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悪条件下でトップ通過を果たせた競技会予選の釣りを解説|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.55

グレ常勝トーナメント55

惜しくも敗退となった前回の尾鷲大会のリベンジを果たし、ハヤブサカップ全国大会出場の切符を得るため愛媛県宇和島での予選にエントリーしました。なかなか厳しい状況の中、これまで培ったノウハウを生かすことで…!!

(カメラ/文 上田泰大)

潮流が鈍い状況に苦戦。キーパーが遠い前半戦

6月4日(日)、ハヤブサカップの予選で愛媛県宇和島市へ行ってきました。

前回の尾鷲予選では船内2位とあって惜しくも予選通過できなかったため、今回はリベンジを果たすつもりでの参加です。

参加人数は81名。ルールは28㌢以上のグレ8匹の重量で競うというもの。全国大会に進出できるのは2名のみという狭き門です。

渡礁する磯を決める抽選の結果は何と1番!! 台風2号の影響で波が少しあるためどの磯に乗れるかまだわかりませんが、縁起のいい番号とあってわるい気はしません。

4船出る渡船のうち、はまさき渡船に乗船。やがて到着したのは尾島のハナレという磯です。この磯は、尾島の北に向かって潮が流れるといいサイズの尾長グレが釣れることを知っています。その流れが走るかどうかが勝負の分かれ目となりそうです。

6時に競技スタート。潮はあまり動いておらず、ゆっくりと右手前へ流れる程度です。

グレ常勝トーナメント55
今回の配合パターンです。

スタートしてすぐに22〜23㌢の木ッ葉グレがヒット。続けて同サイズが釣れるものの、サイズはアップしません。

遠投して撒き餌と刺し餌の距離を少しずつ離してみても釣れるのは25〜26㌢まで。28㌢を超えるグレは掛かりません。

それならと、先に打っておいた撒き餌に投入した仕掛けを合わせる方法で狙ってみます。すると、28㌢のグレがヒット。しかし、これも後が続きません。

やがて潮が緩むとグレの活性がわるくなり、刺し餌が残るようになりました。遠投したり、深いタナを狙ったり、刺し餌の沈むスピードをかえたりといろいろ試してもグレのアタリはありません。

グレ常勝トーナメント55
グレ常勝トーナメント55
尾島との水道部。こちらで釣れる魚のサイズは小さかったです。

潮が引いたタイミングで今まで探れなかった右側の沖向きにポイントを変更します。すると、30㌢を1匹追加することができました。

さらなる追加を期待しましたが、後が続かずに苦戦。前半はいろいろな釣りをしたものの、キーパーのグレは2匹だけでした。

挽回の後半戦。小アタリを掛け合わせる釣りで連発!!

場所を交代して9時に後半がスタート。構えた南向きの釣り座は、潮が左手前へとゆっくりと流れています。

グレ常勝トーナメント55
後半は南向きのポイントに入りました。

撒き餌を打つと、オセンと木ッ葉グレがチラチラと見えます。遠投をして撒き餌と刺し餌をぴったりと合わせてみると、ナビがチクッと少し動く小さなアタリがでました。これを掛け合わせていくと、28~35㌢のグレが連続でヒット。

グレ常勝トーナメント55
ごく小さなアタリを掛け合わせなくてはならないという難しい釣りを強いられます(写真:株式会社ハヤブサ提供)。

活性が高いときはこのアタリが大きくでます。また、小さなアタリの場合もラインを送って待つと食い込み、明確なアタリがでることが多いです。しかし、今日は待っていてもアタリがでません。それで小さなアタリを掛け合わせる釣りに徹します。それが功を奏しました。

なお、ウキは00を使用し、小さなアタリウキをつけています。そして、ハリスが太いとアタリがでないので、いいサイズがヒットしたときにギリギリ取り込める1.2号まで落としました。ハリは極軽グレの4号です。

グレ常勝トーナメント55

さて、サイズアップを目論み、潮かみから探る作戦を実践します。最初に撒き餌と刺し餌を投入したポイントを釣り終えたら、その撒き餌が流れてきているであろうポイントへ仕掛けと撒き餌を入れて探ります。手際よく3個所め、4個所めと続けると、最長寸の37㌢を釣ることができました(この釣り方は過去記事のVol.46で詳しく解説しています)。

グレ常勝トーナメント55

12時に納竿。港に戻って検量します。

結果は8匹で4,700㌘。この日は全体的に釣果がわるかったようです。規定数の8匹を揃えている人が他におらず、優勝することができました。後半に小さなアタリをとらえたことが優勝という結果につながりました。

グレ常勝トーナメント55
37㌢を含む規定数8匹を釣ることができました。
グレ常勝トーナメント55
総重量は4,700㌘でした。
グレ常勝トーナメント55
全国大会の切符を手にすることができました(写真:株式会社ハヤブサ提供))。
グレ常勝トーナメント55
当日の成績です。
グレ常勝トーナメント55
賞品のお肉は家族も喜んでくれました。

なお、全国大会は12月2〜3日に大分県鶴見の磯で行なわれます。今年こそ優勝を狙ってがんばってきます。

グレ常勝トーナメント55
今大会も大勢の参加者で盛り上がりました。楽しい競技ができることに感謝します(写真:株式会社ハヤブサ提供)。

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。

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