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【実釣マニュアル】アオリイカの釣り方

アオリイカの釣り方

魚にはないジェット噴射さながらの独特の引き味が楽しいアオリイカはヤエン、ウキ釣り、エギングで狙えます。いずれも奥深いスタイルとあって1度でもアオリイカを掛けるとハマること請け合いです。食べてもおいしいアオリイカ釣りにぜひチャレンジして下さい!!

アオリイカ釣りの概要

アオリイカの釣り方は大きくわけて3パターン。ルアー釣りの一種であるエギング、餌を使うヤエン釣りとウキ釣りだ。いずれも甲乙つけがたいおもしろさがある。
この釣りの主なシーズンは産卵で接岸した大型が狙える春イカ期(早春~初夏)と、中・小型の数が期待できる秋イカ期(秋~初冬)だが、西日本ではエリアによっては夏場や真冬にも釣れる。その気なら年中楽しめるのもアオリイカ釣りの魅力だろう。

そのポイントは季節によって異なる。春イカ狙いなら近くに藻場(イカが産卵する)がある磯場や波止の周辺が中心となる。一方の秋イカ期は、餌の小魚を追いかけて広範囲を回遊するという時期的な傾向から、春に釣れるエリアであれば条件しだいで一帯が狙い目になる他、漁港の港内などの気軽にエントリーできるスポットでも狙える。

アオリイカの釣り方

【アオリイカの釣り方①】投げて巻くだけでも釣れる手軽なエギング

アオリイカ釣り用のルアーである餌木(えぎ)を用いるルアー釣りスタイルをエギングという。いろいろなテクニックを駆使するには専用のロッドと小型スピニングリール、PEラインを用いるのが一番だが、とりあえず餌木を投げられる竿とリールがあれば釣りになるのもエギングのいいところ。春や秋の波止釣りの際は1~2個の餌木を常備し、チャンスと見ればちょっとイカを狙ってみるという遊び方も成立する。

基本的なテクニックの1つとして「投入した餌木を少し沈めてから巻き寄せるだけ」というものがある。これならゴツい投げ竿でも可能だ。活性の高い小イカの群れがいるときは、それだけでイカの追尾が確認できる。あとは巻く手を止めて餌木を沈め、イカが抱きつくのを見て合わせればいい。

本格的にエギングを楽しむのなら専用のタックルと多様な餌木を用意したい。餌木は扱いやすい3~3.5号を中心に、小さめの2~2.5号、大きめの4号をいくつか揃えること。いろいろなカラーがあるが、同じサイズで暖色(オレンジやピンクなど)、寒色(ブルーやグリーンなど)の2パターンを持っているとイカの目先をかえられる。同じ意味で下地の色(赤、金、銀、マーブルなどがある)が違う餌木を用意するのもいい。

アオリイカの釣り方

エギングロッドは7~8㌳クラス(2.1~2.4㍍)のオールラウンドタイプとされるものが無難。この竿があればチョイ投げや探り釣り、エギング以外のルアー釣りにもある程度は対応できるメリットがある。リールは小型スピニングリールを使用。それにPEの道糸を巻く。一般的なナイロン糸よりもPEの方がのびがない(伸縮率が低い)ので大小のサソイ(魚の食いを誘う動作)のアクションを確実に餌木へと伝えられる。

エギングの釣りのパターン

アオリイカは昼夜を問わずに釣れるが、エギングの場合はラインの状態や手前にきたときの餌木の様子がわかりやすい日中の釣りが親しみやすい。とりあえず昼間の釣りで感覚を覚え、慣れてきたら常夜灯のある波止などで夜釣りにもチャレンジすることだ。特に月夜の日は夜の釣果が上がることが多い。

時合は、朝夕のまづめどきや、潮の動きに変化が出るタイミングなど他の魚と共通する部分も多いが、イカの場合は干底(干潮で潮位が最も下がったとき)に食いがよくなる場面もある。また、ベイトフィッシュ(餌となる小魚)の群れが回遊してきたとたんに釣れだしたり、逆にイカを食べるメジロなどの大型魚が回ってきて一気に釣れなくなるケースもある。

サソイのパターンは図の通り。アタリはいきなり引っ張られたり、コンッとかすかな手応えがあったり、何の反応もなくシャクリの際に重みが乗ってくるなど多彩だ。餌木を沈めている途中でラインが今までと違う動きをするのもアタリの1つである。何か異変を感じたらイカが餌木を放す前に合わせよう。

アオリイカの釣り方

アタリがあるのにハリ掛かりしないことが続くときは合わせのタイミングをかえるのも一策。また、餌木のサイズやカラー、サソイの方法をかえると掛かりがよくなることも多い。

合わせが成功したらラインを緩めないように巻き寄せるが、相手が大きいときはかなりの抵抗がある。それでも糸が切れるようなことは少ないが、ハリが掛かったイカの身が切れてバラす(逃がす)ことがある。リールのドラグつまみを調整し、強く引かれたときに糸がジリジリと出ていくように設定しておこう。

イカを足もとまで寄せたら、小型ならそのまま抜き上げればOK。イカはスミを吐くことがあるので口を上にしたままぶらさげておかず、口が海の方を向くようにして下に置いてから餌木をはずす(できるだけ海中でスミを吐かせたい)。1㌔を越えるような大物は抜き上げ時に身切れすることがあるので玉網ですくうかイカ用のギャフ(手カギ)を胴体に掛けて取り込む。玉網の場合、迫る網を見てイカが逃げようとするので走る方向の反対側に網を入れるのがコツだ。

アオリイカの釣り方

【アオリイカの釣り方②】アタリがコンスタントに期待できるヤエン釣り

このスタイルはヤエンという特殊な掛けバリでイカを取り込むのでヤエン釣りと呼ばれる。その仕掛けはごくシンプル。道糸の先に結んだ適当なハリに餌の小魚をつけるだけで釣り始められる。

餌は生きたアジがベストだが、死んだもの、冷凍ものでも釣れないことはない。また、その場で釣った小魚を使っていても獰猛なアオリイカは食いついてくる。ただ、イカは餌につけたハリを飲み込むことはない。だからイカが餌を抱いたら掛けバリのついたヤエンを道糸にセットして落とし込み、引っ掛けて取り込む。これがこの釣りのシステムだ。

ほぼ餌だけという仕掛け(餌の尻尾に糸を結ぶならハリも不要)なので、餌木やウキ、オモリ、掛けバリなどがついたウキ釣りの仕掛けに比べると抵抗感が小さいため、イカさえいれば最も反応がよいとの定評があるのがヤエン釣りである。ただ、餌を抱いているだけでハリに掛かっていないイカをだましだまし寄せてきて、タイミングよくヤエンを入れて掛けるには慣れが必要だ。アタリは多くても釣果につながらないケースも多々ある。そうした難しさもこの釣りのおもしろさだと感じている人が多いようだ。

アオリイカのヤエン釣りのパターン

ポイントはエギングと同様だが、餌釣りは何かと道具が多いのでルアーのようにこまめに移動ができないから1個所で腰をすえてイカの回遊を待つスタイルが主体。だからエギングのとき以上にポイントを吟味することが大切で、どちらかといえば秋の数釣りよりも春イカの大物狙いにマッチしている。

アオリイカの釣り方

また、餌釣りでは置き竿でも釣りになるが、より多くのアタリを得るためにはサソイが重要となる。餌が勝手に泳いでイカにアピールする生きアジでも糸の出し入れで泳ぎ方や狙う範囲をかえていくことでアタリが増加する。さらに死にアジなら積極的に動かして餌を底に沈めておく時間を少なくすることで反応が多くなる。

アタリは、イカが餌を抱いて一気に走るというパターンが典型的である。このためリールのドラグは十分に緩めておき、ジジーッとスムースに糸が出るようにしておくことが求められる。ここで抵抗を与えるとイカが餌を放す恐れがあるし、置き竿にしていて竿が海に引き込まれる可能性もあるから注意が必要だ。

ときには餌を抱いても走らず、その場でかじっているケースもある。このときは、竿先が押さえ込まれたまま戻らないという反応がでるが、わかりにくいので何か変だと思ったらゆっくりと竿先を持ち上げてアタリを聞くという動作をとろう。イカがいれば、ズッシリとした感触が伝わったり、一気に走るなど何らかののアクションがあるはずだ。

どのパターンのアタリを得たとしてもイカの動きを止めようせず、走りが止まるのを待つこと。その間にイカの餌に対する執着心が強まり、少々引っ張られても放さなくなるからだ。そして、動きが止まればドラグを少し締め、竿をゆっくりと起こしながら寄せてはリールで糸を回収する(急に走ってもハンドルを逆転させて糸を出せるように、ここからはリールのストッパーをオフにしておく)。そして、道糸に45度程度の角度がついたらヤエンをセットして送り込む(角度がつき過ぎると降下するヤエンのスピードが増すぶん到達時のショックが大きくなり、イカが驚いて餌を放すこともあるから要注意)。

アオリイカの釣り方

各ヤエンの仕様によって手順がかわることもあるが、さらに寄せる間に到達したヤエンの掛けバリが掛かると、イカはショックで再び走りだす。ここからはリールのストッパーをオンにし、ドラグが滑って糸が出るときは竿の弾力で引きを受け止め、走らないときは糸の張りを緩めないようにゆっくりと寄せるようにして取り込みにかかる。

なお、ここまでのやり取りで一番大切なのがヤエンを入れるタイミングだが、これは餌とイカのサイズでかわる。小さなイカに大きな餌だとしっかりと食う(アジの頭を落とす程度)までの時間が長く、大きなイカに小さな餌だと短時間で尻尾まで食いつくす傾向があるからだ。小さめのイカの方が最初のアタリでよく走り、大きなイカは走ってもジッジッジッと動きが穏やかというのがサイズの見きわめの目安だが、これもその場のイカの活性によってかわる。運わるく最初のアタリで掛けそこねたときは、残った餌の様子を見て次のヤエン投入のタイミングを修正していきたい。

【アオリイカの釣り方③】掛かる確率はピカイチ。サイズも期待できるウキ釣り

ヤエン釣りと比較するとアタリの数は少なくなる傾向があるが、アタれば掛けられる確率が高いと定評があるのがアオリイカのウキ釣りだ。イカが底の方にしかいない状況では根掛かりをあまり気にせず餌を沈められるヤエン釣りが有利だが、逆に宙層でしか食わないとき(底層の水温が低いときなど)は常に狙いのタナ(魚の泳層、狙う層)をはずさないウキ釣りが強い。

仕掛けを図にすると少し複雑に思えるが、掛けバリの回り以外は普通の遊動ウキ釣りのシステムだ。最もポピュラーな釣りのひとつであるウキサビキ(アジの項で紹介)ができる人なら問題ない。

アオリイカの釣り方

ウキ釣りのパターン

時合やポイントの考え方はヤエン釣りと同様である。電気ウキを用いて狙うことで、よりよい釣果が期待できる夜間の釣りにも対応できる。

ヤエン釣りと異なるのは狙うタナを設定する必要があること。これに関しては水深にもよるが、およそ2~3ヒロ(3~4.5㍍)のウキ下で釣り始め、反応をうかがいながら狙いのタナをかえていけばよい。潮があまり流れないならある程度は置き竿にしてアタリを待ってもよく、回りに人がいないときなら潮に乗せて流して見るのも一策。それで仕掛けが落ち着く流れのヨレた(変化した)エリアは格好のポイントになる。

イカが食いつけばウキの動きに変化があるが、ズボッとウキを沈めるような大アタリばかりではない。ウキの抵抗があるせいか、その場で餌をかじるイカも多い。だから外敵の接近に逃げ惑うアジの異常な動きにも注目し、波とウキの動きが同調しないような小さなアタリも見逃さないことも大切だ。

アタリがあれば糸フケ(糸のたるみ)を巻き取って様子をうかがうが、仕掛けに掛けバリがあるからヤエンのときほど食わせる必要はない。イカが走ればすぐ合わせればよい。動きがなければ竿でゆっくりと引いて乗りを確認してから合わせを入れよう。イカが餌を放しているようなら仕掛けを少し動かして誘い、しばらく待っても次のアタリがなければ巻き上げる。これですでに餌の大半が食われていることも多いものだ。

イカが掛かればゆっくり巻き寄せ、強く引かれたときは竿を立てたまま止まるのを待つ(ある程度ドラグを緩めておく)。このときにバラシ(取りそこね)が多いのは仕掛けが餌やイカの大きさに合っていないことが考えられる。仕掛けにはS~Lといったサイズのバリエーションがあるから各種を用意しておきたい。

なお、掛けバリがついているウキ釣りの仕掛けは根掛かりしやすいのが難点だ。水深を考えずウキ下をむやみに深くしてはいけない。 また、ポイントに藻が多いと掛かってばかりで釣りにならない。釣り座(釣る場所)は藻場から少し離れたところにする方がいい。

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