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《チヌ釣りQ&A・かかり釣り》場荒れさせないための工夫は?
Q:場荒れさせないための工夫は?
チヌや餌取りとのやり取りを繰り返すうちに場荒れして反応が鈍くなることはあるのでしょうか? そうだとすれば、場荒れさせないため工夫を教えて下さい
A:場荒れの要因は多数。その都度対処が必要
「場荒れ」は「食い渋り」といいかえることもできるでしょう。その原因にはチヌの警戒心や飽食、潮の影響や釣り方のマンネリ化などが考えられます。
昔の話ですが、秋に宮津湾江尻の筏で、私の師匠が小・中型チヌを3ケタ釣った日のことです。師匠の後ろで見学していると、シラサの餌にチヌと思われるアタリがでているのに合わせる素振りがありません。これには「釣れるアタリではないのか?」と内心やきもきしていました。私なら合わせるであろう動きを4回ほどパスし、5回めでようやく竿を跳ね上げました。
そのことを質問すると「竿下にはチヌが密集していて食い気は旺盛だ。となれば必ず食ってくるのだから、確実に食い込むまで待ち、1匹ずつ群れからはがすようにていねいに釣っている」との返答でした。
またこれも昔の話ですが、師匠が春に小浜湾児島の筏で、夕方にカキで拓寸60㌢の巨チヌを釣ったときのこと。児島の水深は5㍍ほどですから掛かったチヌは横走りし、しかも筏の固定ロープなどの障害物が近くにあります。重量4㌔のパワーは強烈でしたが、師匠はリールからほとんど糸を出さずに白熱の力勝負に徹し、あっという間に玉網に滑り込ませました。
いずれも掛けたチヌに周囲に対して不審な動きをさせないための工夫といえます。
江尻の場合、ソフトなやり取りとはいえ周囲のチヌからすれば仲間が釣り上げられるのは異常なことです。数釣りの時期で活性が高いチヌが相手でも、できるだけ警戒感を与えないようにしたわけです。児島で腕力に頼ったのは、1匹釣れるかどうかといった時期ですが、2匹めがあるかもしれないので強引に取り込むことを優先したのです。
つまり、時期や釣り場、狙うサイズや状況によって仕掛けの強度や釣り方を勘案し、バラさないように対策を取ることが必要だということです。
チヌや餌取りを警戒させる要因はバラシ以外にもいろいろとあります。たとえば、餌取りの小魚から見てボラは大きな魚ですがおなじみの存在でしょう。しかし、近年多く見られるエイは脅威だと考えられます。生息数の多いところではエイが好むとされる貝類は撒き餌に使用せず、できるだけ寄せないようにすべきです(事前に情報収集してエイの生息状況を把握しておくことも大事です)。
また、底に沈んで半分ほど埋まったビニール片や、誰かが落とした釣り具などを掛けた場合、ヘドロ混じりの濁りが舞い上がります。これは不可抗力ですが魚に警戒心を与えることが多く、そのようなときはしばらく手を止めてポイントを休めています。
水温の変化も魚に警戒心を与えます。海底では10分間で1度程度の変動は珍しくありませんが、問題は低水温の流れがどれほどの時間続くかです。一過性の変化ならさほど支障はありませんが、低水温期は下げ潮では食いがわるいといったことがあります。事前に潮時にともなう水温変動などの情報をできるだけ収集しておきたいものです。
飽食や釣り方のマンネリ化による食い渋りには、撒き餌の量を減らすか、打つのをやめることで対処します。また、取られにくい餌を使う、ダンゴを割るタナを上げる、ダンゴを落とすインターバルをかえる、ダンゴの割れを遅らせるor 早める、ポイントからズラして落とし込む、といった変化を加えます。なお、餌取りの飽食はチヌとの距離が縮まったことになる、と考えています。
この他、釣り上げたチヌがハリを飲み込んでいてエラから出血しているときは、その血が刺し餌や撒き餌、ダンゴに飛び散らないように気をつけています。付着したらその部分は捨て、ハリや仕掛けは洗い、バケツの水をかえます。魚の血には仲間に危険を知らせる忌避物質が含まれているといわれており、警戒心を与える一因になると考えているからです。クラゲの足が掛かった場合も同様にしています。
(解説:堀 康一郎)
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