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おいしく食べたい!! 回遊魚(青物・サバ、他)の持ち帰り方の正解とは?
気温が高い夏場は釣果の持ち帰り方には気をつかいます。とりわけ足の早いサバなどのいわゆる青魚は釣った後の処置がとても重要です。以下では回遊魚フリークの名手が実践する絞め方と持ち帰り方を紹介。ぜひ参考にして夏〜秋の美味を堪能しましょう!!
【回遊魚の持ち帰り方①】サバは血抜き&潮氷が重要です
サバは、頭を落とす、内臓を出す、血抜きをする、という3つの工程を終えてから潮氷につけて持ち帰るというのが一般的でしょうが、漁師はそこまで手間のかかることはしていません。ただし、押さえるべき要点はあります。
それは血抜きと潮氷(氷と海水を約1:1にして作ったもの)です。鮮度が落ちる一番の要因となる血をしっかりと抜いてから潮氷に浸けことが不可欠です。血を抜くときは、絞める作業を兼ねて包丁をエラの間から入れて背骨を切るようにします。これで魚の動きは止まるうえ、背骨のそばの動脈も切ることができます。
魚全体が浸かるほど潮氷をクーラーに入れると熱が逃げにくくなり、長時間にわたって魚全体が冷たさに包まれます。魚は冷やされると身が締まり、体内の血を外へより押し出そうとします。また、海水の中の塩分の浸透圧の関係で身の中に水が入りにくくなるなど、新鮮な状態を保つことができます。
ただし、この持ち帰り方はサバ・カツオ・青物・アジでしか行ないません。たとえば、ウロコのないタチウオは、運転中に揺れることで氷が魚体に当たり、やわらかい皮に傷がつきやすくなるからです。味にはさほど影響はないですが、刺し身や酢の物などでは見栄えがわるくならないように新聞やタオルでくるんだ氷の上にタチウオを並べるのが得策です。
なお、釣った直後にはサバと同じようにエラからナイフを入れて背骨を切っておきましょう。そうしておけば暴れなくなり、クーラー内の他のタチウオが傷をつくことがありません。
カマスは背骨を切ってから氷を入れたクーラーへ入れましょう。乾燥しやすい魚なので新聞紙などでくるんでおくのがおすすめです。
(文:井手良一)
【回遊魚の持ち帰り方②】青物のストリンガーでのキープは×。氷は多めに用意!!
回遊魚は運動量が多いものです。そのぶん多くの酸素を運ぶために血液の循環がよいうえ、血液量も多いという特徴があります。そして、それは傷みが早いということに直結します。おいしく持ち帰るためには元気なうちに(心臓が活発に動いている)血抜きをしておくことが絶対条件となります。
青物をストリンガーでつないでキープしている方をたまに見かけますが、それだと自由に泳げないために酸素不足になります。シメた際にうまく血液が抜けなくなるので控えるべきです。
また、気温の高い時期だけに少しでも早く冷やすことも大切です。それにはクーラーボックスが必須アイテムとなります。
保冷力の高いクーラーボックスも増えてきましたが、大きなクーラーに少しの氷や保冷材しか入れていない人をよく見かけます。これでは保冷力がいくら高くても意味がありません。氷や保冷材はいつも多めに入れておきましょう。
そして、水を入れて凍らせたペットボトルに数本を入れている方も見かけますが、氷が解けにくいぶん冷却効果が低減しがちです。早く冷やしたいときはペットボトルを切って氷を出し、クーラー内に少し入れた海水に魚をつけましょう。これで早く冷やすことができます。
なお、持って行った氷が減ってきたときはすぐに買い足しましょう。漁港の中には業務用の製氷機を利用できることもあるのでチェックしてみましょう(200円で5㌔といった具合に安価で手に入ることが多いです)。
(文:柿本恭久)
【回遊魚の持ち帰り方③】魚体に氷が触れない心がけを!!
サバやサゴシは傷むのが非常に早いので特に神経をつかう必要があります。同じくこれからおもしろくなるハマチ・タチウオ・アオリイカ・メッキについてはさほど気にすることはありませんが、時期が時期だけに帰宅までの時間を考えた保存法を実行したいものです。
ハマチとメッキはナイフで血抜きをしたら、海水少々と氷を入れたクーラーに入れるのがベストです。その際、魚体に氷が直に触れると身焼けするため、氷を新聞紙か布で、魚体をビニールで包んでから保存するのがベターです。そして、クーラーの開閉をできるだけ少なくして温度を一定に保すことを心がけましょう。余裕があれば血抜き処理後に内臓やエラも取り除きましょう。
タチウオも冷気の中でキープするのが前提です。頭を切り落とせば血抜きができますし、内臓もサッと取り出せます。さらに鋭い歯でケガをする心配もなくなるのでおすすめです。
なお、釣れたタチウオは必ず魚バサミかタオルなどでつかみ、ハリをペンチではずすこと。歯は触れただけで深く切れてしまうほど鋭利なので十分に注意して下さい。
アオリイカは丈夫なビニール袋(ジッパー袋)に入れて氷に直接触れないようにしましょう。生きたまま袋に入れると噛んで破くことがあります。そうなるとクーラーの中がスミだらけになって後処理が大変になるので必ず絞めてから袋へ入れましょう。
どの魚種も「氷に直接触れさせず、冷気を一定に保つ」ことが保存方法の基本となります。
(文:古本幸喜)
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