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グレ釣り仕掛けの再考 Part.2|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.15

前回は固定ウキ仕掛けや遊動仕掛けについて触れました(前回の記事はこちらからご覧下さい)。今回は「その仕掛けをどうすればうまく流せるのか?」ということを綴ってみたいと思います。
(文:桑原英高)
仕掛けを流すうえで最も重要といえる道糸の修正、いわゆるラインメンディングをするにあたって理解しておきたいことがあります。それは使用するラインの特性についてです。道糸にサスペンドラインを使う人、セミフロートラインを使う人、フロートラインを使う人、あるいはウキを道糸に通す人やハリスに通す人という具合にさまざまですが、その種類や方法によってメンディングのしやすさが異なります。もちろん、どれが最適かという答はありません。本人が使いやすければそれでいいと思います。そこで、今回はラインメンディングとラインの関係について私なりの考え方を紹介したいと思います。
グレ釣りではメンディングが不可欠
まず前提として「仕掛けは、潮流や撒き餌の筋に乗せて流すのが理想」というフカセ釣りの概念を頭に入れておいて下さい。
グレ釣りをしていると、足もとからまっすぐに沖へ流れる理想的な流れというのは沖磯の両サイドを除いてなかなかありません。釣り座に対して左右どちらかに流れるパターンがほとんどです。足もとからまっすぐに流れる潮ならば適度に張りを入れながら流すことで仕掛けは自然とまっすぐ(流れや撒き餌の筋に乗る状態)になりますが、左右に流れる潮の場合はそうもいきません。潮流に取られて潮しもに膨らんだ道糸が仕掛けを手前に引っ張ってしまうからです。流れや撒き餌の筋に仕掛けが乗る状態をキープしようと思えば、メンディングのために道糸を海面から一度切り離す(持ち上げる)必要があります。
私が主に使うラインです。フォルテッサはハイサスペンドと言う表示がされていますが、一般的なサスペンドタイプのように沈みません。表層を漂う設定となっており、フロートラインのような使い方ができます。
その作業をしやすいという理由から私が使う道糸はフロートタイプオンリーです(メンディングを要さない100㍍や200㍍も流す本流釣りはその限りではありません)。また、ハリスの中にウキを通した仕掛けを使います。その理由は以下の通りです。
フロートライン+長いハリスの利点とは…
図①と図②をご覧下さい。修正しようと道糸を海面から持ち上げる場合、海中に入ったラインと釣り座側の海面の接点付近にできる支点へ向かってウキをはじめとした仕掛けが引っ張られます。その動きを抑えて流れや撒き餌の筋から仕掛けがズレないようにするのがキモとなるのですが、サスペンドラインの場合はなかなかうまくいきません。というのも、ライン全体が沈んでいるぶん支点が竿先に近くなり、道糸を海面から持ち上げるとウキをはじめとした仕掛けが大きく移動するからです。潮が横流れの場合だと狙いの筋や撒き餌の筋から大きくズレて手前に寄ってしまいます。魚の活性が高いこれからの秋磯は多少大雑把な釣りでもグレは食ってくれますが、寒のシーズンになればそうもいかないので対策が必要です。
その点、フロートラインを用いてハリスの中にウキを通した仕掛けはどうでしょう。まず注目してほしいのがウキから上にある数㍍のフロロカーボンです。これが海中に引っ掛かるような状態となり、道糸を持ち上げるときに仕掛けへかかる負荷のクッション的な役割を果たしてくれます。また、支点となる部分が仕掛けに近いため、ウキや仕掛けのズレを最小限に抑えられます。水切れがよく、クセがつかない捌きのよい道糸ならば、ウキが支点へ向かって動くまでにスパッと海面から離れるので仕掛けのズレは最小限に抑えられます。
以上のパターンを駆使するにあたって、私は最初からハリスを長く取ります。タナが浅い時期なら竿1~1本半、深い時期なら竿2~2本半分という具合です。それを見てハリスがもったいないという人もいますが、2ヒロのハリスを結んで釣りをしていてもチモトに傷が入ったり、キタマクラにハリを取られたりすればどんどん短くなり、そのたびに交換の必要があることを考えるとどうでしょうか? 2ヒロのハリスを1日に3回結び直すと、結局は竿2本分と同じ分量を使うことになるのです。あらかじめハリスを長く取っていれば、短くなるたびに結び直さなくても済みます。その手間が省けるというメリットもあるのです。
道糸を釣行毎に巻きかえるという人は別として、釣りが終わればウキやガン玉、ハリをはずしてハリスをスプールに巻き込んでおけば次回の釣行時にも使えます(次回釣行時にはスプールから1度引き出して強く引っ張り、フロロカーボン特有のクセを取ってから使用して下さい)。フロロカーボンはナイロン糸と違って吸水率がほぼゼロなので、次回釣行時でも強度的にほとんど問題ありません。
強風時はさらに長いハリスで対応
「フロートラインだと風の影響が心配」という人もおられるでしょう。確かに、海面下へ多少沈めたぐらいでは強い風の影響は免れられません。したがって、風の強い日ほどこまめな道糸修正が求められます。とはいえ、あまり頻繁にやり過ぎると、仕掛け全体が手前に寄ってしまいます。対策としては、クッションの役割を果たすウキから上の引っ掛かりの部分を多くするためにハリスをさらに長く取ります (ポイントが遠いときや爆風のときは20㍍ほど取ることもあります)。これはウキを沈めて釣るときも同様です。
そして、仕掛けがなじむなまでの距離、道糸の修正によってポイントへ到達するまでに生まれる仕掛けのズレを計算し、それを加味したところへ投入することでうまく釣ることができます。
さて、9月に入ってめっきり涼しくなりましたね。次回は磯に出かけたいと思っています。
なお、今年は大雨や台風が続き、各地で大きな被害が出ています。被害に遭われた方には心からのお見舞い申し上げます。そして、未だ復旧作業の続いている地域のみなさま、1日でも早く落ち着いた生活が送れことを願っています。本当に大変な事態だと思いますが、がんばって下さい。
【桑原英高プロフィール】
グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。紀州グレ研所属。1969年生。
■ブログ:https://ameblo.jp/gureken-hk/こちらの記事も要チェック!!桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.10【南紀・出雲釣行記】
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桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.13【グレ釣りについて思うこと】
グレ釣り仕掛けの再考 Part.1|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.14
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