競技会で実践したスレたグレを釣る方法を解説!!|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.17 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

競技会で実践したスレたグレを釣る方法を解説!!|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.17

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私が所属する京都府磯釣連合会の秋季大会に参加しました。舞台となったのはスレ気味のグレが相手となる三重県の尾鷲。案の定、グレの活性が上がらない状況に手を焼きましたが、いろいろと策を講じることで良型を手にすることができました!!

(カメラ/文 上田泰大)

今回は10月6日に三重県の尾鷲で行なわれた『京都府磯釣連合会秋季大会』に参加した際の釣りの様子をお送りします。

尾鷲はトーナメントの予選でよく使われるフィールドとあって普段から多くの釣り人が竿を出しています。そのぶんグレにかかるプレッシャーが高いという傾向があります。では、プレッシャーによってスレたグレをよりよく釣るにはどうすればよいか? 今回は「スレたグレを釣る方法」をテーマとして詳しく説明させていただきます。

スレたグレに対しては餌取りを集めない撒き餌ワークも必要

私が渡礁したのは「トラ四郎のハナレ」という磯です。桃頭島(とがしま)の東側に位置する磯で、水深が豊富という特徴があります。今シーズンはよく釣れているのか、この周辺に釣り人が密集しています。人が多いとグレの警戒心が余計に強くなるだけに難しい釣りになりそうです。

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桃頭島にあるトラ四郎のハナレに渡礁しました。

夜明けを迎えた6時ごろに釣りがスタート。右へ流れている潮を考慮し、海を向いて左側に入ります。

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紀東ならではの美しい日の出を見ながら実釣をスタート。

魚が食いやすい釣り始めのチャンスを逃さないように集中し、ゆっくりと右へ走る潮に乗せて仕掛けを流していきます。すると、狙い通りにすぐにヒット!! キャッチしたのは25㌢ほどのグレです。

続いて同じように流したところ、手のひらほどの木ッ葉グレへとサイズダウン。それならと徐々に遠投を試みます。しかし、刺し餌は残るのもののなかなかグレが食いません。

その後、潮が止まると、シマアジやイズスミ・アイゴといった他魚が釣れるようになりました。

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やがて潮が左へ動きだしてからは仕掛けの投入点をあちこちにかえながらグレの居場所を探ります。1個所を集中して狙うと餌取りが集まることと、活性の低いグレは餌取りの中にまで入ってくることが少ないことを考慮しての作戦です

手前は餌取りが多いものの遠投し過ぎると刺し餌が残るという状況の中、刺し餌が取られない境界ギリギリを狙います。すると25㌢ぐらいまでのグレがヒットしますが、狙っているのはこのサイズではありません。それですぐにポイントを見切ります。

サラシ+磯際がキーワード。誰も注目しない場所も要チェック

今一度、磯全体を冷静に見てみると、左側にある割れ目から小さなサラシが出ているのが目に入りました。海中からだと釣り人が見えにくくなるぶんグレの警戒心が弱まる要素となりうるサラシの存在は好都合です。警戒心が高くて磯際からグレが離れない状況だと考えられるだけに、サラシがある個所の磯際を狙うことにします。

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仕掛けは、サラシに直接入れると沖の方でなじむため、潮かみから入れるようにします。撒き餌は、餌取りを寄せるためにさらに潮かみへ入れます。

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左側のサラシです。ここへ直接入れると仕掛けは磯際でなじみません。
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流れが穏やかな潮かみに仕掛けを入れてなじませます。

このパターンで狙うと、すぐにキープサイズのグレがヒット!! キャッチしたのは34㌢ほどの口太です。

その後、32㌢を追加しましたが、しばらくすると餌取りが多くなったことからポイントを休ませます。こうして撒き餌を止めると、再開後にスレたグレが1発で食うことがあります。

5分ほどの休憩後、磯を見渡すと右側にもサラシがあることがわかりました。しかも、よさそうな潮目ができています。「これは狙ってみる価値あり!!」と思って移動し、足もとからゆっくりと仕掛けを入れると1発でヒット!! キャッチしたのは34.5㌢のグレです(これがこの日の最長寸でした)。

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良型がヒットしました。

この日は潮がわるかったのか他の磯ではあまりグレが上がっておらず、グレの長寸で2位に入賞することができました。

釣り人が多く、グレの活性が低い状況では他の人があまり探らないポイントを狙うことでよい釣果が出ることがあります。まだスレてない釣りやすいグレがいるからです。みなさんもぜひ試してみて下さい。

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誰も狙わないところにいるグレほど釣りやすい傾向があります。厳しい状況の打開策となることもあるので頭に入れておいて下さい。
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今回の大会の検寸風景です。グレの他にチヌやヘダイ・シマイサギなども持ち込まれました。
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今回の大会の順位表です。
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会員さんが育てられた近江米を賞品としていただきました。

釣行メモ

川端渡船
HP http://www.tsurisoku.com/kawabatatosen/
電話番号 0597-22-8430
090-5034-8247
住所 三重県尾鷲市馬越町4560
料金 朝釣り5,000円
半夜釣り5,500円
通し釣り8,000円
その他 無料駐車場あり。
弁当あり(500円)。
撒き餌
※マルキユー製品
グレパワーV9徳用
爆寄せグレ
グレジャンボ
刺し餌
※マルキユー製品
くわせオキアミスーパーハード
くわせオキアミV9
くわせオキアミスペシャル
竿 シマノ・BB-XSPECIAL SZII 1.2号485/520
リール シマノ・BB-Xハイパーフォース2500DXG
※リンクは17年モデル
道糸 東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.5号
ウキ ソルブレ・PFフカセM00
ハリス 東レ・スーパーL EXハイパー1.2号
ハリ ハヤブサ・鬼掛 極軽グレ5号
ハヤブサ・鬼掛 軽攻めチヌ1号

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。
年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。
■ブログ:グレトーナメント全国制覇への道
■youtube:上田TV