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《チヌ釣りQ&A・かかり釣り》PEは使えないの?

チヌかかり釣りQ&A pe

Q:PEは使えないの?

高感度で強度のあるPEラインはかかり釣りでも有効となる場面が少なくないと思うのですが、使用している人を見たことがありません。PEは使用できるのでしょうか?

A:魅力的なアイテムだけど、デメリットも多い

実際にPEを使っていた時期もありましたが、現在は1㍍ごとにマーキングされたものを水温、水深計用として導入しています。

PEをリールに巻くときはテンションをかけながらしっかりと密に巻き込むことが欠かせません。それでも、釣りをしているうちに徐々に緩み、トラブルが起こりやすくなります。

かかり釣りは餌をダンゴで包んで投入し、着底したらダンゴから餌を抜き(もしくは餌が出るのを待つ)、チヌが食ってくるように仕掛けを操作します。釣れなければ仕掛けを回収してダンゴを再投入します。この繰り返しでチヌの食い気をうながすわけですが、仕掛けを回収する際は手繰り寄せたラインを足もとに置いておくか、リールで巻き取るかの2つの方法のどちらかを取ることになります。

筏が設置されている釣り場の水深はだいたい10㍍前後か、それ以上あります。手繰り上げると足もとには水深分のラインがトグロを巻きます。これが風などでからむとやっかいなことになり、たいていは切り捨てることになります。また、やわらかくて軽いPEは手繰り上げるときに手にベタついたり、足もとに落ち着かないことが多いため慎重に作業しなければなりません。

では、リールで巻く方法はどうでしょう。回収時はほとんど負荷がかからない状態のため釣り開始前に比べるとスプールに巻き込まれるラインは緩んでしまいます。これを防ぐには仕掛けを打ち返すたびに指でラインをつまみながら巻き取る必要があり、かなり面倒な作業となります。

また、緩んだまま魚とやり取りするとどうなるでしょう。ラインの放出を止めるためにスプールを指で押さえると、巻き取った分がスプール側のPEに食い込みます。それによってからむとラインを切るしかありません。場合によってはリールが使用不可になることさえあります。バックラッシュによっても同じことが起こります。

さらに、合わせが空振りだった場合は穂先にラインが巻きつくことがあります。ポンピングのタイミングが狂っても同様のことが起こります。これにはなかなか気がつきにくく、知らずにリールを巻いて穂先を折ることがあります。フロロやナイロンに比べてコシがないPEは、その頻度が高いように思います。

それにPEの途中に結びコブができることもあります。筏竿はガイド径が小さいので結びコブが引っ掛かりやすく、気づかずにリールを巻いて穂先を折ってしまうことがあります。このコブは両方向からラインを引っ張るとほどけることもありますが、その際の摩擦熱で強度が落ちている可能性があるため使い続けるのは難アリといえます。

いずれにせよライントラブルが起これば切るしかなく、目に見えてラインの残量が減っていった日もありました。

私がPEを使うのは水中ウキを使って仕掛けを浮かせる釣りをするときです。その際はPEとフロロをサルカンで繋ぎますが、PEの結束部はスッポ抜けが起こりやすいので要注意です。最後にハーフヒッチを2~3回ほど入れることで回避することができます。

PEを使用して初めてのアタリを合わせたときは驚きました。合わせを入れるために振り上げた手が胸の前でドスンと止まり、衝撃で危うく竿を落とすところでした。良型のチヌと思いきや、釣れたのは20㌢ほどのフグ。小さなアタリでしたがPEの感度のよさ、のびの少なさ、潮流の影響を受けにくくて仕掛けがコントロールしやすいことにびっくりしました。

自重が軽いPEは、仕掛けに張りを持たせようと思えばオモリが必要になります。オモリを使うぶん攻め手のバリエーションが限られるのではないか、ヨリ糸なのでガイドが傷つきやすいのではないか…など、不安要素は尽きません。

ただ、魅力的なメリットも多くて本当におもしろいアイテムです。私にはまだまだ使いこなすための工夫が足りないのかもしれませんね…。

(解説:堀 康一郎)

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