技術向上に直結!! ライン(道糸&ハリス)にまつわる要点を解説 |上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.26 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

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技術向上に直結!! ライン(道糸&ハリス)にまつわる要点を解説 |上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.26

上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.26

磯のグレ釣りにおいてライン(道糸とハリス)は不可欠な存在です。使用する種類、交換の頻度や方法をはじめとした使いわけ方を理解しておけば無用なトラブルの軽減とともに、釣りやすさが向上するぶん釣果アップも期待できます。私の考え方を参考にしていただき、よりよいパターンを見つけて下さい。

(カメラ/文 上田泰大)

磯のグレ釣りにおいてハリや刺し餌はいろいろな種類を使いわけることで釣果アップにつながりますが、ライン(道糸とハリス)に関してはできるだけ同じものを使うのがよいと考えてます。同じ種類を使い込むことによってメンディングをはじめとしたラインの操作を感覚として身につけることが大事だと考えているからです。

そこで、以下では道糸とハリスについての使いわけをはじめとしたラインにまつわる私見を紹介させていただきます。

グレ釣りにおける道糸考察

私の場合、道糸に関しては東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ(1.5号と1.75号)をほぼ使ってます。

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道糸は視認性のよいライムグリーンカラーの銀鱗SSブラックマスターエクストラをメインに使用しています。

各メーカーからいろいろな種類が出ている道糸はナイロン素材、もしくはPE素材が主体であり、ほとんどの場合着色されています。その見やすさは個人差があるのでどれがよいとは一概にいえませんが、個人的には晴れでも曇りでも安定して見やすいチャートカラー(黄色の蛍光色)が好みです。

かたさについては、少し張りのあるシャキッとしたものがおすすめです。その方がカラミが少なく、扱いやすいからです。

比重はサスペンド系が使いやすいと感じています。着水後しばらくするとゆっくりと沈んである程度のタナをキープする特性は、風が強いときなどの悪天候にも対応できる点で有利です。

グレ釣りにおけるハリス考察

ハリスは…

①やわらかくてしなやかな食わせタイプ(東レ・スーパーLEXハイパー)

②シャキッと張りがあるうえ、根ズレに強い強度タイプ(東レ・スーパーLハード)

…という2種類を使いわけています。

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しなやかさが特徴の東レ・スーパーLEXハイパー。
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根ズレに強い東レ・スーパーLハード。

メインで使ってるのは①のタイプです。なじみがよいぶん食いが渋い低活性時をはじめ、たいていの状況に対応できます。

一方、②はシモリの多い釣り場や、尾長グレが多い状況で使います。

ちなみに、ハリスはハリ上50㌢ほどをかえるだけでも意図した効果が期待できます。特に、食いが渋くなって号数を落としたいときには有効性を実感できます(図①参照)。

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また、尾長グレが食いそうだと判断したときにもハリ上50㌢だけ号数を上げるのが有効です。魚とやり取りしている最中にハリスが切れる個所のほとんどがハリ上に集中してるからです。

ところで、数が釣れるときにハリをよく飲まれ、ハリスがどんどん短くなるといった経験をされたことがあるかと思います。その場合、狙うタナがしだいに浅くなることからハリスの交換が必要となります。その際もハリス全体を交換するのではなく、同じ号数のハリスを直結することで時間を無駄にすることなく釣りを続けられます。

結び方は最も早いうえ、強度がある八の字結びが最適でしょう。

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結び方は八の字結びがおすすめです。

グレ釣りにおけるライン使いの注意点

【注意点①】ハリ上部分が白くなっていると食わない

何匹か釣ると、ハリ上部分のハリスが白くなってきます。この状態だと食いが非常にわるくなります。気がついたら白い部分をすぐにカットしてハリを結び直すのが得策です。

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ハリ上部分が白っぽくなると食いがわるくなるので注意が必要です。
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魚の体液がついても白っぽくなるので要注意です。

よく釣れていたのに急に食わなくなったり、回りの人はよく釣れているのに自分だけ釣れないときはハリ上部分のハリスが白くなっていることが多いです。

そうした不具合が起こったまま釣らないように、1匹釣るごとにハリを結び直すのが理想です。

【注意点②】バラさないようにハリスの傷は要チェック

気がつかないうちにハリスに傷が入っていることもあるため、1匹釣るごとにチェックするのが理想です。ヒットした瞬間にシモリを目がけて突っ込むグレなどの磯魚狙いでは、引っ掛かった感触がなくてもシモリにハリスが擦れることがよくあります。

その他、フグ系の魚にハリスがかじられると合わせた瞬間に切れることもあります。たとえば、ウキを目がけて打った撒き餌がラインに乗り、それをかじられることで傷がつくことがあるのです。

いずれにしてもラインチェックがバラシ防止につながります。

【注意点③】道糸の交換頻度について

道糸は何回ぐらいの釣行まで使えるか? みなさんも考えたことがあるかと思います。

結論からいえば、1度使うと強度が大幅にダウンします。しかし、1回の釣行で捨てるのは不経済であるため、私は3度めの釣行を終えたら捨てるようにしています。もっとも、同じように3度使うのではなく、2度釣行したら反転させて1度使うといった方法を取っています。

太いラインの場合、強度的にはさらに数回釣行しても大丈夫だと思いますが、クセやヨレがつくことを考えると3度の釣行で交換するのがベストだと考えています。

重要な競技会で使用した新品ラインは再利用

トーナメントや予選会などの大事な状況では新品のラインを使うようにしてます(競技が2日以上に及ぶ場合は1日ごとに新しいラインを使います)。

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競技の釣りでは慎重さが求められます。1匹で勝負が決まることもあるので1日ごとに巻き替えるのが無難です。

競技で使用したラインはプラクティスやプライベートの釣りで再び使うため、劣化しやすい15㍍分ぐらいを引き出して捨て、残りをできるだけ早く水道水で洗って塩抜きをするといった後処理を行ないます。これをやらないと潮が固まって結晶となり、ラインに傷がつくことがあります。傷がつくと少し引っ張っただけでブチブチと切れることがあるので注意が必要です。

そして、乾燥させたあとはボナンザのラインメンテスプレー(シリコンスプレー)を塗布します。そうすることで滑りがよくなるとともに、撥水性がアップして使いやすさが高まります。

なお、この場合も2回め釣行のあとに別のスプールに巻きかえ、使ってない反対側を使うようにします。

以上のことに気をつけながら釣りをすると安定した強度のラインを使うことができ、無用なトラブルの軽減に繋がります。どうぞ参考にして下さい。


【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。

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