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良型イサギを数釣るなら今ですよ!!|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.16

グレ釣り一直線16 見老津13

おいしい良型イサギを数釣るなら今ですよ!!

南紀・見老津〈和歌山県〉

例年であれば尾長グレも狙える中紀に目をつける時期ですが、潮がわるい状況が続いていることから釣行を断念。そこで息子とともに南紀の見老津へと釣行しました。狙いはもちろん尾長グレですが、この日はイサギや口太グレの活性が思いのほか高くて…

(カメラ/文 桑原英高)

いよいよグレ釣りシーズンに突入しました!! とはいえ、昨年から続く黒潮大蛇行の影響で紀伊半島の海況はよろしくありません。緑がかったドブ潮の釣り場が多く、釣果がパッとしないのです。水温がまだ高い時期とあってポツポツと釣れたり、浮きグレの入ると一時的に爆釣になる場所もありますが、水温がもう少し下がるとそういう状況も見られなくなるかもしれません。今の海況が続けば、今期の紀伊半島の寒グレシーズンは厳しくなりそうです。

例年この時期に好調である中紀地区の釣り場でさえパッとしません。海面が真っ茶色になるほどアイゴがわいて釣りにならない釣り場が多いようです。この時期の活性の高いグレは餌取りの中に割って入ってでも撒き餌を拾うものですが、アイゴの群れの中にはなぜだか入ってきません(毒のトゲを嫌うのでしょうか?)。そんなアイゴ地獄を敬遠し、この時期の恒例である中紀・矢櫃への釣行を諦めて南紀方面へ行く予定を立てることにしました。そんな中、息子の芳依(かい)から「親父、見老津へ行こら!!」と声がかかりました。もちろん断わる理由はありません。最近、沖の黒島周辺では40㌢弱~45㌢クラスの尾長グレがポツポツと釣れているだけに期待が高まります。

良型イサギが連発です!!

11月18日の早朝、いつもお世話になる林渡船に着くと、見慣れた顔ぶれが揃っています。クラブの例会が入っていたようで結構な賑わいです。

出船後、「今日はどこに乗せてもらえるのかな?」と思いながら待っていると「次、桑原君用意しとけよ~」と船長から声がかかりました。荷物をまとめていると、間もなく西の一ノ島へ船がつきました。

西の一ノ島は見老津の西側エリアの超1級磯です。ただし、足場の低い小さな磯とあって少しのウネリでも磯の上まで波が駆け上がるという難点があります。ウネリの大きさしだいでは、帰るころには全身がビショビショということもあります。幸い、今日はベタナギであり、快適に釣りができそうです。

私はこの磯でボウズを食らったことがありません。「乗ることができればグレの顔を見られること間違いなし!!」といえるような磯ですが、尾長グレに関しては潮しだいとなります。沖の黒島のように居着きの魚ではなく、よい潮が入ったときに磯近くを回遊する尾長グレを狙い撃ちするといった感じの釣り場だからです。ここでの〝よい潮〟とは沖の黒島へ向かって流れる速い下り潮です。この潮に乗せてどんどん流し込んでいくのがヒットパターンであり、口太グレをメインに45㌢までの尾長グレが狙えます。

グレ釣り一直線16 見老津12

さて、息子と息子の友人が①と②の釣り座に陣取ったことから、私は③の釣り座に入って釣りスタートします。潮の流れは緩やかな上り潮で口和深方面へ向かっています。

ターゲットが45㌢までのサイズということで、竿にシマノ・プロテック1.2号530、リールにシマノ・ハイパーフォース3000DXG、道糸にゴーセン・リミテーション磯プログレッサ1.75号、ハリスにゴーセン・フロロファイタールーツX1.75号、ハリにONIGAKE・極軽グレストレートというタックルのセッティングとしました。

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グレ釣り一直線16 見老津3

シマノのニューアイテムであるプロテック1.2号530と、ハイパーフォース3000DXGという組み合わせで挑みました。

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撒き餌はこのような配合としました。

まずはG5のウキをセットし、ウキ下1.5ヒロで様子をうかがいます。例年のこの時期なら撒き餌を打つと餌取りとなる魚がわんさか出てきますが、足もとに姿を見せたのは数匹のチョウチョウオだけです。何だか調子がわるそうな感じです。

数投したところ、刺し餌が残るのでウキ下を2ヒロに変更。それで狙うと何だかモゾモゾしたアタリがでました。すかさず合わせると気持ちよく竿が曲がりましたが、引きに重量感がありません。やがて上がってきたのは35㌢クラスのイサギです。ちょうど「イサギが食べたいなぁ~」と思っていたのでラッキーです!!

グレ釣り一直線16 見老津4

お土産としてうれしいイサギがヒット。ただし、こればかりヒットするのは…。

撒き餌がきき始めるとイサギのオンパレードとなりました。40㌢近いサイズも混じるなどうれしい釣りが展開しますが、難なく釣れるとしだいに飽きがくるものです。食べ応えのある良型だけをキープし、あとはリリースという状況が続きます。

チャンス到来で回ってきたのは尾長グレにあらず!?

どこへ投げてもイサギが食ってくる状況に困り果てていたころ、口和深方面に流れていた潮が止まったかと思うと沖の黒島方向に流れ始めました。待ちに待った潮ですが、多過ぎるイサギが活性をさらに高めないかと心配です。その点を懸念しながら狙っていると、グレの活性が少し高まったのか、あやしいアタリや刺し餌の取られ方が見られるようになりました。そのうえ、ラッキーなことにイサギのアタリが少なくなってきました。チャンス到来!! とはいえ、尾長グレを狙えるような潮ではありません。妙なアタリをだすのはおそらく口太グレでしょう。

とりあえず掛けてやろうと、ウキを0号に変更。ウキ下2ヒロちょいの完全フカセで狙ってみると、穂先にわずかな反応が表われました。軽く竿を立てると、イサギとは違う重量感が伝わってきます。おそらくグレでしょう。たいしたサイズではないものの、やはりグレの引きは楽しいですね。やがて海面に浮いたのは33㌢ほどの口太グレです。

グレ釣り一直線16 見老津6

ファーストヒットは33㌢です。

尾長グレが狙える潮になるまで口太グレと遊ぼうと思いましたが、なかなか食いが高まらずに苦戦します。2ヒロのウキ下では刺し餌が残り始めたのでアプローチをかえてみます。ウキを00に変更し、ニノ島との間にあるシモリ周辺に狙いをつけてジワジワと沈めて狙ってみます。すると、アタリがでないまま刺し餌がなくなりました。

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ニューロッドのプロテック、いい曲がりしますよ!!

刺し餌がなくなるタナを把握しようと同じ場所を何度か探ってみると、2.5ヒロぐらいのところで取られていることがわかりました。そこで、そのあたりで道糸をピンピンに張ってやると、モゾモゾとした口太グレ特有のアタリがでました。すぐに合わせると、本日1番の引きでニューロッドがきれいに弧を描きました。楽しい引きでたっぷりと楽しませてくれたのは37㌢の口太グレでした。

グレ釣り一直線16 見老津8

いい引きで楽しませてくれました。

沖向きで竿を出す息子たちも竿を曲げ始めたところで弁当船がきたので弁当タイムとします。いつもながら林渡船のサバのから揚げ弁当はおいしいです!!

弁当を食べ終えたころから潮の流れがやや速くなってきました。「尾長食わないかなぁ~」と思って沖向きに入らせてもらいましたが、浮きグレが出始めて口太グレラッシュが始まりました。こうなれば尾長グレの可能性は消滅。30~35㌢クラスと小振りの口太グレの中から少しマシなサイズを2~3匹だけキープしたところで納竿としました。

グレ釣り一直線16 見老津9

浮きグレはこれくらいのサイズが多かったです。

グレ釣り一直線16 見老津10

当日のキープ分です。口太グレとイサギが相手となったものの楽しめました。

今回はテーマである尾長グレを狙える状況ではなかったのは残念ですが、口太グレとイサギを相手に楽しめました。紀伊半島において尾長グレを中心に考えるのはやはり厳しいですね。でも、諦めずに狙っていきますよ!!

ただ今、見老津ではイサギが絶好調です。黒島周辺よりも地方の磯でよく釣れています。串本大島などと比べると型がいいという特徴があり、小さくても35㌢、うまくいけば40㌢ぐらいの数釣りが楽しめます。当日は、他の地方磯では30~40匹ぐらい上がっていました。興味がある方は見老津へどうぞ!! 

グレ釣り一直線16 見老津1

いつもお世話になる林渡船。釣り人が多くても船頭が磯を振りわけてくれるので安心して楽しめます。

タックルデータ

竿 シマノ・プロテック1.2-530
リール シマノ・BB-X ハイパーフォースC3000DXG S
道糸 ゴーセン・リミテーション磯プログレッサ1.75号
ハリス ゴーセン・フロロファイタールーツX1.75号
ハリ ハヤブサ・鬼掛極軽グレストレート5〜6号

撒き餌 マルキユー・グレパワーV9徳用
マルキユー・アミパワーグレ
マルキユー・グレパワーVSP

釣行メモ

林渡船
HP http://hayashitosen.com
住所 和歌山県西牟婁郡すさみ町見老津286
電話番号 0739-58-0037
料金 4,000円
弁当は700円
備考 渡船店にて受付(乗船名簿記入)をしたあとに渡船乗り場へ移動して乗船。渡礁する磯は船長の判断によって割り当てられる。釣り終了後、港にて料金を支払う。
餌店 フィッシングベース海クン0739-45-8450

【桑原英高プロフィール】

グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。紀州グレ研所属。1969年生。
■ブログ:https://ameblo.jp/gureken-hk/

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