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秋は入門に最適!! イシダイ釣りの基本を解説
これから秋の好シーズンに向けてイシダイ釣りに入門しようと思っておられる方、イシダイ釣りを始めて間もない方を対象に基本ノウハウを紹介させていただきます。どうぞご覧下さい。
(文:小杉義文)
イシダイ釣りの魅力について
イシダイは好奇心が旺盛な魚です。その反面、警戒心がすこぶる強いという特徴があります。数多くいる磯魚の中では抜群の頭脳を持っているといっても過言ではないでしょう。
そんな手ごわい魚をターゲットにするこの釣りの魅力についてはひとことでいい表わせません。中でも真っ先に思い当たるのは竿先にでる前アタリのドキドキ感、ハラハラ感でしょう。
その反応の度合いはサイズの大小や、潮の動きによる活性の違いなどによってさまざまです。活性が低くて食い渋っているときなどは5〜10分以上も前アタリが続くこともあります。それを経て、餌をくわえてハリ掛かりしたイシダイが走りだすと、海中に突き刺さらんばかりに竿先が曲がるとともに竿全体が絞り込まれます。そうなればピトンから竿を抜き、力の限り溜め込んでリールを巻きます。そして、やがて海面に浮いたイシダイを豪快に磯にブリ上げます。
この一連の流れがイシダイ釣りの1番の醍醐味であり、ファンを魅了してやまない部分です。イシダイ釣りだけが持つ繊細かつダイナミックなスタイルを1度でも味わうとヤミツキになること請け合いです。
晩夏から秋にかけてのシーズンは、上昇した水温が安定し始めるタイミングにイシダイが餌を活発に捕食するようになります。大型はもちろんのこと、中〜小型の数釣りもOKとあってベテランに限らずビギナーにおいてもベストシーズンといえます。
とはいえ、相手は幻の魚の異名を持つツワモノであり、そう簡単に手中におさめられないのは確かです。私も十数年にわたってイシダイ釣りをしていますが、何十回連続ボウズなんてことも珍しくありません。
そこで、そのように気むずかしいイシダイをいかにしてハリに乗せるかを私の過去の経験をもとにして考えてみたいと思います。なお、ここではイシダイと呼べる40㌢以上をターゲットとします。
40㌢超級のイシダイを手中におさめるための基本ノウハウ
海底を探ってポイントを決め、竿先でアタリをとるのがイシダイ釣りの基本です。九州方面では手持ち竿による南方宙釣りをする方も多いですが、ここではピトンを用いた置き竿によるイシダイ釣りを紹介します。
ポイント選択について
晩夏〜秋は比較的水深があるうえ、潮通しのよい磯が狙い目となります。上物釣りをされている方なら潮通しのよさ、潮の動きを読むことができるかと思いますが、グレなどがあまり釣れなくてもイシダイには抜群のポイントであることもよくあるので注意が必要です。過去に少しでも実績のあるポイントならば釣れる可能性が十分にあるのでチェックしておきましょう。
タナ取りについて
続いてポイントのタナ(餌を置く場所)の取り方です。
まず道糸の先にオモリだけをつけて狙いたい個所の少し沖に投入します。着底したら糸フケを取り、ピトンに竿を置きます。その後、手もと(リールの前の部分)の道糸をゆっくりと引っ張りながらイシダイのつき場となりうる海底の地形変化を探っていきます。
そうして探ると、ガクンと落ち込む反応によって溝やくぼみなどの存在が察知できます。その反応をとらえたら、さらに道糸を引っ張ります。それで狙い目となるカケアガリやシモリの上などに餌を置くことができます。このときのリールのカウンターを覚えておくと、次の投入からはタナ取りの作業がラクになります。
餌について
タナが決まったら仕掛けをセットして投入しますが、その前に餌について触れておきましょう。
晩夏〜秋は水温がまだ高いことから餌取りに強いウニが主体になると考えられます。しかし、場所によっては餌取りが盛夏ほど多くないこともあります。その状況を見すえてサザエやヤドカリを用意することをおすすめします。
サザエの場合、2〜3個の身をワイヤーに通すパターンが有効です(餌が上にずれないように最後にはゴム管を通して短く切ったツマヨウジなどで固定する)。セットするときは白身の部分がすべてハリ先側にくるようにすること。理由は、イシダイはやわらかい白身部分から食べる傾向があるからです。
ヤドカリはツメを取り去り、やわらかい胴体部分にワイヤーを通します。それから取り去った2本のツメを通し、身が少し出るようにハンマーでつぶします。つぶすことで集魚効果が得られます。
ハリについて
イシダイ釣りにおいてはハリの選択も重要です。およその目安としては、70㌢クラスを狙うならば17〜18号、60㌢クラスなら16〜17号、50㌢クラスなら15〜16号、40㌢クラスなら14〜15号といった具合です。ただし、これはあくまで目安であってハリの大きさで魚のサイズを選べるわけではありません。
覚えておいていただきたいのは、小さいハリに大型がヒットするとスッポ抜ける恐れがあることです。逆に、大きいハリを使用すると、相手が小型の場合はアタリはでるもののハリに乗らない可能性が高くなります。
置き竿の保持角について
ポイントに餌を入れて置き竿にしたら道糸と竿先の角度が100〜120度ぐらいになるように竿受けの角度を調整します。
その角度以下にするとアタリはわかりやすくなりますが、竿先の抵抗が魚に伝わりやすくなるぶん食い込みがわるくなりがちです。一方、それ以上の角度だとアタリがわかりにくいうえ、仮にヒットしたとしても棒引き状態になる懸念があります。それが大型であれば竿を立てにくくなって合わせがきかないという事態となり、バラシにつながる確率が高くなります。
アタリから合わせについて
ビギナーだと本命と餌取りのアタリの区別が少々つきにくいかもしれません。小型のフグやカワハギなどの餌取りはパンパンと竿先を小刻みにたたくので慣れればすぐにわかりますが、40㌢を超える大きなフグや大きなウツボなどはイシダイを思わせるようなアタリを見せることがあるからやっかいです。
イシダイの場合、大型ほどゆっくりと大きく、小型ほどゴツゴツと小刻みにたたくような反応が竿先に表われる傾向があります。このように竿先にでる反応ひとつで魚の違い、魚体の大きさなどを判断することも大切です。
そして、アタリがでてからの合わせるタイミングについては、竿が完全に曲がり切ったところで行なう、というのが前提となります。間違ってもアタッている途中に合わせてはいけません。それでは素バリを引くか、掛かっていたとしても外れる可能性が高くなるので注意しましょう(いずれの場合も以降はイシダイの反応がさっぱりとなくなることがあります。隣で竿を出す同行者にも迷惑をかけることになるので注意が必要です)。
合わせるときは、ピトンから竿を抜くと同時にしっかりと立てること。それで合わせが決まればやり取りの始まりです。
小型なら竿の弾力とリールのパワーを生かした浅いポンピングだけで比較的ラクに上げられますが、強烈なパワーで海底へ突っ込む大型はそう簡単にはいきません。強い引き抵抗が伝われば、竿尻をしっかりと腹に当てて体重をきかせ、竿で溜め込むこと。それで耐えるとやがて浮いてくるはずです。
海面に姿を現わした魚が中〜小型(40〜50㌢クラス)であれば竿のパワーを利用して磯にブリ上げます。しかし、相手が大型(60〜70㌢)であればそうはいきません。サポートしてくれる人がいれば糸をつかんで抜き上げてもらうのがベストですが、1人であれば玉網などを用いてすくい上げるのが最良です。
イシダイ釣りは上物釣りと比較するととても体力を必要とします。だから日ごろから足腰や腕力を鍛えることをおすすめします。
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