りなど、このように潮がヨレる(流れが変化する)場所が狙い目となります。

青物が表~宙層で小魚を追っている状況の場合、そこへ生き餌を泳ぎ込ませるウキ釣り仕様の飲ませ釣りが有効です。

狙い目は波止の沖向き。大きな群れが回っているようなら一帯で釣れることもありますが、波止全体でポツポツとしか釣れないときは小魚が溜まりやすい潮目や潮ヨレを狙える釣り座が有利となります。できれば潮の流れが変化しやすい先端部やカーブ付近、埋立地の角などに入りましょう。

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円すいタイプの中通しの発泡ウキが使いやすいです。
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小アジなどの背ビレの前にハリを浅く掛けるのが基本です。
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手の熱で弱らないようにアジをつかむときはネットを利用しましょう。
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アジなどの生き餌がなくては釣りが成立しません。餌を生かす装備は万全にしましょう。
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エアレーションも必須です。また、バッカンなどでキープするときは生き餌を入れ過ぎないように要注意。

ウキ下は2~4ヒロ程度で調整します。餌をセットしたら身が切れないようにソフトに仕掛けを投入し、周囲の人の迷惑にならない範囲で泳がせます(波止際までウキがすぐに流されるほど潮が速い状況でのウキ泳がせは困難です)。ウキが潮ヨレのエリアに入って安定するのが理想的な展開です。

竿は手に持ち、ラインを張らず緩めずの状態でキープしましょう。元気な生き餌が沖などへ泳ぐ場合は糸を送ります。不意の大アタリにも対応しやすいことからリールのベールは返しておき、指でスプールのエッジを押さえてラインのテンションを調整します。

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青物が寄ると餌(ウキ)の動きに変化がでることも多いですが、そんな気配を察知できなくても大物が食えばウキが消し込まれますし、スプールに当てた指を弾くようにしてラインが引き出されるため敏感になる必要はありません。アタリがでたらあわてずに体勢を整え、少し走らせてからベールを戻します。それからしっかり合わせて確実にハリ掛かりさせましょう。

青物はハマチ級でもよく引きますし、メジロクラスとなればかなり強い引きを見せます。それでも5号以上のハリスはそうそう切れるものではありません。弱気になってむやみに糸を出す方が周囲の人とオマツリの末にバラすリスクが高まるものです。ドラグは強めに調整し、糸を出すのは竿をのされた(引き倒された)ときぐらいにして強気で寄せましょう。

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メジロクラスの急襲に備えてドラグは強めに設定しておきましょう。

せっかく大物がヒットしたのにファイトする間もなくハリスが切られることもありますが、そのほとんどはハマチと同じように回遊するサゴシか、まづめどきに接岸するタチウオといった非常に歯が鋭い魚の仕業です。これを防ぐにはワイヤーハリスのタチウオ仕掛け(1~2本バリのもの)にかえるといいですが、ワイヤーだと青物の食いが落ちる傾向があるので通常時はフロロかナイロンのハリスを使いたいものです。

飲ませ釣り入門に最適な手ごろな遠投磯竿

先を見すえたミドルクラスの遠投磯竿

ブッ込み飲ませ釣り

人が多くてウキを流せないときや、潮が速くてウキでは釣りにならない状況ではブッ込み式の仕掛けを用いた飲ませ釣りが有効になります。潮が速い中での小魚は比較的流れが穏やかな岸寄りの底層に集まることが多く、青物もそのタナを回遊するからです。

この場合の仕掛けは捨て糸を長めにした胴突き式でもいいですが、投入が簡単で広めのタナでアピールできるエレベーター式も有効です。これはオモリだけの仕掛けを投入してポイントに落ち着かせたのち、スナップを介して道糸にセットしたハリス仕掛け(生き餌をセットしたもの)を水面下に落とし込んでいくというものです。これなら餌に投入のショックを与えて弱らせる心配がありませんし、仕掛けがなじむ過程の表~宙層での魚のヒットも期待できます。

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ただし、遠浅の場所で沖の底まで餌を送り込むのは難しいうえ、表層でヒットしたときはハリスがフリーなので合わせがききにくいという難点があります。また、潮が速い中を釣ることを考えると、30~40㍍ラインぐらいまでの近投主体の釣りだと考えた方がよいでしょう。