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【実釣マニュアル】アジの釣り方

アジの釣り方

食卓でもおなじみのおいしいアジは釣り入門にピッタリの優良ターゲット。数釣りはもちろん、引き応えも十分だから楽しさは満点‼

アジの概要

シーズンになれば潮通しのよい外海に面したエリアから湾奥、港奥の釣り場一帯までが好釣り場と化すのがアジ釣りのいいところ。特に豆アジや小アジといわれる20㌢までならビギナーが3ケタの大釣りをすることも珍しくない。そんな小物でも南蛮漬けや唐揚げなどで非常においしく食べられるとあって、アジが釣れている場所はいつも多くの釣り人で賑わっている。

しかし、条件が少々わるいときだと上手な人にしか釣果がないケースがあるものだ。小アジの大漁で喜んでいたら、あとからきた人が20~30㌢の中アジや大アジと呼ばれる良型ばかりを掛けて驚かされることも…。釣り場の状況やポテンシャルに応じてベストなアプローチの方法がかわることを覚えておきたい。

また、アジのような青物の類は広いエリアを回遊する。波止回りに居ついている期間が長い根魚などと違って回遊がない時期や時間帯にはさっぱり釣れない。夏~晩秋にボウズ(毛がない=気配がない=釣果がないということ)は滅多にないが、冬~初夏は魚の居場所が限られるから要注意。回遊魚を狙う釣りでは事前の情報収集が大切だ。

【アジの釣り方①】手軽なサビキ釣りのコツ

サビキバリ(ゴムや魚皮、色糸などをつけた擬餌バリ)を何本か並べた仕掛けに専用の撒き餌カゴをつけたスタイルのサビキ釣りは最も簡単なアジの釣り方として人気がある。そのカゴに撒き餌のアミエビを入れ、足もとに垂らして上下させるだけで小アジがスズナリで釣れてくる。

しかし、接岸しているアジの数が少なく、時合が短いときは難易度が上がる。そういう日はいつでも入れ食い(休む間もなく釣れること)といった好情報でもない限り、回遊が集中する朝方か夕方のいずれかには釣り場にいるようなスケジュールを組みたい。

また、回りではアジが釣れているのに自分はサバやカタクチイワシの小物など土産にはイマイチの魚しか釣れない場合は釣り方を見直そう。よくあるのは狙うタナの問題だ。アジが底の方にしか泳いでいないのに表層ばかり釣っているケースである。また、アジは沖にしかいないのに竿下を釣っているということも考えられる。よく釣れている人がウキをつけて投げているのならこちらもウキサビキとし、沖へ投入してアジのいるタナに合うようウキ下(仕掛けからウキ止め糸までの長さ)をかえていくことだ。

アジの釣り方
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家族みんなでGO!! サビキ釣りがもっと楽しくなるロッドを考察
初夏の家族釣行ののプラン筆頭候補に上がるであろうサビキ釣りをよりよく楽しむための竿の選択についてピックアッ…

釣り方が間違っていないと思われるのに周囲と大きな差がつくようなら仕掛けを疑おう。場所や条件によって白のスキンがよいとか赤い魚皮がいいなど、食いのよいサビキの色や素材が異なることは珍しくない。できれば現地の餌店でおすすめを聞き、手持ちのものになければ買い足しておこう(色については基本的に白系、赤系、ケイムラ系は常備しておきたい)。

なお、数釣るコツのひとつとして手返しのアップ、つまり投入から再投入までの時間を短縮して釣りの効率を上げることがある。そのための撒き餌入れ、魚はずし用のグッズもいろいろと販売されている。また、釣ったアジを入れる容器の段取りを考えたり、竿を立て掛ける三脚を準備するなど各自の実力に応じて取り込みのペースを落とさないようなシステムを作るのもいいだろう。

とはいえ、大漁にこだわって食べきれないほどの小アジをキープして、納竿後に魚の処理に困るようでは楽しみも半減する。手返しアップの工夫はスムースにトラブルなく遊ぶためのものと考え、ある程度釣ったら別のアプローチに移行する方がおもしろい。

アジの釣り方
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オマケバリでサビキ釣りにひと工夫

アジのサイズアップを狙う方法としてはカゴ釣りがある(ハマチの項で紹介)。ただ、サビキ釣りもカゴ釣りの一種といえるスタイルなので、簡易式のカゴ釣りのようなバリエーションで釣果の質をかえる工夫ができる。それがオマケバリ仕様の仕掛けでの釣りだ。小アジ釣りに満足したころにこれを試してみるのもいいし、朝イチからやれば手軽にアジのサイズアップと釣れる魚種の増加が期待できる。

セッティングは特に難しくない。サビキカゴを天秤棒つきのものにかえ、そこにオマケの新たなハリスとハリをつけるだけで形になる。そのオマケバリに沖アミやアオイソメなどの適当な餌をつければカゴから下でカゴ釣りをしていることになり、竿下でアジを釣っているだけでもサビキではあまり釣れないメバルやガシラなどのヒット率が大幅に上がるから楽しい。

さらに欲ばるならハリのサイズと糸の号数を上げたサビキ仕掛けを用い、少し沖めの深いエリア、たとえば捨て石の切れ目の沖側などの潮の流れがヨレている場所に投げて底近くのタナを狙うとよい。射程内で大アジが回る可能性が高いのはそのあたりだし、オマケバリに良型のチヌ(クロダイ)やグレ(メジナ)・マダイなどがくることも考えられる。サビキに掛かった小アジにハマチなどの大型青物が食いついたりもする。仕掛けのボリュームを大きくすると小アジの掛かりはわるくなるが、このパターンで一度でもいい思いをしたら細い仕掛けで大物をバラすことの方が気になるだろう。

【アジの釣り方②】魚信を楽しむ小アジの一本釣り

アジ釣りでは釣果の数や型を追求するパターンが主流だが、身近な場所で手軽に釣れる親しみやすい魚であることから、のんびりと遊べるスタイルの一本釣りを好む人も多い。一本釣りとは、1本の竿とハリで釣るというような意味で、アジの場合は軽いのべ竿(ヘラブナ竿や渓流竿などのリールを使わない竿)を用いた一本バリのウキ釣り仕掛けで狙うことをいう。これで1匹、1匹のアタリと手応えをじっくりと楽しむのも趣があるものだ。

のべ竿を使うから仕掛けの長さはせいぜい4~5㍍となる。だから釣り場は足場の低い港奥の岸壁や小波止限定である。そんな場所でアジの食いが立つ(活性が上がる)時間帯をメインに釣るから常夜灯がある方が何かと便利だし時合も長続きする(明かりに集まる餌の小動物を求めてアジが寄りやすい)。このような条件に当てはまる場所は小さな漁港の中にはたいていあるもので、アジが港内に入る夏~秋には夕涼みがてらにこの釣りを楽しむ人が結構いる。

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餌はアミエビ。手返しよく釣るなら粒が大きくてハリに刺しやすい刺しアミを刺し餌(ハリにつける餌)にするとよいが、のんびり遊ぶなら撒き餌のアミエビの中から粒が大きめのものを刺し餌用として取りわけて使えばいい(ティッシュペーパーの上に広げて水気を取っておくと扱いやすい)。アミエビは少量でいいが、刺し餌にも使うなら冷凍のブロックタイプを使うこと。常温保存のパックタイプには刺せるほどの粒がないから別に刺しアミが必要になるからだ。

この釣りはアジがいない場所で粘るのはあまり楽しくない。回りにいる先客が釣っているようなら問題ないが、誰もいないなら撒いたアミエビに反応するアジの魚影を確認できるところを捜してから竿を出すのが無難だ。

ウキ下は1㍍ほどからスタートし、その後はアジの食いをうかがいながら調整する。ウキが水面で寝るアタリ(食い上げ)が多いときはウキ下が深過ぎる、逆に深く消し込むならウキ下が浅過ぎる、というのを目安に調整するとスムースだ。また、魚が多くて入れ食いになったら勝負が早い浅めのタナを、ポツポツとしか釣れないときは深めのタナを狙うとよい。

日没後、常夜灯の明かりに大量のアジが寄っているところなら刺しアミを1パックだけ持参して釣ることも可能だが、通常は撒き餌を使う前提でいる方が楽しみやすい。アミエビは水汲みバケツなどに入れておき、小さめのカップがついた撒き餌シャク(柄杓)で撒く。少量でいいから1~2投に1回ぐらいのペースでこまめに撒くと魚の群れが散りにくいものだ。グループ釣行なら1人が撒き餌係になり、全員で1個所を釣ればいい。

ウキがピクッと動いたり、沈んだり、横走りするなど、アタリのパターンはいろいろだ。小さな餌とハリで釣るスタイルだから基本的に待つことはしない。ウキに不審な動きがあればすべて即合わせでいい。掛かったらサイズの割によく引く小アジの感触を味わってから抜き上げよう。

ウキがピクッと動いたり、沈んだり、横走りするなど、アタリのパターンはいろいろだ。小さな餌とハリで釣るスタイルだから基本的に待つことはしない。ウキに不審な動きがあればすべて即合わせでいい。掛かったらサイズの割によく引く小アジの感触を味わってから抜き上げよう。

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【アジの釣り方③】ルアーで遊ぶアジング

サビキに食いつくアジだけに小さなルアーでも釣れる。そのパターンはソフトルアーでのメバル釣りに似ているが、それのように狙いのタナをスローに引くことが主体ではなく、アジの反応を見ながら幅広いサソイで食わせる部分にもおもしろさがある。ルアーを速く引いてみたり、潮に乗せて流したり、シャクり上げたり落としたり…、という具合によくヒットするパターンが大きく異なる。

アジの釣り方

アタリがわかりにくいことも多いうえ、魚信をとらえてもなかなか掛けられないシーンがあるのもアジングの特色である。合わせ方をいろいろと工夫するのも楽しい。ワームの色やタイプの当たりはずれでも食いが大きくかわるし、ハードルアー(魚のようなプラスチックのプラグ、金属製のメタルジグなど)を用いる状況があるのも奥が深い。

さらに地域や時期によっては40~50㌢級の超大型アジが狙えるパターンもあって、ルアー釣りファンには年間を通じてアジングで遊ぶ人も増えている。メバルやアコウ、アオリイカの釣りでルアー釣りの要領がわかってきたら、そのタックルを流用してアジに手をだしてもいいだろう。

ちなみに、そこまで凝らなくても大アジ用のサビキをカットして3~4本バリにしたものの下にカゴではなくオモリ(もしくはメタルジグ)をつけ、エギングロッドなどで投げるスタイルの釣りも結構おもしろい。これをシャクり上げては沈めるだけのパターンでアジ・サバ・ハマチ・メバル…と、多彩な魚種が飛びつく可能性がある。餌を買ってまで遊ぶ時間がないときに試してみるのにもピッタリの楽しみ方である。

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