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【アユの友釣り】頻度が多くなった増水時の攻略法を解説

アユの友釣りにおいて、増水によって速くなった流れの筋にオトリを弱らせることなく入れて止めることは簡単ではありません。そのようなときに使用したいのがオモリと背バリです。状況によって併用すればより釣りやすくなって好循環が期待できます。
(文:出雲 肇)
【大前提】増水時の注意点
雨による増水が予想される場合、入川時の水位から20㌢程度の増水でも川を横切れなくなるなどの不具合が発生する恐れがあります。このため川原が狭い場所、入川口が片岸に限られる場所、あるいは馬の背などの中洲に渡るときは注意が必要です。水位の上昇を感じ始めたらすみやかに入川口へと戻れる状態での釣りを心がけることが前提となります。
個人的には雨天時には入川前に何か目印になるものを決めておき、水位の上昇を定期的に確認するように心がけています。通常の降り方であれば1時間おきに、強めであれば30分以内に1度はチェックしています。また、周囲の人の動きの観察も怠りません。
河川によって差があるとは思いますが、入川時の水位が平水以下の場合は半日で10㌢程度、1日で20㌢程度の増水であれば夕方までの釣りは成立すると思います。しかし、半日でその倍の20㌢であれば様子を見るためいったん川から上がることを考慮します。
増水時の釣りでは無理は禁物です。実釣中に大雨が降った際には撤退を考えましょう。 それ以下の水位の上昇であっても濁りが急に強くなったり、草木などのゴミがたくさん流れだしたら要注意。上流部にダムのない河川や小さな支流などは、激しく雨が降ると一気に水かさが上がる恐れがあるだけにすぐさま竿を仕舞うことです。その点では上流部に貯水率を確認できるダムがある場合は比較的安心できるといえますが、放水を知らせるサイレンなどが聞かれたときはすみやかに川から離れて下さい。
この他、アユの活性が急激に上がるときは、数日間釣りができないほどの水位まで短時間で上昇する恐れがあるから注意しましょう。
上流部での豪雨によって急な濁流が押し寄せることもあります。 そして、近ごろ多いスポット的なゲリラ豪雨を考慮すると、現地で雨が降っていないからといって安心できません。豪雨が降った上流部から一気に濁流が押し寄せる危険性もあるだけに、釣り場の周囲の天気予報はよく確認しておかなければなりません。また、国土交通省のサイトなどで水位の変動をリアルタイムに確認できる河川の場合は、情報をこまめにチェックすることをおすすめします。
アユの友釣りでの増水時の狙い目
残りアカ狙いが基本戦略
増水は実釣面においても各所に影響をもたらします。たとえば、水かさが増すにつれポイントは狭くなり、オトリが入るところが限定されやすいということが考えられます。しだいに瀬肩やトロ瀬へと化したトロへの移動を余儀なくされるというケースです。また、濁りが出始めると、底石の配列の確認が難しくなるという不具合が出るからやっかいです。
そうした増水が長期間続いた後は、アカが残る大石や岩盤、岸側の筋が狙い目になります。水が引き始めるころには濁りがおさまることがほとんどであるため川をよく見て、アカが残る筋と石の色を確認することがまずは大事です(狙いの筋の石が曇っていないかも要チェック)。
石の色をチェックして狙い目を定めることが特に重要となります。 釣り場やポイントによってさまざまだとは思いますが、平水から30㌢高ぐらいであれば竿を出せる場所が出てくるでしょう。その際、瀬ではまだ竿を出せない状況ならトロ瀬や瀬肩付近を中心に狙うのが得策です。そうして狙っているうちに水位が下がれば瀬で勝負すればよいでしょう。この際の瀬での釣りは友釣りの醍醐味だといえるほどおもしろい展開になることが多いため、状況は常に把握しておきたいものです。
残りアカ狙いで反応がわるいケースの対策
残りアカ狙いで反応が鈍い場合は、新アカがつき始めた筋にアユが移動していることが考えられます。水温などの条件にも左右されると思いますが、流心にある白っぽい石で良型が連発することもあるだけに広い視野を持つことが大事です。
そのような流心などの強めの流れの筋を探るときはオトリの体力を考慮し、反応のある筋を見きわめるために手短かに広く探ることが大切です。
アカが飛ばない程度の増水なら瀬に注目
釣り場やポイントによってかなりの差はあると思いますが、アカが飛ばない程度の増水であれば、水が引くとすぐに瀬で楽しい釣りを堪能できることがあります。そうした状況では水位よりもオトリが入る流速が釣果に関係していると思われます。元気なオトリだけが瀬に入る状況で入れ掛かりを経験した方ならおわかりでしょう。
そのように速い流れの中でアユを掛けるとかなり強い引きを楽しめます。このためロスなく循環できるように仕掛けをワンランク以上アップさせておくのが望ましいといえます。
水が引いた後の瀬では力強い引きを楽しめることが多くなります。 なお、増水後は大石裏などに引っ掛かっているゴミにオトリが掛かるリスクがありますし、増水時にはオトリの身切れといった不運な悪循環に陥ることもあります。このため根掛かり時に回収困難なポイントを探るときや、高水の瀬で勝負を挑むときは瀬肩などでオトリの数を増やしておくことをおすすめします。
アユの友釣りでの増水時攻略の実践テク
水中糸の使いわけ方について
増水時は平水時よりもオトリに負担がかかります。その要素の多くがラインにかかる水の抵抗だと考えられます。
瀬の場合、下流方向への流れを受けた水中のラインは浮き上がるように緩やかなカーブを描いていると思われます。その浮き上がる力が常に鼻先へかかることでオトリの体力は徐々に消耗します。そして、体力の限度を越えるとオトリは底流れから浮き上がって流されます。そうならないようにラインの浮き上がりを少しでも抑えることが求められます。
オトリに負担をかけないように水中糸を選択しましょう。 その対策として有効なのが比重が重くて水切れのいいラインを使用することです。ナイロンよりもフロロ、フロロよりも複合、複合よりも単線かヨリ糸のメタルという具合です。こうしたラインの選択は個々の好みに大きく左右される部分なので確固たる正解はありませんが、増水時は複合やメタルの方がオトリを瀬に入れやすいと思います。
個人的には、通常時は水切れがよくて比重の重いメタル、ゴミや藻が流れている場合はトラブルに強い複合という使いわけをすることが多いです。また、オトリを止めたいときにメタル、横の動きを出したいときは複合といった使いわけもしています。
オモリと背バリの使い方について
増水時に威力を発揮するアイテムとしてオモリと背バリがあります。
底流れに入れるときはオモリを使用
オモリは基本的に増水時にも引き釣りを可能とするアイテムですが、個人的にはラインの浮き上がりを抑えるアイテムとして位置づけており、オトリを底流れに入れるために使用しています。このため増水時はオトリが元気なうちから使用することが多いです。また、循環率のわるいときにオトリの体力を温存する目的で使うこともよくあります。
そして、オモリは取りつける位置でオトリの動きを変化させることも可能です。個人的には底流れに入ったオトリがオモリを支点として比較的自由に泳げるイメージでハナカンから20~30㌢上に打つのを基本としています。このセッティングの場合、オトリが元気であれば扇状に進んでさらに沖へ出たり、立ち位置と横並びになったり、ときには先行したりするなど、よい動きが見られます。
その動きのよさを利用し、糸フケを取るように竿先でオモリを上流へと引き上げるのがオモリを使用した際のアプローチの基本となります。このとき、竿先にはオモリの重さとラインの水流抵抗のみがかかっているイメージです。
オトリが弱り始めれば、沈ませることを重視してオモリを徐々にオトリへと近づけていきます。この状態で引き上げると無理に引っ張る状態になり、オトリがさらに弱るから要注意。この場合はポイントで止めて循環を試みるのが正解だといえます。
オトリを止めたときは背バリを使用
元気なオトリを止めておきたいときにもオトリに近い位置にオモリを打ちますが、根掛かりの確率が高くなるような気がします。そうした不具合を減らすために用いるのが背バリです。
背バリはオトリの潜水補助としての役割の他に〝止める〟目的で使用します。この〝止める〟とはその場に留めることに加え、野アユに追われても逃げにくくするといった意味合いがあります。このためラインには何かしらのテンションがかかる、あるいはかけている状態となります。上にテンションをかければオトリは前傾姿勢を取って下に潜るような動きになり、斜めに引くことで少しずつ前進します。
背バリを使うことでオトリを止めやすくなり、循環へと繋げることができます。 また、ラインの糸フケを利用して前進させることも可能です。これは瀬を素早く引き上げるというよりも、底流れに乗せてジワジワと泳がせながら引き上げて狙いのポイントで止めるといったイメージです。
オモリ同様に無理に強く引くのはいけません。その点ではオモリよりもオトリの体力を早く消費させるアイテムといえますが、前傾姿勢を保ったり、尻尾を振らせて野アユにアピールできるなどノーマル仕掛けにはできない特技を持っているから重宝します。
背バリはどちらかといえば泳がせ釣りでの使用が前提となるイメージが強いですが、瀬の中で比較的自由に引くことができるタイプもあります。それがウレタンを使用した背バリです。
このアイテムは流速の速い場所などで引き加減が強いときはウレタンがのびてノーマル仕掛けに近い状態に、石裏のように引き加減が弱くなるとウレタンが縮まって背バリがきいた状態となります。しかし、このアイテムを使っていると、流れの強い筋にオトリが入り切らないこともあります。ウレタンがのびることによって潜水補助としての背バリの効果が薄れるからです。
そこで登場するのがオモリです。これを併用することで、お互いの長所が発揮されてオトリをうまく筋に入れることができるようになります。
こうして引くためのオモリ、前傾姿勢を作る背バリをうまく使い、速く引きながら各ポイントで止めて、追わせて、仕留める。魚影の濃い河川ではこれが特に効果的で効率的な方法だと思います。
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