トーナメンターが語る後半戦のキス引き釣り戦略 Part1 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

トーナメンターが語る後半戦のキス引き釣り戦略 Part1

キス引き釣り戦略1-12

ホームグランドの徳島周辺の秋のキス釣りは、大きな群れに当たる可能性が十分です。できるだけ多くのキスに出合うことでしかマスターできない感覚を身につけるためにも積極的に狙いましょう!!

(文:矢野勝彦)

個人釣行で多くのアタリを楽しむ釣り場のセレクト法

私の場合、プライベート釣行では「数が狙え、サイズは大きく、釣りやすい(取り込みやすい)」という条件が好みですが、「たとえ釣れなくても楽しく遊びたい!!」をモットーにして場所の選択を行ないます。そのため、釣友たちから情報を収集したり、過去のデータを元によいタイミングを予測したり、地図や航空写真を見るなどしてあれこれ考えることも楽しいと感じています。

秋のキスは岸近くに群れるという特徴があります。ときには群れが大き過ぎて、引くスピードをうまく調整しないと仕掛けがからんでばかり…というぐらい活発に食ってくるのがおもしろいところです。私が数釣りに入門したのもちょうど初秋のころで、いくらでもキスが釣れて非常に楽しかった思い出が残っています。

キス引き釣り戦略1-5

人の手が加えられた場所だからこその狙い目もあります。各種変化をとらえてキスの手応えを楽しみましょう。

数釣りを始めた当時は、地元の徳島エリアにも自然の海岸線が結構あって、津田や小松海岸はもとより松茂(現在の空港周辺)も多数の釣り人で賑わっていたものです。最近はそうした海岸線に消波ブロックが入れられたり、拡張事業が行なわれたりして少し寂しい状況となっていますが、人の手が加えられた場所でもそれなりに魚の住み家となっているのは確かです。

釣り人としてはそんな状況を逆手に取って、秋のキス釣りを存分に楽しむためのポイントを選択をするのが前向きでしょう。

周辺の情報から潮の変化を察知

たとえば消波ブロックが入れられた海岸線の場合、その両端の10㍍前後には潮のヨレる場所ができ、餌、そして魚が集まるポイントが形成されます。そうしたところでは、まずは左側を狙い、よく釣れたら次は右側という具合にうまく釣り歩きたいものです。

キス引き釣り戦略1-10

周囲の状況から流れの変化を読み取ることも大切です。

このように海岸線では潮がヨレたり、沖に出ていくような場所(反流点)を見きわめて釣る作戦が有効ですが、慣れていないと海面を眺めているだけでは潮の変化をなかなか見つけられません。そこで注目したいのが足もとの様子です。浜を歩いていると他より足が沈むと感じるところ、多くの漂流物が溜まっているような場所では魚が寄る潮流と底の変化が生まれやすいので要注目です。

そして、気になる場所があればとにかく仕掛けを投げ込むことです。それで反応がないならすぐさま他を当たるというスタイルでやる気のあるキスを捜すわけですが、その際は空バリを使用するのが得策です。これは冗談ではなく、餌付けの手間を省いてスピーディーにキスの場所をサーチするには一番のやり方といえます。

キス引き釣り戦略1-7

空バリでテンポよく探る作戦もポイントを見極めるうえでは有効です。

もっとも、その際に使う仕掛けには工夫が必要です。使用するのは金ビーズやラメ入りのヒラヒラがついたタイプです。これなら餌(イシゴカイ)をつけなくてもキスが釣れます(近ごろの市販仕掛けにはそのような私好みのタイプも多いから便利です)。ポイント選びに多くの選択肢があるプライベート釣行の場合、まずはこのパターンで楽しめる場所を手早く探り当てるのが効率的です。