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50㌢級の大物も期待大!! 投げで狙う神明間のクロダイ釣りを徹底解説

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気候的に過ごしやすいうえ、うまく当たれば複数の大物を手にできるという魅力的な時期の到来です。投げ釣りの好敵手であるカレイ・アイナメは終盤ならではのよく肥えた大物が期待できますが、ここでは引きの強さをはじめとした釣り応え抜群の50㌢前後の大型クロダイをメインに、スズキやマダイも手にできる可能性がある神明間での釣り方とポイントを紹介しましょう

(文:谷口 優)

場所によって異なりますが、4月中旬から5月にかけては大型のクロダイが浅場で高確率に狙える乗っ込みと呼ばれる時期に当たります。いい状況の中で釣行できれば、ひと晩、もしくは半夜で45~55㌢が1~2匹、40㌢前後が1~2匹釣れます。

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神明間におけるこれからのクロダイ狙いは大物の期待感も十分です。
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このような賑やかな釣果に恵まれることもあります。

また、他魚として50~70㌢のスズキ、潮に恵まれればまれにマダイの40~60㌢もアタります。さらに、夜が明けてからも粘れば30~35㌢クラスのカレイの他、アイナメが混じることもあります。

そのように、体力があれば夜も昼も大物が狙える楽しい時期です。ただし、あまり欲張ると収拾がつかないため、ここでは大型クロダイを狙うコツに的を絞って紹介しましょう。

神明間におけるクロダイ狙いの実践パターン

雑食性であるクロダイは波止回り、砂浜、磯場などのいたるところに生息しています。落とし込み、ウキ・フカセ釣りでは場所をあまり選ばないともいえる対象魚ですが、投げ釣りで狙うとなると釣る場所や潮回り、仕掛け、餌使いなどをよく考えなくてはなりません。

釣行タイミングについて

私のホームグランドである神明間では神戸港の沖波止、須磨海岸、塩屋周辺、垂水、アジュール舞子、大蔵海岸、明石港周辺、林崎、松江海岸の石積み波止などの各所で釣れる可能性がありますが、高確率ということであれば場所はある程度限られます。

ご存じの通り、神明間は潮位差の大きい大潮や中潮だと潮流がかなり速くなります。流れが速い状況で魚が潜んでいるシモリ回りを狙うと、根掛かりが多発する厳しい釣りを強いられます。したがって、当日の潮時をよく把握しておくことがまずは重要です。大きく潮が動くタイミングはあまり期待せず、流れが緩んだり変化する満潮や干潮前後の時間帯をしっかり狙うのが釣果を上げるための要点となります。

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条件を見きわめたうえで釣行すれば、年なし級の連発という釣果も期待できます。

ただし、単に釣り場近辺の潮時表を見るだけでは不安です。場所ごとに満潮や干潮の時間帯にズレが生じることがあるため、潮止まりの時間帯前後をしっかり釣れるように余裕を持ったスケジュールでの竿出しをおすすめします。特に、初めて行く場所や通い慣れていない場所ではその点を心がけましょう。

また、満潮や干潮前後以外でも地形によって潮の変化が起こることがあります。たとえば、防波堤の先端部や護岸のコーナー部では地形に沿って流れが変化します。特に、その潮しもに当たる部分は潮が回り込んで流れの変化が起こります(図1参照)。沖合の潮がよく流れているときでも、そうした場所では魚が口を使うことがあります。思わぬ時間帯にドーンと大アタリがくることもあるため気が抜けません。

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なお、私の経験上では大潮回りの満潮と干潮の潮止まり前後に数・型とも揃っています。また、雨後の濁りが少しある状況はわるくない印象があります。土砂が流れ込んで真っ茶色になる状況以外なら濁りは何ら問題ないといえます。

タックルについて

クロダイは50㌢前後ともなると強烈な引きを見せますし、潮流が速い神明間では重めのオモリの使用が前提(最低でも30号は使用したい)となるため、竿は長さ4~4.2㍍でオモリ負荷30~35号を選択します。リールは竿に応じた大型スピニングリール(ナイロン4号+力糸が200㍍以上巻けるもの)で臨みます。ラインはナイロン3~4号+テーパーラインの力糸12号15㍍か、PEライン3~4号+ナイロンテーパーライン力糸5~12号というものが標準です。

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仕掛けは1本バリ仕様とし、全長1.5㍍程度の長めとします。モトスは8~10号、ハリスは5~6号を用います。ハリはユムシコウジやキングサーフ、トーナメントカレイの15~16号クラスの大バリがおすすめです。

そして、ハリ上にやや大きめの蛍光玉(シモリ玉)をつけるのが有効です。集魚効果が期待できるとともに、海底で潮流を受けて自然になびく様子を演出できると考えています。ただし、フグやアナゴなども集めることになるため、餌がよく取られるときははずしましょう。

餌について

餌については、この時期はイチヨセやスムシといった袋虫系が手に入ればベストです。特に、明石~林崎方面ではこの餌に抜群の実績があるだけに餌店にあれば購入しましょう(豊富にないため、いくつかの餌店に事前に電話で確認、予約しておくのがよいでしょう)。

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袋虫系の虫餌を入手できれば好釣果が期待できます。

また、餌取りに強いユムシや食いが抜群によいコウジも用意したいところです。ただ、コウジは高価なのがネックです。フトコロに余裕のある方はユムシと同様に準備されるといいでしょう(私はいつもユムシですが…)。

万能餌であるアオイソメ(5~10匹を房掛けした、いわゆるアオダンゴで使用)やマムシは、私はサブ的に用意する程度です。

この他、ボケも食いがいい餌ですが、ハリからはずれやすい、使用する大バリにサイズが合わないなど、本格仕様の投げタックルで用いるには適していません。やわらかい竿で50㍍以内を狙う場合や、防波堤や護岸の際から深くなる場所にかけての足もと回りを捨て竿で狙うときの使用に限られます。

釣り方について

実釣のスタイルについては、打ち返しを考えるなら竿は3本程度が適しています(潮が速いときや、餌取りが多いときは2本でもOK)。

釣る時間帯が夜主体とあってフグやアナゴといった餌取りの対策や、潮が走ると仕掛けやラインによくからむ海藻の除去処理に追われて体力と気力を消耗し、ここぞという時間帯に集中できない懸念もあります。そのため長くても10分以内の間隔でそれぞれの竿を打ち返すパターンが最適です。また、潮が緩んだときは、竿3本であれば順番にハンドルを2~3回転させたり、竿を手で持って少しサビくサソイをかけるのが有効です。サソイの直後にガツンとくることがたびたびあります。

そして、竿3本の場合であれば、2本はアオイソメの房掛けやスムシ、1本は比較的餌取りに強いユムシ(コウジ)をつけて狙うスタイルがおすすめです。

実践釣り場ガイド

塩屋東海岸〈兵庫県〉

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JR塩屋駅前の塩屋漁港から東に位置する海岸です。特に変化がない浅いサーフでありながらも神明間きっての大物場です。クロダイ・スズキの魚影は非常に濃いうえ、カレイ・アイナメ・マダイも期待できます。

この場所の最高のタイミングは大潮回りの深夜の干潮前後。こんなに潮位が下がっているのに大丈夫? と思う時間帯に時合がくる傾向があります。朝夕のまづめどきも時合になりますが、深夜の干潮前後にはかなわないと感じています。

ここで期待できるクロダイのサイズは45~55㌢。私の50㌢オーバーの実績もこの塩屋が最多です。

釣行パターンは、Ⓐ日暮れ前に入って深夜の干潮過ぎまで釣る、Ⓑ深夜の干潮2時間前に入って夜明けまで釣る、という2通りがあります。慣れていない場合はⒶのパターンをおすすめします。明るいうちに周囲の状況を自分の目で確認したうえで、夕まづめにカレイ・アイナメ、夜間にクロダイ・スズキを狙いましょう。元気があるなら翌朝まで粘るのもよいですが、大型が釣れる時間帯は限られているため的を絞った釣行計画を組むのが得策です。

ポイントは図に示した通りに3つあります。ポイント①では丸いコンクリートの構造物周辺の浜、ポイント②ではJR線の護岸との間が少し狭くなっている部分のゴロタ浜、ポイント③では2本の短い波止がおすすめです。いずれもJR塩屋駅周辺のコインパーキングやJR塩屋駅から30分近く歩いて海岸に出ることになる点が少々ネックです。

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ポイント②のゴロタ浜です。
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塩屋東海岸で最も釣りやすいポイント③の波止です。

投点はクロダイ・スズキ狙いなら遠投が絶対ではなく、50㍍前後でもOKです。100~120㍍付近の遠投ポイントでもアタリが期待できるので投げわけて待ちましょう。

狙い目となる潮回りは大潮、もしくは大潮前後の中潮です。ここでは上げ潮は西へ、下げ潮は東へと流れるため狙いのタイミングとなる潮止まりをつかみやすいでしょう。

③の波止で竿を出す場合、正面は根掛かりが激しいことから45度方向の潮しもを狙うようにします。潮に逆らって投げても釣果はあまり期待できません。ここは波止のつけ根まで誘導すれば浜にずり上げて取り込めます。とはいえ、玉網を持参するに越したことはありません。

明石新浜~松江海岸周辺〈兵庫県〉

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明石新浜、林崎ベランダ、林崎漁港大波止の西のエリアは4月終盤から5月にかけて大型クロダイに出合えるチャンスを迎えます。いいときで40~50㌢クラスが3~5匹という釣果に恵まれることがあります。

このエリアは潮流がとても速いうえ、海藻が非常に多いために釣りづらさがあります。時合がくるまでは我慢が必要となります。

明石周辺も原則的には上げ潮は西、下げ潮は左に流れます。原則的としたのは明石海峡周辺では必ずしもその通りに流れないことがあるからです。沖は東向きでも岸近くは西向きに流れることがあるなど非常に読みにくいです。ただ、そのぶんチャンスとなる潮流の変化が生まれやすいため、潮の動きは常にチェックしておく必要があります。

時合は、夕まづめから夜間と、夜明け前の潮流に変化があるときにくる傾向があります。ポイント図に示した④の明石新浜や⑤の林崎ベランダでは上げ潮、下げ潮ともに流れが緩む前後、⑥の林崎漁港西側にある松江海岸では上げ潮が有望です。これらはあくまで経験と原則に基づいたものであるため、その他の時間帯でも釣れる可能性はあります。ただし、潮が飛んでいるときは期待薄です。

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ポイント④の明石新浜の釣り場です。
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ポイント⑥の松江海岸の石積み波止の釣り場です。

餌は袋虫系に限ります。この餌が手に入らなかったら他へ回る方がいいといわれるほど、このエリアでの特効餌となります。餌店で必ず予約をしてから釣行しましょう。

いずれの場所も遠投は不要ですが、3本の竿で釣るなら遠、中、近と投げわけましょう。フグやアナゴといった餌取りが多いことから10分以内で打ち返すのが望ましいです。

どの釣り場も波止や石積みからの釣りになるため大型の取り込みには4.5㍍以上の長さの玉網が必要です。

そして、いずれも駐車場から比較的近くてストレスは少ないですが、明石新浜や林崎ベランダでは漁港作業の邪魔にならない場所へ、松江海岸では有料のコインパーキング(場所によって深夜は閉鎖されることもあるので注意が必要)へ駐車することを守って下さい。

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