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初心者も大歓迎!! 盛期のカレイ、手軽に狙える投げ釣りのスタイルを解説

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本格的な投げ釣りのタックルとノウハウがないと釣れそうにないように思えるカレイですが、ベストシーズンの今なら実力に応じたスタイルで十分に遊べるターゲットの1つになります。ぜひ気軽にチャレンジしてみましょう!!

(編集部)

「何度かカレイを狙ってみたけど、ぜんぜん釣れないから投げ釣りはキスしか狙わなくなった…」という人が結構いますが、それは実力に応じたカレイを釣るための作戦を知らなかったからでしょう。大型カレイの高実績場といわれるような外海向きの急潮流のポイントでむやみに仕掛けを投げて手も足も出なかったのではないでしょうか?

確かに、ベテランはそうしたアプローチを楽しむことが多いものですが、それがカレイの釣り方のすべてというわけではありません。主に食べごろサイズの中型をメインターゲットとするのなら、もっと手軽に高確率でカレイを手にする方法があります。

タックルはファミリーフィッシング派のみなさんがお持ちであるエギングロッドやコンパクトロッド、磯竿あたりを総動員すれば十分。それで足場のよい釣りやすいポイントでチョイッと投げれば…!!

カレイ釣りに挫折した人、まだカレイを狙ったこともない人は、ここで紹介するパターンで今シーズンこそ美味で釣り応えのある秋~冬の人気者を手にして下さい。

【手軽なカレイ釣りのコツ】1に場所!! 釣りやすさ優先でOK

手軽なカレイ釣りで最大のコツといえるのはポイントを絞り込むことです。本格的な投げ釣りでは、潮がビュンビュンと流れるような釣りにくい場所を足場のわるいテトラ積みから狙うケースも珍しくありませんが、それはザブトン級と呼ばれる大物の可能性を高めるためです。カレイの釣れる確率が特に上がるわけではありません。逆に、カレイのヒット率向上を考えるなら、狙い目を釣りやすいポイントだけを設定してトラブルなくスムースに遊ぶ方が有利です。

カレイのポイント候補で最も釣りやすいのは、港の内側、埋立地の側面や凹部、人工島の陸向きの水道部など、港内ポイントといわれる場所です。このようなポイントは足場がよいところが多く、波当たりや潮流が比較的穏やかなのでファミリーフィッシング向きです(水道部では潮が速い時間帯があります)。しかもカレイの居場所は割とわかりやすいうえ、至近距離にあるため攻め方で大きなミスをすることはありません。初めてのカレイ釣りでもベテラン釣り師に引けを取らないほど高確率で本命をゲットできます。

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港内ポイントにおけるカレイのつき場の代表格は波止の捨て石の切れ目、ミオ筋(漁船の航路筋)の深み、荷揚げ場周辺。その他のエリアでもカレイの釣果が上がることがありますが、とりあえずこの3パターンのポイントだけを狙っていれば問題ありません。また、これらのポイントは足もとから30㍍以内といった近投の範囲内にたいていあるもので、エギングロッドやコンパクトロッド、サビキ用の磯竿などのファミリーフィッシングでおなじみのタックルで十分にカバーできます。

ちなみに、捨て石の切れ目というポイントは港の外側にもありますが、こちらは足場のわるいテトラ越しの釣りになることが多いですし、潮流が速い時間帯が多くて難度が上がりがちです。また、ルアーやウキ釣りの人とのオマツリ(仕掛けガラミ)が多いのにも注意が必要です。以上のことから外向きは、テトラがない波止で、なおかつ比較的流れが穏やかな状況だけのポイントと考えて下さい。

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なお、同じ港内のポイントでも何らかの理由でカレイの多い場所、少ない場所がまばらにあるもので、極端な場合は投点が5~6㍍ズレているだけで釣れたり釣れなかったりすることもあります。だから1人の釣りでも2~3本、ファミリー釣行なら1人1本程度の竿を出し、回りの人の迷惑にならない範囲で広くポイントを探るのが基本となります。

また、カレイのチャンスタイム(時合)と思われる時間帯にアタリがなかった場合、次の時合までに釣り座をかえてみるのも一策です。沖向きの一発大物狙いでは1日に1度しかベストタイミングが訪れないこともよくありますが、港内でその日のヒットポイントに入っていれば時合のたびにポツリポツリと釣れることが多いものです。そのため釣れない場所で半日以上粘るのは失敗の元だといえます。

【手軽なカレイ釣りのコツ】2に餌!! 塩餌とユムシも併用

カレイ釣りの餌としてはアオイソメやマムシが代表格です。大阪湾~瀬戸内ではコガネムシもよく、いずれも甲乙つけがたい実績があります。ただし、何らかの条件で特定の餌ばかりに釣れることがあります。そのため、マムシかコガネムシのいずれかにアオイソメといった具合に2種程度の餌を併用するのが安心です。

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アオイソメは必ず用意しましょう。
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マムシもとても有効な餌です。このようにハリいっぱいにセットします。
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また、これから年末にかけての港内ではフグや小型のカワハギ・ベラが多くて困ることがあります。普通の虫餌ではすぐに取られてしまい、何もついていないハリでアタリを待つというムダな時間が増えることが考えられます。そのような場合は塩マムシや塩コガネという少しでも取られにくい塩虫(塩漬け)として使うのが得策です(アオイソメも塩虫で使えますが、細くなるぶんハリを刺しづらいことと、嫌な匂いが出ます)。塩虫だとキスなどのうれしい他魚の食いは多少落ちるようですが、カレイの食いにはさして影響しません。

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そして、餌取り対策としては皮のかたいユムシを使うのも有効です。港内のカレイ狙いでは半分~3分の1程度の大きさに切って使うのが適当です。ただし、他の虫餌と比べると港内のカレイ、他魚の食いは確実に落ちるので使い方、使うタイミングを考える必要があります。

【手軽なカレイ釣りのコツ】3に時合!! 潮さえ動けば期待大

魚が全般に活性を上げる日の出の前後(朝まづめ)と日没の前後(夕まづめ)はカレイ釣りでも好時合となります。また、満潮、干潮の前後も一般的なカレイの時合です。さらに、潮の動きが複雑な港内の場合は満ち潮、引き潮にかかわらず、目に見えて潮の動きに変化があるタイミングはたいてい時合になります。この他、自分の竿はもちろん、周囲の人の竿にカレイがヒットするのも時合のサインです。釣り場にいる間に何度か訪れるこのようなチャンスタイムには餌のついた仕掛けをポイントに確実に入れておくこと。それが好釣果を上げる秘訣です。

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時合に効率よく釣れば、数も期待できます。

逆にいうと、潮の動きが取り立ててなく、周囲でも釣れていないようならあまり期待できない時間帯(時合落ち)だといえます。このようなときは塩虫やユムシなど持ちのよい餌でのんびりペースの釣りをして、弁当を広げたりするのもメリハリのある釣りを楽しむコツとなります。そして、時合の気配があれば頻繁に仕掛けを上げては餌をチェックし、投入点をかえてみることです。

ただし、必ずしも釣り場に終日居続ける必要はありません。夜明けから昼までと決めて集中的に楽しむのも1つの作戦ですし、そんな半日釣り派が多いのを見越して午後から比較的空くポイントに入るのも一策。昼からの釣りでは納竿する先行者に状況を聞いて当日の実績場を知るという手も有効です。

また、明るい常夜灯が並ぶ港内の岸壁では完全に暗くなってから1~2時間後ぐらいにカレイの時合が訪れることがあります。このような場所では夜釣りも苦にならないので、時間と体力に余裕があれば日没後もエギングなどを楽しみつつ粘ってみるのもいいでしょう。カレイはダメでもおいしいマアナゴが追加できる確率はかなり高いパターンです。

【手軽なカレイ釣りのコツ】4に仕掛け!! 小バリを選べば退屈知らず

投げ釣り用のカレイ仕掛けにはさまざまな工夫を凝らした市販品があります。その中でコンパクトロッドなどでも扱いやすい仕様になっている「チョイ投げ用」とか「港内用」とされているものが使いやすいです。種類はどれを選んでも問題なくカレイが釣れるでしょう。

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小さいハリを使うことでカレイ以外の釣果も期待できます。

ただし、この時期のカレイ狙いで期待できるうれしい他魚である良型のキス・ベラ・カワハギなどのことを考えると、小さなハリがセットされているものがおすすめだといえます。他魚がよく釣れる方がファミリーフィッシング的にも盛り上がりますし、それらが釣れることで結果として手返しのよい釣りとなってカレイのヒット率も上がるものです。

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具体的にはカレイバリなら12号以下というのがひとつの基準です。注意したいのは、小バリがよいといってもキスバリの仕掛けはNGということです。良型のカレイが掛かったときにハリがのびてバレる危険性が高くなるからです。

【手軽なカレイ釣りのコツ】5に装備!! 手軽な釣りこそ道具が重要

釣りの最中に何かトラブルがあるのはつまらないですし、手返しは確実にわるくなるため時合を逃すことも多くなります。スムースに釣るためには状況を慎重にうかがいながら注意深く行動するのが第一です。それに加えて装備を整えることも重要です。

竿受け

できればすべての竿を三脚に立て掛けてアタリを待つこと。竿が3本なら三脚は1台で間に合いますが、全員で計4~6本の竿を出すなら2~3台の三脚を用意しましょう。その方が釣り座の整理ができて動きやすいですし、アタリもよくわかります。

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竿受けは必ず用意しましょう。
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三脚が足りずに竿を波止に置く場合は必ずロッドケースなどを敷いて竿先を浮かせること。それだけで竿やリールに砂などがついて起こるタックルの不具合が減少します。また、その際は波止際に対して45度ぐらいの角度で竿を並べるとアタリがわかりやすくなるうえ、竿を踏むといったトラブルが起きにくいものです。

玉網

カレイ仕掛けなら良型を抜き上げても切れることはないと思いますが、掛かりどころがわるいと水面でハリがスッポ抜けて魚を落とすケースが結構あります。これは魚が大きいほど起こりやすいので、30㌢ぐらいの魚から玉網で取り込むクセをつけておくのが無難です。

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良型は玉網を使って取り込みましょう。

また、これからの季節は風が強い日が多いもの。それでも釣りになるのが港内カレイのいいところですが、思わぬ突風で三脚が倒れて竿が落水したり、帽子を飛ばされることも少なくありません。そんな海に落ちた道具を沈む前に回収するにも玉網は役立ちます。安価なもので十分なので必ず用意し、釣り始めからセットしておきましょう。

小物類

ウミケムシやハオコゼなどの厄介者が釣れたときに安全かつ迅速に海へ返すための魚バサミやハリはずし、ペンチの類は必須です。それがないと釣りのペースダウンは確実です。また、餌は、風が吹くと飛ばされるような餌店のパッケージに入れたままにせず、きちんとした餌箱で保管しておくべきでしょう。そして、三脚を安定させるには水汲みバケツも必要です。

釣行前には装備を必ずチェックして忘れものがないようにすることもスムースにカレイを釣るための秘訣です。


以上、ポイントを港内の近投エリアに絞り込めばカレイを釣るのに難しいテクニックは必要ありません。およそ遠くても30~50㍍先の思った方向へ仕掛けを投入できる実力があれば、あとはいかに時合をとらえるかというのが港内カレイの基本パターンです。

カレイは食い逃げしたり、根に逃げ込むような魚ではないので合わせのタイミングに悩むこともありません。竿先を押さえ込んだり、道糸をたるませる糸フケのアタリがあれば30秒ほど待ってから合わせればOKです。それで掛からないのは餌取りや小さなキスです。相手がカレイなら心地よい重量感が必ず味わえます。

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重量感を楽しんで下さい。

これから12月上旬にかけて大阪湾や播磨灘では乗っ込みの最盛期を迎えます。日本海では天候が問題ですが、11月中旬から年明けぐらいが特におもしろくなります。このチャンスに手軽なスタイルで効率よくカレイ釣りを楽しみましょう。