良型登場!! 南紀・勝浦での寒グレ攻略の実釣パターンを紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.44 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

良型登場!! 南紀・勝浦での寒グレ攻略の実釣パターンを紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.44

グレ常勝トーナメント44

餌取りの活性が下がる寒グレ期は良型の数釣りが期待できます。もっとも、良型の動きも活発とはいえないため釣り方にはシビアさが求められます。たとえば、良型が出ることで定評のある南紀・勝浦の場合は…

(カメラ/文 上田泰大)

1月10日、和歌山県那智勝浦の磯へ釣りクラブの仲間と初釣りへ行きました。

水温の低下によって木ッ葉グレをはじめとした餌取りの活性が下がったことで数もサイズも期待できる状況の中、渡礁したのはオジャウラ方面にある広大な大島。ここは水深が豊富であるため周囲全体で釣りが可能です。

いつも通りに緊張感を持って釣りをするため、時間を決めた試合形式で楽しむことにします。今回は50分ハーフの1試合100分、10匹の総重量での勝負としました。

グレ常勝トーナメント44
いつも通りに試合形式で釣りを楽しむことにします。

寒グレ期はウキ下の微調整が不可欠!!

私は沖を向いて一番右の港向き①からのスタートします。

グレ常勝トーナメント44
グレ常勝トーナメント44
まずは右側の釣り座からスタートしました。
グレ常勝トーナメント44
東に面する釣り場とあって朝日がとてもきれいです。

手前から仕掛けを入れると、1投め、2投めと刺し餌が取られます。餌取りがいるようなので狙う距離を磯から少しずつ離すことにします。

すると、3投めにいいアタリがでました。合わせると、ガツンッ!! という衝撃とともにかなりの引きに襲われます。しかし、体がまだ温まっていなかったためか痛恨のバラシ…。戻ってきた仕掛けがチモトの上で切られていることからイズスミか良型の尾長グレだったのかもしれません。

ハリを結び直して同じように狙うと、30㌢ほどの尾長グレがヒット。これなら狙う距離をさらに遠くすればサイズがアップするだろうと考えて投入点を徐々に沖へとシフトします。

ところが、沖め狙いでは素バリが続きます。その対策としてウキ下を少し深くします。すると、竿1本ちょっとほどのウキ下できちんと掛かるようになり、30㌢前後を4匹ゲット。ここで場所交代の時間となりました。

次に入った左側②は水深があるため、竿1本ちょっとほどからゆっくりとウキを沈めて食うタナを探りながら釣ることにします。

寒の時期は食うタナにウキ下をきちんと合わせることが重要であり、1投ごとに10㌢ずつほど深くしていくシビアさが求められます。

グレ常勝トーナメント44
左のポイントです。

そうして探っていくと、竿1本半ぐらいのタナでヒット。こちらのポイントはサイズがよく、37〜38㌢ぐらいのグレが連続でヒットしました。

グレ常勝トーナメント44
グッドサイズが出ました。

仕掛けのなじみを考慮することももちろん重要!!

次に入った中央③のポイントはいつもはよく釣れるのですが、サラシが強い今日は仕掛けが留まりません。サラシの影響で滑る上潮に仕掛けが流されてしまいます。こうなると、仕掛けと撒き餌が離れるため釣れなくなります。

グレ常勝トーナメント44
サラシが強いため攻略には一考が必要です。

普段の釣りならサラシが穏やかなポイントに目をつけ、移動したりキャストしたりして狙いますが、境界線が設けられている競技会ではそうもいきません。

このような場合は、なじんだ直後にウキがゆっくりとシモるようにG5ぐらいのガン玉をハリスの中央ぐらいに追加するのが得策です。この際、アタリがとれるように、ウキが沈み過ぎないようにラインを張り気味に保つという操作が不可欠です。そうして狙うと、仕掛けが下層の潮をとらえるようになるため、撒き餌と刺し餌が同調する時間を長く取れます。そのぶんグレが食う確率が高くなります。

グレ常勝トーナメント44
グレ常勝トーナメント44

今回もこの釣り方を駆使することで、サラシが強いポイントでもグレを釣ることができました。

グレ常勝トーナメント44
良型も複数ヒットしました。
グレ常勝トーナメント44
納得の釣果です。
グレ常勝トーナメント44
10匹で3582㌘ありました。

なお、競技形式の釣りを終えて検量した後、裏側のポイントを釣ってみると44㌢までの良型が釣れました。

低水温が続く今後は良型が期待できます。コロナウイルスに細心の注意を払いつつ、もうしばらく続く寒グレシーズンを楽しんで下さい。

釣行メモ

清丸渡船
HP https://zekkouchou.com/kiyomarutosen/
住所 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町湯川932
電話番号 0735-52-5574
料金 4,500円
備考 ■時間は日の出から午後4時まで(出船時間は季節によってかわる。基本的に日の出時間が目安)
■弁当あり(700円)
■素泊まり2,500円

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。