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【寒グレ】釣果アップに不可欠の〝なじみ〟を考察 Part.4
風の影響を受けない操作を追求!!
仕掛けのなじみを妨げる要因はたくさんあるが、寒グレ期には強い北西風への対策が要求される。ロッドワーク、ラインメンディング、タックルなど、考慮すべきノウハウを追求してみよう
(文:森本敬介)
仕掛けのなじみとは…
そもそも「なじみ」とは何なのか? 遊動仕掛けや固定仕掛けといったウキ下を決めたスタイルでは仕掛けが狙うタナまできっちりと沈下し、そのうえ刺し餌が潮を受けて仕掛けを引っ張る状態になること。ゼロスルスルや全遊動仕掛けなどのウキ下を決めないスタイルでは、ハリスが張れた状態で刺し餌が沈下しながら道糸やウキを引っ張っていくこと。私はこのように考えている。
この仕掛けのなじみがうまくいかなければ、狙うタナに刺し餌が入らないし、たとえ入ったとしても潮にうまく乗らないため撒き餌と違う方向に流れていくなどの不具合が生じる。このためまったく釣れないという状況に陥る。また、なじんでいないということは仕掛けに張りができてないということであり、グレが刺し餌を食ってもアタリがでないことが考えられる。
このように、仕掛けのなじみはグレを釣るための絶対条件であり、何よりも意識すべきことなのである。
では、そのなじみを妨げる要因とは? 最も影響するのが仕掛けにかかる抵抗である。それを生み出す要因となるのが風波や潮の流れなどの自然条件と、仕掛けの落ちを妨げるラインのヨレ(これがあるとラインがウキの穴に通りにくい)である。
後者については、こまめな点検と巻きかえで簡単にクリアできる。このため、面倒がらずに適時行ないたい。一方、前者はいろいろな方法で対処しなければならない。そこで以降ではその方法を詳しく紹介したい。
最も影響を受ける風対策を考察
なじみにくい主な状況は、サラシが強い、潮の流れが速い、風が強いの3つである。
この中で特に注意したいのがこの時期特有の強い風である。ここではその風がある状況について追求してみたい。
図①のように風が横から吹いてくるケースの場合、軽い仕掛けだと非常になじませにくい。
そこでまず考えたいのが立ち位置である。できるだけ道糸が風を受けない先端から少し回り込んだところに立つようにする。
続いて仕掛けを潮目より沖側の風かみに投入する。このとき、着水後に道糸が手前にこないようにするために、空中で道糸の出を止めてピンピンに張った状態で仕掛けを着水させる。仕掛けが着水すればすぐさま竿先を海中に突っ込む。こうして竿先とともに道糸を海中に入れることで風を受けないようにするわけだ。その後、すぐにスプールから道糸を出すと、仕掛けは沈下しながら潮目まで寄っていく。
そして、潮目上に仕掛けがきたら図②のように竿先を風かみ側に向け、道糸が風しもに流れるのを防ぐ。この操作を常時行なえば風しもへの道糸のふくらみを軽減でき、仕掛けを潮目上にうまく流せる。
このとき使用するウキは自重と体積があるタイプがよい。その方が水の抵抗を受けるため風に流されにくいからだ。
なじんでいるかどうかの確認もももちろん大事である。波がなければウキのトップの傾き具合から仕掛けの入り方が判断できるが、それも波があれば難しい。そこで私はオレンジなどの見やすい色のウキ止め糸を20~30㌢ぐらいの間隔を取って2つつけている。こうすれば下のウキ止めがきちんとウキに到達しているかが判断しやすいし、ウキのトップの傾き具合もわかりやすい。
仕掛けについては、食いがよい状態であればわざわざ軽い仕様にする必要はない。なじみを優先するなら丸玉1号などの重いオモリを用いた仕掛けも有効である。これなら難しい操作は必要がないためビギナーでも簡単に仕掛けをなじませられるだろう。
どうしても軽い仕掛けでなければ食い込みがわるいという場合は、遊動部分を極端に短くしてウキごと沈下させるパターンが有効である。通常の軽い仕掛けだとなじむ前にウキが流されてポイントにも入らないケースでも、この仕掛けにして図③のように操作すれば攻略が可能だ。ウキが流されかけてもすぐにウキ止めがウキのヘッドに到達してウキの沈下が始まるため、風に流されずに刺し餌が仕掛けを引っ張る状態になる。
その後は仕掛けを少し引き上げたり沈下させたりを繰り返し、なじんだままの状態で張りを作りながら探っていけばアタリがよくでる。ぜひ1度試していただきたい。
【寒グレ】釣果アップに不可欠の〝なじみ〟を考察 Part.1
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