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難しさ抜きの実践解説|アタリ頻発のダンゴ釣りがおもしろい!!【後編・ヌカ切り】
前編の紀州釣りに続いて後編では同じくダンゴ釣りのヌカ切りを紹介します。リーズナブルかつ手軽に楽しめるスタイルながら、ときには30㌢クラスのグレが連発することもあるスタイルだけに要注目です。ぜひ参考にして下さい!!
(編集部)
ヌカ切りってどんな釣り?
底を狙う紀州釣りに対し、ヌカ切りは宙層を狙うスタイルです。そのぶんターゲットもかわり、グレがメインとなります。
刺し餌をダンゴで覆うという手法はかわりありませんが、ヌカ切りの名の通り、宙層でヌカを切る、すなわち宙層でダンゴをなくすというのが特徴です。狙いのタナ(ターゲットのグレが餌を捕食するために浮上する頂点)の5〜10㌢上で自然にバラけるようにダンゴを握ることでなじむまでの間の餌取りを回避し、本命に刺し餌を食わせるというのがその寸法です。要するにタナの区間だけフカセ釣り状態を作るというパターンというわけです。
その釣り方は、紀州釣りで狙う底といったような明確な基準のない宙層狙いというやや難しい面もありますが、手軽さでいえばヌカ切りが勝っているといえます。ダンゴを握る際に握力は必要ない、遠投は不要、宙層狙いなので手返しが早いという具合に気軽に楽しめるので、以下で紹介する角井よしたかさんのパターンを参考してぜひチャレンジしてみて下さい。
ヌカ切りで用いるダンゴ、刺し餌、仕掛けについての解説
ダンゴベースの作り方
米ヌカ、粒子の細かい海砂(粒子が粗いものだとダンゴが割れやすくなる)、アミエビ(1日釣るなら3㌔は必要)、集魚材(マルキユー・グレパワーV9)という素材を配合してダンゴのベースとするのが角井さんのパターンです。
手順
①アミエビをザルに出し、上から押さえつけてしっかりと水分を切ります。
②米ヌカと海砂を3.5:1の割合で配合してしっかりと混ぜ合わせます。そこへ水分を切ったアミエビを、ベースを握ったときに締まってまとまるぐらいまで少量ずつ混ぜ合わせます。
③茶色くなるまでしっかりと混ぜ合わせたのちに集魚材を1袋の3分の1程度入れます。
④混ざりにくい底の角も堀り返すようにしてムラがなくなるまでしっかりと混ぜます。
ダンゴの握り方
①ダンゴベースをひと握り手に取り、中央に刺し餌を入れます。
②紀州釣りとは違い、片手で握り締めます。このときの握り具合をよく覚えておき、狙うタナに応じてかたく握ったり、緩く握ったりします。
③このような俵型にして完成。
刺し餌の種類について
刺し餌はもちのよいイシゴカイがメインとなります。この他、もちはわるいものの抜群によい食い込みが期待できるアミサシ(刺しアミよりも小粒なタイプ)や、餌取りが多いときでもアタればグレといえるハバノリがあると重宝します。
餌の刺し方
イシゴカイは1匹を通し刺しにします。ハバノリは1房をハリの軸に巻きつけて2㌢ほど垂らします。アミサシは尻尾から頭にかけて通し刺しにします。
ハリはイシゴカイ、ハバノリならグレバリ5号、アミサシならグレバリ3号がマッチします。
仕掛け考察
基本的なシステムはフカセ釣りとかわりません。重要なのは小型のカヤウキとヨウジで止めたカラーゴム管です。
ウキは仕掛けをむやみに引っ張らない浮力の弱い0〜00号クラスが最適です。また、仕掛けの動きをなるべく妨げない小型タイプが理想的です。小さなアタリを確実に表現させるためにゴム管で固定して使用します。
ヨウジで止めたカラーゴム管は目印として使用します。タナになじむまでのダンゴの有無、ダンゴが途中で割れたときの張りがない状態でのアタリなど、海中の様子をウキ以上に伝えてくれるアイテムとなるのでセットするのがおすすめです。
ウキ下設定の目安
浅いタナへグレを浮かせて釣るのが基本です。まずは2〜2ヒロ半のウキ下で狙います。それで餌取りばかりがアタるなら深く、アタリがボケるなら浅くするなど、半ヒロずつ調整しましょう。
なお、固定仕掛けのため一般的な磯竿であれば3ヒロ半までのタナを狙うのが限界となります。
ヌカ釣りを楽しむための3個条
①ダンゴ着水点にウキを置く
オモリを使わず、ダンゴの自重で刺し餌をタナに送る釣りとあってウキとダンゴの投点の関係がとても重要となります。何の策も取らずに投入すると、ダンゴが沖、ウキが手前となります。それではなじんだときに仕掛けが斜めに入るためウキ下とタナ、ポイントに誤差が生まれて本命のアタリを得られる確率が下がってしまいます。
ウキ下とタナ、ポイントの誤差を防ぐために行ないたいのが、ダンゴ投入後はすかさず竿を振り上げて糸を送る、という操作です。それを行なうと、抵抗なく飛んだウキがダンゴの着水点にまで届きやすくなります。これを毎回行なうことがヌカ切りでは特に大切です。
ただし、もちのわるいアミサシを使うときはその限りではありません。小さなアタリをウキにでやすくするために、仕掛けをあえて手前にズラして張りを持たせたうえでなじませるという方法も駆使するのが有効です。
②ダンゴの握り具合を把握する
前述したように狙いのタナの5〜10㌢上でダンゴが自然に切れる(なくなる)のが理想的です。それを求めるためにまずはおよその力具合で握って投入することから始めます。それで仕掛けがなじむ(波長に合わせて上下していたウキが波頭に出なくなることや、ヨウジ止めしたゴム管が止まることで判断します)前に切れるなら力を増して握り込み、逆にウキが沈むなら握る力を緩くします。その調整を繰り返してベストなかたさに近づけていきます。途中で割れると仕掛けがなじまないばかりか、刺し餌が取られて釣りにならないため慎重に行ないましょう。
なお、握り込んでいるにもかかわらず、仕掛けがなじむ前に切れるのはダンゴベースの水分が抜けていると考えられます。水分を適度に加えてまとまりを持たせましょう(水分を加えたときは、全体に行き渡るようにしっかりと混ぜること。そうしないと握り具合に関係なく切れないベチャついたダンゴになります)。
③合わせのタイミングを見きわめる
合わせは早い、遅いの2パターンがあります。餌もちのよいイシゴカイやハバノリは1度めの吸い込みアタリと2度めの本アタリがあることからいずれのパターンも通用します。最初から早合わせにこだわって1度めにでる小さなアタリ(吸い込みアタリ)を掛け合わせるのもいいですし、その後にでるウキを沈めるアタリ(本アタリ)をじっくりと待ってから合わせるのでも構いません。
難しいのはもちがわるいアミサシです。ダンゴが切れるとすぐに取られるため、わずかにウキを押さえる1度めの吸い込みアタリを掛ける早合わせが求められます。この小さなアタリはウキが沈むとれないため、ダンゴの握り具合をきちんと合わせる必要があります。
なお、餌の種類を問わずに小さな波紋が出るチョンチョンと節のついたアタリや一気に持っていくアタリは餌取りであることが多いため見逃しましょう。
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