トーナメンターが語る後半戦のキス引き釣り戦略 Part2 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

トーナメンターが語る後半戦のキス引き釣り戦略 Part2

キス引き釣り戦略2-11

後半戦とひと口にいっても10月前半を境に状況は一変します。よりよい釣果を求めるなら、それぞれの状況を踏まえたうえでアプローチする必要があります。たとえば、私のスタイルを例にあげて説明すると…

(文:伊達浩憲)

各メーカーの釣り大会が終わるこれからの時期、時間も場所も自由に選択してキスのアタリを楽しもうという釣行では釣り場の決定が第1のキーポイントになるでしょう。特に8月後半から9月にかけての秋口のキスには難しい面があり、場所選びではずすとまったく釣れなかったり、釣れてもピンギスばかりといったケースが多いので、うまく魚の居場所を探り当てる必要があります。

その後、10~11月になると秋ギスのシーズンも本格化して浅い砂浜などでも活発に釣れるようになります。ただし、この時期のキスは群れで移動していて同じ場所にとどまることが少ないため、いつどこで釣れだすかが読めないという難点があります。やはり釣行エリアの実績場をピックアップしておいて効率よくキスの寄り場を捜し歩く必要がありますし、うまくポイントを見つけたらできるだけ好況を長引かせる攻め方の工夫が大切になります。

個人釣行で多くのアタリを楽しむ釣り場のセレクト法

9月末ぐらいまでの釣況が不安定な秋口は、砂浜を避けて防波堤や埋立地、港内などの若干水深のあるところから沖めの砂地を探っていくのが私のスタイルです。そして、大会のときのような8本、10本といった多バリは使わずに5~6本バリの仕掛けを中心とし、イシゴカイと、この時期ならまだ入手可能なチロリを使いわけて釣果アップにつなげています。

キス引き釣り戦略2-10

餌はイシゴカイととチロリがメインです。

各釣り場ではあらかじめ目をつけておいたポイントで釣り始め、3~4投してアタリがなければ釣り座をかえていきます。防波堤なら先端→コーナー→付け根という具合です。埋立地であれば砂浜と同様に横方向へ足を使って探っていきます。

キス引き釣り戦略2-1

砂浜の釣況が不安定な9月は水深のある防波堤から沖の砂地帯を探ってアタリを求めています。

防波堤や埋立地では沖だけでなく根掛かりしない範囲で捨て石の際ぎりぎりまで探るのが得策です。そんなところにもキスが溜まっていることも多いからです。釣友と一緒の釣行なら最初は大きく違う釣り座にわかれ、できるだけ短時間でその釣り場の傾向を把握すると効率的です。

それでアタリがでないときは即座に釣り場を見切って移動します。事前に周辺の実績場情報をチェックしておき、次の釣り場選びで迷わないようにしておくことでテンポのよい釣りにつながります。

秋の各種大会でしっかり戦うためのキーポイント

キス引き釣り戦略2-7

砂浜では何らかの変化があるところに釣り座を構えるのが基本です。

大会の場合は規模の大小にかかわらず砂浜が釣り場になります。その際はセオリー通りに離岸流の出ているところ、小川の流れ込み、海岸線に変化のある場所などを釣り座選択の目安にするのが基本戦略となります。

大切なのは、秋口はあまり遠投の必要がなく、ときには波打ち際ぎりぎりでアタリが続くケースも多いことをふまえて手前までしっかり探ることです。そして、近場にキスが溜まっているようならアタリがでたところよりも少し沖に仕掛けを投入し、潮かみ側へ4~5歩、可能ならばもう少し移動して斜めに引きます。これはキスのいるポイントを少しでも長くサビくことと、波打ち際でエダスが交錯して仕掛けがからむのを防ぐことが目的です(この場合、竿でサビくのはやめ、リールで仕掛けにテンションをかけながらのサソイとします)。

キス引き釣り戦略2-6

手前までしっかりと引くこと、そしてアタリの多いゾーンを効率よく引くことを考えてアプローチしましょう。

そして、アタリが遠いときほど回りの状況をよく観察したものです。大会ともなれば多少緊張するものですが、思うように釣れないなら落ち着いて周囲の人の様子を見て、他でも釣れていなければ大幅に移動するのが有効な作戦となります。もしも回りで釣れているようなら移動よりも先に釣り方の修正が必要でしょう。どれぐらいまで投げているのか? 引くスピードは? という具合に釣っている人のヒットパターンを参考にして釣り方を修正することは釣果アップに直結するものです。