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トーナメンターが語る後半戦のキス引き釣り戦略 Part3
押さえておきたい秋ならではのヒットパターン
秋のキスは20㌢オーバーが揃うことがよくあります。また、少し荒れて波立つと大きな集団となり、近投でハリの数だけ大きなアタリで乗ってくるというバコバコ状態があるのが楽しみです。たとえば、私が10月に入ってからよく釣行する若狭の高浜の場合、荒れ模様の日が続くと大きな群れになったキスが海水浴場の左の浜に押し寄せ、25~28㌢級の大型混じりで強烈なアタリが連発するという最高におもしろい釣りが体験できます。
ただし、このような好況が訪れるタイミングの判断は難しいものがあります。ベタナギが続くと魚は沖に出てしまうからやっかいです。キスが寄る強い西風が最低でも3日間吹くのが条件となるため、休日に合わせた釣行ではタイミングが合わないことが多いです。確実に釣ろうと思えば天候をつぶさに把握し、チャンスと思えば休暇を取ってでも飛んで行けるような身軽さが求められます。
もっとも、このような好釣り場は人気があるため「秋ギスは夜が明けてからの方が食いがよいし…」といった甘い考えではポイントに入れない可能性大です。正確なタイミングの読みに加え、朝からの爆釣を夢見て深夜から釣り座を押さえる意気込みが必要となります。
また、中・大型をスムースに数釣るためには大バリに大餌の釣りが基本です。大型を掛けてもトラブルが起きにくい仕様の仕掛け、そしてイシゴカイにアオイソメ(あればチロリも)を用意しておくことです。数釣れる当たり餌は日によってかわりますし、大型が特定の餌ばかりにヒットすることもあります。数種の餌を持参しないとせっかくのチャンスに指をくわえているだけになりかねません。
そして、大会のようにタックルの制限がないことから、私はキス釣りの醍醐味を目一杯楽しむためにライトタックルと遠投タックルの2セットを用意します。状況がよくて近場で型揃いがバンバン釣れるときはライトなタックルが断然おもしろいです。しかし、多くの釣り人が投げ続けるとキスの群れも警戒して沖へ出てしまうわけで、近場で反応が鈍くなれば遠投タックルを用意します。
普通の投点で釣れなくなったときに遠投タックルでブッ飛ばすと、はるか沖合でギューン、ギューンとくる素晴らしい大アタリ。これが私にとっては理想の状態です。
秋口にありがちなタフコンディションの打開策
9月上旬から中旬にありがちな水温の上昇とともにキスが沖に出て極端に魚影が薄くなる秋口の難しいパターンも、大会で勝とうと思えば避けては通れません。
条件的には台風がこない限り海が荒れることは珍しく、海面が湖のように静まり返ったベタナギで、なおかつ潮が透き通っているというキスの警戒心が高まる状況がほとんどです。それだけにまずはキスが隠れる場所を見きわめるのが先決となります。たとえば、沈みテトラや波打ち際、漂う海藻のかたまりや藻場の周囲はよい狙い目になります。とにかく平坦な海底にはほとんどキスはいないと考えるのが正解です。
次は仕掛けの工夫です。私はできるだけ細く、長くして自然に漂わせることを意識しています。モトスは1.2号、ハリス0.4号、ハリは秋田キツネ2号とし、エダスの間隔を35㌢と広くした8~10本バリを用います。また、オモリは仕掛けを浮かせて漂いやすいようにフロートシンカーを使います。この時期の臆病なキスを引き出すにはそこまでする必要があるわけです。
そして「キスは足で釣れ」を実践します。1個所で止まることなく広範囲に探ることがアタリを得るための一番の作戦だといます。
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