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餌取りの分離作戦だけでは不十分!? 梅雨グレをもっと楽しむための戦術を解説
グレとともに活性を高める餌取りをかわす方法として最もスタンダードなのが分離作戦です。しかし、その方法だけでは釣りこなせないケースもよくあります。ここでは分離作戦以外に覚えておきたい3つのケースと対処法を紹介しましょう。
(文:田中夏樹)
餌取り対策の基本は分離作戦
産卵で落ちた体力を回復させたこの時期のグレは餌を活発に拾います。いわゆる梅雨グレのハシリの時期に当たりますが、グレと同様に餌取りたちも元気になるタイミングでもあります。とはいえ、撒き餌を駆使して餌取りとグレの分離ができれば比較的簡単に釣りこなすことができます。
分離にするにあたってまず考えたいのが、この時期は潮筋を本命ポイントとしたいため、できるだけ潮の動かない場所に餌取りを誘導するということです。それを実行するには、潮が動いていない場所へバシャバシャと音を立てるように何度も撒き餌を打つことから始めます。活性のある餌取りは音にも敏感に反応するため、水面に叩きつけるように撒き餌を打つことでより集めやすくなります。
餌取りが寄りだしたら釣りの開始です。餌取りが他所へ行かないようにするための追加の撒き餌を打ってから仕掛けを投入します。その後、餌取り用の撒き餌を再び打ってから本命ポイントに撒き餌を打ちます。このグレ用の撒き餌は少量とすること。せっかく寄せた餌取りが本命ポイントの撒き餌につられないように、配分を考えた撒き餌ワークを心がけましょう。
仕掛けを流している際も餌取り用の撒き餌をときどき打って徹底的に足もとなどへクギ付けにします。餌取り用の撒き餌は本命ポイントの2倍から4倍ぐらい撒くつもりでいいでしょう。
グレと餌取りの分離作戦が通用しないケース
撒き餌によるグレと餌取りの分離は以上の要領が基本ですが、これで分離できないときもあります。そんなときはどうするかを考えてみましょう。
【対策1】グレの活性がかなり高いケースと対策
グレの活性が高く、餌取りを蹴散らしながら餌を拾いに水面近くまで浮いてくるようならば仕掛けと撒き餌を同時に投入する方法を取ります。この場合、矢引き〜30㌢ぐらいのウキ下とし、グレが餌を食ったのが見えた瞬間に合わせを入れます。このパターンでは掛かりのよいスレバリを用いるのが有効です。少し大きめのサイズを使うことでスッポ抜けを防ぐことができます。
慣れないうちは難しいテクニックですが、練習をすれば竿下でも遠投でも同様に行なえるようになります。魚が釣れないときに仕掛けと撒き餌の投入のタイミングを練習してみましょう。
【対策2】潮流がないためにグレが刺し餌を食わないケース
餌取りに悩まされるパターンで最も多いのは、実は他にあります。グレが餌取りの下で餌を拾っているにもかかわらず、潮があまり動いていないために刺し餌を食わせられないケースです。そのようなときは思い切って餌取りの中に刺し餌を入れる方法を取ります。ただし、仕掛けと撒き餌をむやみに投入してはいけません。
まずは仕掛けを入れる前に撒き餌を打って餌取りとグレの動きをうかがいます。それでグレが少しでも浮けば撒き餌を追い打ちして再びグレの動きを見ます。さらに浮いてきたなら撒き餌の真ん中に刺し餌を投入し、すぐさま追加の撒き餌を打ってサンドイッチ状態にて刺し餌を送ります。
このときに注意したいのは、ウキゴムや目印、ウキにでる少しのアタリをしっかりととらえることです。食いのよいときはウキを引き込むアタリがでますが、そうでないときはほんのわずかな仕掛けの抵抗に違和感を覚えて刺し餌を放すこともあります。そのため、ウキゴムや目印がわずかに動く瞬間、すなわちグレが刺し餌を口に含んだ一瞬のタイミングをとらえて合わせなくてはなりません。
グレが浮いてこなくても、撒き餌に反応するスピードが速いときは活性が比較的高いと判断できます。その場合はグレが餌を拾うタナにウキ下を合わせ、仕掛けを張り気味に入れることでアタリをとらえることができます。このとき、ごく少量の撒き餌を何度か追い打ちするとグレのタナが維持されやすくなるとともに、刺し餌と撒き餌を長く合わせることができるためヒット率アップが期待できます。
【対策3】グレに動きはあるものの食い渋るケースと対策
以上の他、撒き餌の回りをゆっくりとフラフラと動いているものの、なかなか刺し餌を食わないケースもよくあります。そんなときはフラフラと刺し餌を落とす釣り方で対処するのが有効です。
フカセ釣りは仕掛けを張ることでアタリをとることが多いですが、張ることによってウキやハリス、そして刺し餌の動きに対して違和感を与えることがあります。それが食い渋っているグレに余計な警戒心を持たせることがあるのです。
フラフラと落とす釣りでは、ウキから上にある道糸を操作することでウキを流すコースやなじみ具合を調整していきます。ウキから下の仕掛けに張りを持たせず、刺し餌をフラフラと自然に落としてグレに違和感なく刺し餌を食わせるイメージで狙います。
この釣りを行なう際の一番のコツは、刺し餌と撒き餌の落ちるスピードをできるだけ合わせることです。ウキから下の仕掛けに影響を与えないように、道糸を張らず緩めずに保ちつつていねいに送り込むことができれば違和感なく刺し餌を食い込ませることができるはずです。
使用するウキは、仕掛けがなじんでからは撒き餌と同じスピードで沈んでいくものがおすすめです。あるいは、そうして沈むようにハリスにシズを打った仕掛けでも構いません。また、ウキの抵抗で刺し餌を放されないようにできるだけ小さなウキを使いたいものです。私は小指の第一関節ぐらいのサイズを使っています。
そして、ハリス、ハリともにグレが抱く違和感を極力なくすためにライトなものを使います。見えているグレを取れると思う中で最も細い号数のハリス、撒き餌の中から拾った小さな沖アミをつけられる3〜4号の小バリ(線径が細く、食い込みのよい短軸タイプが理想)という具合です。
このような仕掛けはまるで寒グレの食い渋り対策のようですが、食い渋るグレに刺し餌を食わせる方法に季節は関係ありません。いかに状況に合わせるかが釣果を上げるポイントとなります。
このフラフラの釣りのアタリは、目印やウキゴムのわずかな動きや、道糸の走りでとることになります。
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