アジは撒き餌で回避可能!! 良型尾長グレも出た尾鷲の釣りを解説|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.47 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

アジは撒き餌で回避可能!! 良型尾長グレも出た尾鷲の釣りを解説|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.47

グレ常勝トーナメント47

水温の上昇にともなってやっかいな存在となるのがアジです。今回の紀東・尾鷲の釣行では釣り始め後しばらくして出現したアジを撒き餌ワークによって分離することが釣果アップのカギになりました。それによって良型の口太グレに加えて尾長グレもキャッチできた様子をレポートします

(カメラ/文 上田泰大)

アジ対策の撒き餌ワークが奏功して尾長グレも登場!!

4月23日、三重県尾鷲の磯へ行ってきました。

渡礁した磯は「アゴ島」です。尾鷲湾口の南側に位置する桃頭島(とがしま)の沖側にあり、尾長グレも狙うことができます。

グレ常勝トーナメント47
グレ常勝トーナメント47
グレ常勝トーナメント47
今回使用した撒き餌の配合パターンです。

まずは、朝イチの1投めに尾長グレが食う確率の高い沖にできている潮目をダイレクトに狙うことにします。すると、セオリー通りに1投めから小振りながら尾長グレが食ってきました。

グレ常勝トーナメント47
いきなりよい引きで竿が曲がります。
グレ常勝トーナメント47
幸先よく尾長グレがヒット。

続いて同じように狙うとまたヒット!! その後も28~35㌢が6連続でヒットしました。今日は爆釣の予感がします。

そう思ったのも束の間、撒き餌がききだすと、アジが回ってきて邪魔をするようになりました。釣れていたポイントを狙ってもアジが先に刺し餌をくわえるためグレがヒットしません。

このような場合はポイントを大きくかえるとともに撒き餌ワークを駆使するのが得策です。具体的には、撒き餌を入れる基本の場所はかえず、それまで撒き餌を入れていないポイントへ仕掛けを投入するという具合です(仕掛けには1発だけ撒き餌をダイレクトに打ちます。図①参照)。

グレ常勝トーナメント47

この釣り方を駆使することで再び連続でヒットさせることができました。

さて、35㌢までをある程度キャッチしたところでサイズアップを狙って作戦をチェンジします。タイミングをずらして入れた撒き餌に、少し深いタナで刺し餌を合わせるという方法です。

具体的には…

①足もとにアジ対策用の撒き餌を3回入れる

②仕掛けを沖へ遠投する

③アジが刺し餌の方へ行かないようにウキの手前ぐらいに撒き餌を入れる

④仕掛けがなじんだら、良型グレが食いにくるタイミングを見計らってゆっくりと仕掛けを引いて撒き餌と刺し餌を合わせる

…というものです(図②参照)。

グレ常勝トーナメント47

このパターンを駆使すると、ラインにきれいなアタリがでて37㌢の尾長グレがヒット!! さらに、最後には39㌢も釣ることができました。

グレ常勝トーナメント47
37㌢の尾長グレがヒット!!
グレ常勝トーナメント47
続いてさらに手応えのよい魚がヒット!!
グレ常勝トーナメント47
上がってきたの39㌢の尾長グレです。
グレ常勝トーナメント47
このクラスの引きは楽しいですね。

この釣果に満足したことから弁当船で磯がわりをすることにします。

ナビの微反応をとらえて40㌢オーバーキャッチ!!

次に上がった磯は「みなみかざりの高場」です。

佐波留島の裏側にある磯で見た目はパッとしませんが、荒れた日に大型が出るとのこと。船長のおすすめとあってこの磯で竿を出すことにします。

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みなみさがりの高場です。
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海底は起伏に富んでいるようです。

釣り始めてみると、水深はそれほど深くないものの、シモリやゴロタ石がたくさん入っていることがわかりました。「これはよい感じだ」と思っていたところ、2投めに仕掛けが深く入ったタイミングでヒット!! かなりの手応えが伝わってきます。

やがて上ってきたのは51.3㌢のチヌです。尾鷲はグレがよく釣れますが、チヌの大型が出る場所として知られています。以前には日本記録(拓寸71.6㌢)が出たほどの実績場です。

グレ常勝トーナメント47
かなりの引き味で楽しませてくれました。
グレ常勝トーナメント47
尾鷲はチヌ狙いでも楽しめるフィールドです。

その後、刺し餌がたまに取られるもののウキにはよいアタリがでない状況が続きます。グレの活性が低く、餌をくわえては吐き出す状況なのでしょう。そこでナビが動く程度の小さなアタリをとって掛け合わせる釣りに変更します。これがマッチしたようで、8㌢ぐらいの小さなグレがヒットしました。

その次にでた同じようなアタリを合わせると、かなり強い引きで竿が曲がりました。慎重に寄せてキャッチしたのは40.5㌢の口太グレです。

グレ常勝トーナメント47
小さなアタリを掛け合わせるパターンが正解でした!!

その後も30㌢前後を複数キャッチ。納得のいく結果で納竿時刻を迎えることができました。

グレ常勝トーナメント47
同行の金井田君もよく釣っていました。

同じ釣り場でも磯によって水温の高低や撒き餌の入り具合によって魚の活性は異なります。活性が高い磯では狙う場所を大きくかえる大胆な釣り、活性が低い磯では小さなアタリをとる繊細な釣りが有効となります。ぜひ参考にしてみて下さい。

釣行メモ

ゆき丸渡船
HP https://www.tsurisoku.com/yukimarutosen/
住所 三重県尾鷲市中村町8-21
電話番号 090-9170-8944
料金 5,000円
備考 ■時間は季節によって変動あり。要問い合わせ。今回は5時過ぎ出船、14時納竿
■弁当あり
■駐車場無料

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。