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【寒グレ】釣果アップに不可欠の〝なじみ〟を考察 Part.2

グレなじみ2−1

仕掛けがもたらす抵抗の軽減を考慮

風や波の強さ、狙うタナの深さといった状況に応じ、最もよいなじみを追求できる仕掛けをセッティングすることが寒グレ狙いでは重要だ。そのうえで刺し餌が自然と沈む撒き餌に追従する状況を作ることを考えて…

(文:長谷川英人)

撒き餌が漂う層に刺し餌が入ることを「なじみ」と私は考えている。このように言葉で伝えるのは簡単だが、流されるままにヨレへと吸い込まれる撒き餌に、流れや風の抵抗を受けるハリ、ライン、ウキがついた刺し餌を合わせるのは至難の業だ。とはいえ、撒き餌がきいていないところに仕掛けを入れてもグレは絶対に刺し餌を食わない。

この相反する条件をクリアしてグレに口を使わせるのがフカセ釣りのおもしろさだと私は考えている。ハリやウキといったハンデを背負った状態でスタートし、潮を読んで撒き餌と仕掛けの投入点を考え、仕掛けをポイントになじませる。これらすべての操作がうまくいって結果が出たときの喜びは最高である。

同じ磯でもタナは共通ではない

風やサラシの影響を受けたウキやラインの動きのせいで、仕掛けが撒き餌とはまったく違う方向に流れることは多いものだ。ただ、そうなるとグレは釣れない。このような状況では仕掛けの投入点、撒き餌を打つ位置、ラインメンディングなどの操作を状況に合わせて行なわなければならない。

また、平面的なことだけではなく、立体的に仕掛けの動きを考えることも大切だ。よく釣っている人と同じ2ヒロのウキ下で狙っているにもかかわらず、釣れない状況があるのは撒き餌が流れるタナまで刺し餌が届いていないからだ。立つ位置が少しかわるだけでも潮の流れは異なるだけに、他の人に合わせるのではなくて自らのタナを見つける努力が必要だ。

グレなじみ2−3

条件によって仕掛けをチェンジ

では、具体的な対策を考えてみよう。

風と波が強いときは、ウキから上のラインの抵抗をゼロに近づけることを考える。風が強いときはラインを海中へ沈ませるとともに、潮の流れの逆側に置くようにする。一方、波があるときは、サラシやウネリにラインが吸い込まれないようにこまめにラインメンディングを行なう。

以上を踏まえたうえで次に考えるべきなのが仕掛けの投入点だ。風の強いときはできるだけ早く仕掛けをなじませたいことから、潮と払い出しがぶつかるところなどにできるヨレに投入する。

仕掛けは、なじませることを優先するなら抵抗なく沈む撒き餌の動きにできるだけ近づくように、オモリ負荷0のウキを使用した軽い仕様がよい。ただし、風や波があるときはその限りではない。

グレなじみ2−2

ウキやハリスなどの抵抗となるものがついていない撒き餌は海中にナチュラルになじむ。それと同じ動きをするように、刺し餌に付随する抵抗をできるだけなくすことを考慮するのが大切だ。

風が強いときはウキをやや沈ませた固定仕掛けが有効だ。ウキが支点となるこの仕様は、海面上のラインが風にあおられても刺し餌が撒き餌の層からはずれにくいという利点がある。

そして、深いタナを攻めるときは水中ウキを用いた仕掛けを風の強弱に合わせて使いわけるとよい。

波があるときは、軽い仕掛けだとなじませにくく、水中ウキやウキを沈ませるパターンだと撒き餌と違うところで仕掛けがなじむという不具合が生じやすいため、オモリで対応するしかない。ウネリやサラシの大きさに合わせて重さを使いわけよう。

ウキ下=タナではない

「投入点は潮ヨレ」と前述したが、あまりに複雑にヨレるところは避けるべきだ。撒き餌と仕掛けが素直に入る場所を見きわめて仕掛けを投入したい。とはいえ、磯によっては複雑な潮の流れでできているポイントもあり、知らず知らずのうちに狙っていることもあるだろう。このためヨレを狙っているにもかかわらずグレの反応がないときは、仕掛けがなじんでいないと考えるべきである。

前述したようにグレのタナが2ヒロであるものの、4ヒロのウキ下を必要とする複雑な潮もある。そうした状況ではウキ下をタナに合わせられてもアタリが小さくなりやすいため、合わせるタイミングをはかるための集中力が求められる。そのうえで刺し餌がよく取られるならば、タナがボケていると考えてウキ下の調整を行ないたい。

どんな条件でも共通しているのは、素早く仕掛けをなじませるにはウキの横に刺し餌を置くように投入することだ。そうしてハリスやウキの抵抗がかからないようにすれば撒き餌と同じように刺し餌を素早く沈下させられ、ヒット率の向上が見込める。

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