寒グレ、50㌢超級必釣マニュアル【前編】 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME - Part 3

寒グレ、50㌢超級必釣マニュアル【前編】

【グレ狙いのウキ下の設定】こまめな調整が大切

グレ50cm16

グレのフカセ釣りで重要なことは、ポイントでの撒き餌と刺し餌の同調と同じほどタナの見きわめ、要するにウキ下の設定です。これですべてが決まります。

以前に『関西のつり』誌でも書いたのですが、尾長グレの場合、そのウキ下の設定1つで釣果の差が歴然とあらわれます。それは撒き餌を拾うために浮上して反転するタナが尾長グレの場合は非常にシビアだからです。したがって、わずか数㌢単位でのウキ下調整が必要となります。

ただ、幸い紀伊半島でのターゲットは口太グレです。口太グレは餌を捕食する範囲が尾長グレに比べるとアバウトです。このためある程度ウキ下の誤差があってもOKです。また、歯の鋭い尾長グレだとハリを飲まれると取り込むことはできませんが、口太グレならその問題もないためラフな攻め方が行なえます。

それで仕掛けをどんどん送り込み、竿先に伝わるアタリでグレを狙う方が増えています。ですが、効率よく食わせようと思えば、やはり口太グレといえどもこまめにタナを探る必要があるのではないでしょうか?

魚全体の活性が高い場合、ウキ下が少々ズレていても先に書いた理由から口太グレは釣れてきます。しかし、このような経験はないでしょうか?

明らかにグレが餌を拾っているはずなのに、アタリがでないまま刺し餌を取られる。また、口にした刺し餌を吐き出したような形跡が見られる。これらの現象は明らかにウキ下の設定が誤まっているからです。仕掛けをなじませるタイミングと操作、それにそのような状態に持っていける仕掛けの投入方法を理解できれば解決される問題ですが、そのような作業ができない場合はやはりこまめなウキ下の設定が必要となってきます。

グレ50cm8
あまり注目されない部分ですが、撒き餌と刺し餌の同調を考えた場合、仕掛けの投入方法は非常に大切です。

潮の流れが速く、仕掛けのなじむ角度及びグレの浮上する角度が鋭角なほどアタリは鮮明にあらわれます。仕掛けをどんどん送り込んでいくようなスタイルの釣り方でもロッドにアタリが伝わります。

しかし、潮の流れが弱く、海面にざわつきすらないような状態ではグレはすぐに学習を行ない、刺し餌を口に含んでは吐き出すような捕食を行ないます。通常、グレは食い気が立っていない場合、いったんくわえては吐き出し、また吸い込むように捕食します。その場合、ウキ下が合っていなければそのような小さな変化を読み取るのはまず不可能であると思われます。

ほとんどの釣り人はただ単に潮の流れや風向きのみを考慮して撒き餌の潮しも、左右に仕掛けを投入します。しかし、潮のヨレを把握せずに投入した仕掛けは、当然ながらハリスの抵抗を受けながら不自然な形で刺し餌が沈下します。海中でハリスが不規則な円弧を描きながら沈下していく刺し餌。その仕掛けがなじんでいない状態でグレが刺し餌を口にすればどうですか? アタリなどわからないままに刺し餌を取られてしまいます。

仕掛けの投入方法となじむまでの操作が理解できない以上、そのような状態でウキに変化がないまま刺し餌を取られてしまいます。それを防止するには、できる限りこまめなウキ下の調整、アタリをだす工夫を惜しまずに行なうことです。

大型のグレほどウキ下の微調整が不可欠

これは学習能力の高い良型グレになればなるほどその傾向にあります。「型のいいグレが見えているのに釣れない」とよくいわれるのもそれにあたります。

となれば大型のグレはどうでしょうか?

毎日のように釣り人が入り、大量に撒かれる撒き餌。そうした中で10~20年も釣り人に釣り上げられずに生きてきた百戦錬磨の大物です。よほどの好条件が揃い、誤まったウキ下の設定でも一気にウキを消し込んでくれる場合を除けば、こまめなウキ下調整を繰り返し、口に含んだわずかな変化を読んで掛け合わすといった攻め方で対応しなければ食わすことができないのではないでしょうか?

グレ50cm15
シビアなウキ下調整を求めると、ウキは固定で使うことになります。仕掛けの操作やアタリへの反応のよさなど、食い渋る傾向のある寒グレ期に大物を狙おうと思えば固定仕掛けに優位性を感じます。

海の中の状態はめまぐるしく変化します。潮の角度、払い出しの大きさ、ヨレの強さや位置。当然それに合わせてグレのタナも変化するのです。だから私は同じウキ下で攻め続けることなど絶対にしません。少なくても3投して反応がなければウキ下の調整を行ないます。当然、仕掛けの投入位置や投入方法は、払い出しの大きさやヨレが発生している位置によって大きく変動させています。そのわずかな積み重ねがより多くのグレを食わせ、やがて大型グレにつながると思っているのです。

ただ、ポイントでの撒き餌と刺し餌の同調にこだわり続け、こまめなウキ下の調製を行なっているにもかかわらず、釣っても釣ってもサイズアップしない場合、私はあえてそのタナを狙いません。仕掛け投入のタイミングをずらしながら少し深いタナを攻めるようにします。

この攻め方はときと場合によるものです。撒き餌に反応する姿が確認できても型のいいグレが浅いタナまで浮上してこない場合や、大きいグレが通常撒き餌に反応しているタイミングよりズレている場合に行ないます。

また、魚の姿が確認できずに釣っている場合、たとえば4~5ヒロのウキ下ではあえてポイントとなるヨレを外します。そして、潮しものヨレや潮目を狙い、半ヒロから1ヒロ深めのタナで仕掛けをなじませるような手段を取ります。こうすることで高確率で良型のグレがゲットできることが多々あります。

寒の時期の大型グレのベストなウキ下。それは釣行当日の水温や竿を出す磯の水深、それに風や波気などのコンディションによります。ですから一概に「何ヒロ!!」とかいえるはずはありません。ただ、平均すれば普段私が釣りを行なっているウキ下に比べると、大型の口太グレがヒットしたタナは幾分か深いように思えます。