寒グレ、50㌢超級必釣マニュアル【後編】 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

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寒グレ、50㌢超級必釣マニュアル【後編】

グレ50cm30

後編はグレを狙ったフカセ釣りにおいてとても重要な部分です。意外とおろそかにされている仕掛けと撒き餌の投入に関するノウハウをシチュエーション別に解説するとともに、アタリに対する考え方について紹介しましょう。それぞれを考えながら釣ることこそがフカセ釣りのおもしろさだと感じています。内容を理解していたいて楽しさを高めるとともに、50㌢オーバーの大型が視野に入る感覚をつかんで下さい

(文:森 康人)

【グレ狙いの撒き餌の打ち方と投入点】餌を拾う場所へ届けるには…

グレのフカセ釣りはいうまでもありませんが、撒き餌によってポイントを作り、そこにグレを浮かせて釣る釣法です。したがって、撒き餌の打ち方及び投入点については非常に大切です。そして、それをより的確に行なおうと思えば、やはりと日々の釣行で観察力を養うことではないでしょうか?

そこで、いくつかよくある例を取り上げ、その場合の撒き餌の投入位置と理由について説明を行ないたいと思います。

シチュエーション①

グレ50cm24

沖に向かってサラシがのび、右側から流れてきている潮と10㍍ほど沖で合っている状況です。

これはよくあるパターンで非常に攻略しやすい条件です。ただ、このようなパターンにおいても、撒き餌の投入位置と仕掛け投入位置を誤まればグレは釣れません。

自分の足もとからサラシ、または払い出しが沖にのびてその先で潮と合っている場合、必ず潮が流れてくる方から撒き餌を入れるのが鉄則です。今回のシチュエーションでいえばサラシの右側です。

サラシの先端で潮と合っているというパターンですが、実際はサラシの右側に大きなシモリでもない限り、磯際から同じようにすべて右から左に潮が流れています。しかし、サラシの払い出しの影響で、その先端部のみにヨレが形成されるように見えるのです。

ただ、沖に向かってサラシの払い出しがのびています。このため撒き餌はそれに乗って先端部まで水面下ギリギリを流れます。そして先端部まで運ばれた時点で潮と合い、そこに形成されるヨレに吸い込まれるようになじむのです。

当然、そこがポイントとなってグレが釣れるのですが、ポイントをより明確に絞り込むためにはサラシの潮かみ側の先端部、いわゆる潮と最初に交わる付近に撒き餌を届けなければいけません。その付近はたくさんの撒き餌が集まるため、そこには力の強い大きなグレが集まって餌を拾うのです。

グレ50cm12
サラシを1つ取っても撒き餌を打つ位置を誤ればアタリは遠くなります。潮の流れをよく考えて撒き餌を打つ場所を決めなくてはなりません。

逆にサラシの左側に撒き餌を投入すれば、沖に払い出された撒き餌はヨレをとらえずに広範囲に広がりながら潮しもへと流れて散乱します。こうなればポイントが絞り込めない不明確な状態となり、納得のできる結果を得られなくなってしまいます。そして、そのようなポイントではヒットするグレも本命ポイントに比べるとサイズが小さくなります。

また、仕掛けの投入もサラシの右側から行なえば張りを作りながら仕掛けのコントロールが行なえます。サラシの先端部を支点に張りの強さ、送り込むラインの量で仕掛けのアプローチの角度やタナの設定が自由になり、グレの浮上するタナやタイミングに合わせた攻め方が展開できるのです。

逆に左側の場合は仕掛けの張りが困難です。ダラダラと仕掛けを流すような攻め方を行なわなければいけません。

シチュエーション②

グレ50cm25

釣り座は岬のように飛び出た先端部。その左後方から磯の先端部をかすめるように潮が走っています。サラシは潮が当たってくる方とは反対側から潮しもに向かって出ています。

足もとをかすめるように流れる潮筋を見れば誰もがその中に撒き餌を投入し、その本流に仕掛けを流し込んでいくでしょう。しかし、そのような攻め方は大きな誤まりです。

なぜ? 答は簡単です。私たちのターゲットはあくまでもグレです。何度もいうように撒き餌のなじむところがグレのポイントとなります。それをあまりにも魅力的な潮が流れているからと、潮筋に直接撒き餌を打ってしまうとどうでしょう。その潮に乗ってどんどん潮しも方向に流れるだけです。とんでもない沖の深場でマダイやイサギを狙うにはそれでもOKですが、グレ狙いの場合は最低の攻め方だと私は思います。

このような場合、私は迷わずに足もと右側から出るサラシの左側から撒き餌を入れ、必ず発生する本流に向かって流れる引かれ潮に撒き餌をなじませるような攻め方を展開します。

岬の先端をかすめるように速い潮が流れるとき、決まってそれに引かれるように反転流が流れます。私たちがいう「引かれ潮」です。その潮が本流筋と交わる潮のカベや、その付近に発生するいくつもの複雑なヨレがこの場合のポイントとなるのです。

グレは先にも書いた通り潮につく以前にシモリにつく魚です。そのような考えからポイントの選択を行なえば、できる限り住み家に近いシモリ回りがベストとなるはずです。その点を考慮し、可能な限りグレが居ついている磯際周辺にポイントを設定する方が有利であるのは考える以前の問題ではないでしょうか?

まっすぐに流れる潮筋では、撒き餌は潮に乗ってダラダラと流れるだけですが、引かれ潮と潮筋との合流点では必ず複雑な変化があらわれます。そこに撒き餌をなじませ、刺し餌を同調させる。これがこの場合の正解の攻め方です。

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