潮流に逆らわない操作が決め手!! 南紀・勝浦での納得の釣りを紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.42 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

潮流に逆らわない操作が決め手!! 南紀・勝浦での納得の釣りを紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.42

グレ常勝トーナメント42

今回の釣行で渡礁したのは南紀・勝浦の前山島。足もとに根が張りだしているなど何かと釣りにくいですが、レベルアップをはかる舞台としては最適な磯だといえます。潮流に逆らわない釣りを実践するために、ポイントを考え、ラインの置き方などを工夫することで…!!

(カメラ/文 上田泰大)

11月上旬、京友磯釣クラブのクラブメートである金井田君と和歌山県那智勝浦の磯へ行きました。

渡礁したのは山成群島の前山島。沖磯とあって口太グレ、尾長グレともに期待できますが、足もとから出るサラシと、風や潮の向きに応じて仕掛けの入れ方を頻繁にかえなければならないなど、攻略するのは簡単ではありません。これまでに5回渡礁していますが、いずれも難しい釣りを強いられています。また、足もとには根が張り出しており、良型の尾長グレが掛かると取り込みは困難です。

そのように上級者向けの磯とあって進んで乗りたいという人はあまりいません。しかし、他の人が敬遠するほど攻略の難しい磯は、トーナメントの練習をするにはもってこいといえます。今回は、期待できる技術力アップに加え、真剣さが増すようにグレ5匹の重量で金井田君と釣技を競うことにしました。

狙い通りに流すにはメンディングが必須

潮が左(宇久井向き)へ流れていることから船付きに2人で並んで釣りを開始。私は00のウキとともにセットしたクッションゴムのすぐ下にG8〜G7のガン玉を付けたり外したりして狙う作戦で挑みます。

グレ常勝トーナメント42
グレ常勝トーナメント42
今回の撒き餌の配合パターンです。

潮が流れる方向を釣るのがセオリーですが、普通に流すと足もとのサラシにラインが引き込まれてしまいます。そうなると、左の磯際へ仕掛けが手前に寄って根掛かりするので注意が必要です。

これを回避するために利用するのが足もとにあるサラシの払い出しです。ラインはすぐに沈めず、竿で浮かしながら右へ何度かメンディングするとうまくいきます(太地向きの右側へ潮が流れるときは②の釣り座に移動するのが得策です)。

グレ常勝トーナメント42
グレ常勝トーナメント42
①の釣り座です。足もとのサラシを利用してラインの軌道を正すのがよりよく釣るためのコツとなります。
グレ常勝トーナメント42
②の釣り座です。こちら向きに潮が流れると良型が期待できます。
グレ常勝トーナメント42
裏向きのポイント。こちらでも釣れます。

まずは竿2本ほど前に入れた撒き餌に合うように仕掛けを入れます。すると、すぐに28㌢ほどの尾長グレがヒット。続けて同じように仕掛けを入れると同サイズが連続でヒットしました。

ここからはサイズアップをはかるために、30㌢を超える口太グレを狙う釣りに切りかえます。

まずは撒き餌を打つ場所の竿3本ほど前に仕掛けを投入。そして、竿2本前にあるサラシの切れ目に撒き餌を打ち、仕掛けが2ヒロほど入ったころ合いに少し引いて撒き餌と合わせます。そこから3〜4ヒロほどのタナまで仕掛けをゆっくりと入れていきます。

これが正解!! 32〜33㌢ぐらいの口太グレを引き出すことに成功しました。

グレ常勝トーナメント42
このようなよい潮目ができると期待感が高まります。

ガン玉の付け外しや遠投などの作戦変更で良型ゲット!!

やがて潮が動かなくなると、小さなイサギが連続で釣れるようになりました。このことからわかるように、潮が動かないときは思っているよりも仕掛けが深く入っていることがよくあります。このような場合はガン玉を外し、グレが食い上がる頂点で仕掛けが止まるようにゆっくりと仕掛けを入れるのが得策です。それを実践するとまたグレが食いだしました。

しばらくすると、一瞬だけ右側(太地向き)へ潮が動きました。すかさずそちらへ流すと、28㌢の尾長グレと30㌢の口太グレがヒット。しかし、追加を期待した矢先に潮が左へとかわってしまいました。

さらなる良型を狙うべく徐々に遠投をして狙います。これが奏功して納竿の30分前に最大の37.2㌢がヒット。サイズアップに成功です。ただし、金井田君も35.7㌢までのグレをよく釣っているので検量するまで勝負はわかりません。

帰港後、5匹を検量してみると、私が1960㌘、金井田君が1940㌘。僅差で勝利することができました。

グレ常勝トーナメント42
最大は37.2㌢。難しい状況を釣りこなしての釣果はひときわうれしいものがあります。
グレ常勝トーナメント42
金井田君も数を釣っていました。

今回のように潮が流れているときは、その方向に逆らわずに釣る方がよい釣果が得られることが多いものです。潮の変化に応じて釣り座が移動できるのであれば積極的に動くことをおすすめします。

今回の釣りを参考にしていただき、これからの本格的なグレ釣りシーズンを楽しんで下さい。

釣行メモ

清丸渡船
HP https://zekkouchou.com/kiyomarutosen/
住所 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町湯川932
電話番号 0735-52-5574
料金 4,500円
備考 ■時間は日の出から午後4時まで(出船時間は季節によってかわる。基本的に日の出時間が目安)
■弁当あり(700円)
■素泊まり2,500円

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。