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決め手は大量の餌取りをかわす術。グレ競技会勝利の秘訣を紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.51


今回は9月末に行なったグレ釣りトーナメントのレポートです。水温が高い時期とあって決め手となったのは餌取り対策。自身のパターンの他、上位進出者の釣り方についてもピックアップしてみたいと思います
(カメラ/文 上田泰大)
9月25日、福井県の世久見の磯で第6回京都府磯釣連合会グレトーナメントを行ないました。
私は2試合めで負けましたが、その後に観戦した決勝戦ではいろいろと収穫がありました。中でもおもしろかったのが、水温がまだ高い時期とあって多くいる餌取りや木ッ葉グレの中からいかにして良型のグレを取るかという、それぞれの釣り方です(前日も釣りをしましたが、22㌢ぐらいまでの木ッ葉グレが多く、30㌢がなかなか出ませんでした)。そうした課題をクリアして決勝に進んだメンバーの釣りの分析とともに、自身の釣りについて紹介したいと思います。
ガン玉使いと撒き餌ワークが決め手!!
1試合めの磯はアカカベです。世久見の磯の中でも3本の指に入るほど良型のグレが出る名磯です。
沖アミ6㌔にこれらの配合餌を混ぜ合わせた撒き餌を用いました。 しかし、開始からしばらくしても1匹も釣れません(あとで聞くと、どの磯も食いだしが遅かったようです)。ようやく反応がでたのは40分ほどしてからです。沖の潮目に仕掛けを直接入れて撒き餌と合わせるとウキがきれいに消し込まれました。やがて上ってきたのは29㌢グレです。足もとから出てる大きなサラシを考慮し、仕掛けがなじむようにG8のガン玉をウキの下とハリの上に付けたのが奏功しました。
わずかなガン玉使いで反応が出ることもあります。反応が鈍いときはオモリを積極的に脱着するのが得策です。 以降は同じ釣り方で5連続でヒットしましたが、サイズが徐々に小さくなります。このような場合は撒き餌と仕掛けの距離をだんだんと遠くするのが得策です。
それがやはり正解で2,350㌘(10匹)を釣り上げて勝利することができました。
1試合目はいい釣果が上がりました!! 2試合めはヘラグリです。この磯では右側のポイントでいいサイズが釣れる状況です。しかし、私が右側に入ったころに向かい風が吹きだし、その影響で流れてきたゴミのせいで釣りにくい状況に…。結局、思うような釣りができずに敗退となりました。
あとで考えると、遠投用の大きなウキ(15㌘程度)に変更し、ゴミのないポイントを攻めることで釣果を出せたのではないかと思います。
決勝戦は餌取り対策が勝負の分かれめに
続いて決勝戦の様子です。2試合ともに勝利した選手の中で、釣果合計の重量差が多い上位4人で対戦を行ないました。
磯はオイデ。海を見て左側が本命で、右へ行くほどサイズが小さいという状況でした。
決勝戦はオイデという磯で行なわれました。 まず左に入ったのが森川選手。00のウキと長めのハリスを用いたスルスル仕掛けを遠投し、ゆっくりとしたペースで釣るスタイルです。
刺し餌は生沖アミがメイン。餌取りが沖にはあまり行かない状況とあり、4人の中では最もサイズがよかったです。
ゆったりとしたペースでサイズのよいグレを上げていく森川選手。 左から2番めに入ったのは池田選手。撒き餌ワークでオセンや木ッ葉グレと本命をしっかりとわけ、10㌘ぐらいのウキを用いて遠投するスタイルを中心に組み立てていました。
刺し餌はスーパーハード。ハリスは1.2号。後方から見ていると、今回はこの釣り方が一番合っていると感じました。
餌取りをきっちりと分離し、遠投で沖を攻めて釣果を手にする池田選手。 左から3番めに入ったのは金井田選手。中距離に打った撒き餌の中を釣ったり、仕掛けを撒き餌から少し離して釣っていました。
ウキ9㌘。刺し餌はシバエビのムキ身など。本命のポイントに入る後半にどれほどの追い上げを見せてくれるかが楽しみです。
撒き餌の中を釣ったり、撒き餌から仕掛けを離したりと釣り方をかえてサイズアップを狙う金井田選手。 最も右でスタートしたのが澤近選手。中距離に魚を集め、カン付きのウキを用いた仕掛けで撒き餌の中を深く釣るスタイルにて、どのポイントでもコンスタントに釣られていました。
糸通りのよいカン付きウキを用いて撒き餌の中を深く釣り、サイズのよいグレを狙う澤近選手。 時計回りで4個所のポイントをそれぞれが釣った結果、前半リードしていた森川選手が後半に伸び悩んだ一方、池田選手は良型をコンスタントにキャッチ。そのままリードを保った池田選手が優勝となりました。以降、金井田選手が本命のポイントで追い上げて準優勝、森川選手が3位、澤近選手4位という結果となりました。
良型をコンスタントに釣った池田選手(右)が優勝 、本命ポイントで追い上げた金井田選手(左)が準優勝となりました。 今大会の結果です。 楽しい大会となりました。 当日の釣り方考察
今回の大会をまとめると…
①仕掛けを投入する前に撒き餌を2~3回手前へ入れてオセンをしっかりと寄せる(オセンが多い場合は撒き餌を水面で割れて広がるように打ちつけるのが効果的)。集めたオセンの下にたくさんいる22㌢以下の木ッ葉グレが沖へ出ていかないように、同じところへ撒き餌を絶えず入れておく。
②撒き餌を終えたら仕掛けを沖へ遠投。着水点にオセンが行かないようであれば撒き餌をウキに目がけて1度だけ入れる。
③餌取りが沖へ出ていかないようにすぐに手前へ撒き餌を入れる。
以上のように「餌取りと本命のグレが分離することでサイズのいいグレだけを釣る」というパターンが正解だったように思います。餌取りの多いタイミングにぜひ試して下さい。
大会の合間にアオリイカをキャッチ。こんなお土産が期待できるのも秋磯の魅力の1つです。 釣行メモ
河村渡船 電話番号 090-4323-0528
※受け付けは8〜20時料金 半日4,00円/1日5,000円 備考 ■時間は季節によって変動あり。要問い合わせ。夏は5時前ごろに出船。
■問い合わせは「若狭湾/世久見の宿 うべしま館」でも可。
https://www.ubeshima.com/tosen/
福井県三方上中郡若狭町世久見4-14-1
0770-46-1702(受け付けは8〜20時)タックルデータ
撒き餌
※沖アミは6㌔マルキユー・グレパワーV9徳用 マルキユー・グレジャンボ マルキユー・爆寄せグレ マルキユー・遠投ふかせTR 刺し餌 マルキユー・くわせオキアミスーパーハード マルキユー・くわせオキアミV9 マルキユー・魚玉ハード — マルキユー・特鮮むきエビ — 活性起爆材・グレにつけた生沖アミ マルキユー・活性起爆材・グレ 竿 シマノ・BB-XSPECIAL SZⅢ 1.2号500/530 — リール シマノ・BB-Xハイパーフォース2500DXG — — — 道糸 東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.5号 ウキ ソルブレ・MFクウェストS-0 — — ソルブレ・PFフカセM-0 — — ハリス 東レ・スーパーL EXハイパー ハリ ハヤブサ・鬼掛 極軽グレ
【上田泰大プロフィール】
釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。■ブログ:グレトーナメント全国制覇への道
■youtube:グレ釣り上田TV関連記事
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