グレ釣り入門の迷いを解消。道具と渡船利用について解説|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編【番外編】 vol.24

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今回は番外編です。いつもなら尾長グレをテーマにした内容を紹介していますが、今回はグレ釣り入門に適した秋磯シーズンが間もなく開幕するということで、これから始めようと考えている方、あるいは初心者の方が迷うと思われる竿や道糸の選択、渡船システムなどについて解説させてもらいます。ぜひ参考にしていただき、この好期にグレ釣りの楽しさに触れて下さい

(文:桑原英高)

まだまだ残暑が厳しいですが、好釣果が期待できる秋磯シーズンの到来は間もなくです。尾長グレも大いに期待できるタイミングですが、キャリアを問わずにグレ釣りを楽しめるシーズンだけに今回は経験の少ない初心者、あるいはこれからグレ釣りを始めたいという方々に聞かれることがある初歩的な疑問について解説したいと思います。

グレ釣り入門に適した磯竿の選択基準

釣りをするために必要な竿とリールは高価であるため購入時は慎重に選びたいものです。

今では一人前になった息子が磯釣りを始めた際に「親父は1号の竿ばかり使っているから俺も1号の竿買うわ!!」と安易に竿を選ぼうとしました。そのとき「はたして初心者が1号の竿でどれだけのやり取りができるだろうか?」と思ったものです。誰かが1号の竿だから自分も…、という選び方は間違いです。

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使用するハリスの強度を最大限に生かせる竿を選択することが大事です。もっとも、それにはしっかりと竿を曲げるやり取りが求められます。

私はハリスの強さによって竿の号数を決めます。たとえば、紀伊半島でよく釣れる口太グレのレギュラーサイズである30〜40㌢、大きくても45㌢を釣るなら1.5号のハリスで十分だと私は思っています。歯のある尾長グレは別として、竿の角度がよほどわるくならない限り切れることはありません。

ところが、初心者はどうでしょう? まずまずの型のグレを掛けると引きの強さに対して弱気になり、竿尻が常に自分へ向く弱気のロッドワークとなりがちです。そのように、やり取りに自信がない方には1.5号の道糸とハリスを組んだテストを行なうことをおすすめします。セットしたハリスをどこかに結んで根掛かりのような状態を作り、竿を垂直に立てた状態でリールを巻いて下さい(竿が折れないように要注意。テストはあくまでも自己責任で行なって下さい)。それでハリスの強さがわかっていただけると思います。その際に行なったように極限まで竿を曲げるのがやり取りのコツになります。

パワーが増す1.5号や2号の竿に1.5号のハリスを合わせると、極限まで竿を曲げることはできません。竿のパワーが勝ってハリスが切れてしまうのです。

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他の人と同じように細いハリスを使う必要はありません。自身のウデに合った信頼のできる号数を選びましょう。

このことから私は、1〜1.5号のハリスであれば1号の竿、1.5〜1.7号のハリスなら1.2号の竿、1.7〜2号のハリスなら1.5号の竿という使いわけをしています。どの程度のハリスで、どれぐらいのサイズの魚とやり取りできるかを知るまではむやみにライトな道具を選ぶ必要はありません。ビギナーはサンノジやイズスミといった他魚でもいいので魚を掛けて取り込むことを意識して下さい。バラしてばかりではいつまでたってもやり取りは上達しません。

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イズスミやサンノジとのやり取りはとても勉強になります。途中でグレではないことがわかっても練習だと思って真剣にやり取りしましょう。

入門用の目安をあげるとすれば、1.5号の竿に道糸、ハリスともに2号がよいでしょう。それに慣れればハリスを1.7号に落としてやり取りして下さい。さらに慣れて強気のやり取りができるようになると、1.5号の竿が強いと感じるようになります。30〜40㌢のグレが難なく浮いて「スリルがないなぁ〜」と思うようになるはずです。そう思えるようになって初めて1号や1.2号の竿を使うとよいでしょう。

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やり取りに物足りなさを感じるようになれば、ライト仕様の竿の購入を考慮しましょう。

昔の1号の竿はどれも同じような調子でしたが、最近はさまざまなモデルが設定されています。やや突っ張り感があるモデル、胴に乗るモデル、長いモデル、短いモデルと選択肢は豊富です。実際に目の当たりにすると迷いますが、各人の釣りのスタイルに合ったモデルを選べばよいと思います。釣り具店に出向き、ガイドに通した糸をスタッフに引っ張ってもらうなどして、のばした竿を実際に曲げて決めるのが一番だと思います。

リールの選択基準

リールはレバーブレーキつきの2500〜3000番クラスがいいでしょう。魚とのやり取り以外にも何かと道糸の出し入れが多い釣りだけにレバーブレーキ機能があると便利です。

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レバーブレーキタイプを選びましょう。

グレ釣り入門に適した道糸の選択基準

「どれぐらいの期間で巻きかえればいいの?」と聞かれることが多々あります。

ナイロンの道糸は水を吸うこと以外に海水の塩分や紫外線などの影響で劣化します。このため私は1.5号以下なら釣行毎に、2号前後なら2度の釣行ごとに巻きかえています。ただし、2号前後の場合、次の釣りまで1カ月も2カ月も期間が空くなら1度の釣行で巻きかえます。

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1度でも使ったことのある道糸は、使わない期間が長くなるなら巻きかえるのが賢明です。

新品と1カ月間放置した道糸を手で強く引っ張ってみて下さい(手が切れないように要注意。タオルなどを巻いて手を保護して下さい)。1.7号程度であっても新品の状態ではなかなか切れないはずです。それが1カ月放置して劣化が進んだ道糸であればプツンッと簡単に切れます。一般的には毎週釣りに行くなら3〜5回の釣行で巻きかえるのが無難でしょう。それ以上使うなら釣行前に必ず手で引っ張って強度をチェックして下さい。

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いつくるかわからない大物を確実に取るためにもラインの強度には常に気を配りたいものです。

余裕があれば、新しい糸を巻いたスペアスプールを持参すると安心ですね。あるいは新しい糸をタックルケースなどに常に入れておくのもいいでしょう。この場合、劣化の元となる直射日光(紫外線)が当たらないところに保管しておきましょう。

グレ釣り入門で困る渡船システムについて

渡船の利用は初心者にとって一番の難関のようです。私もそうでした。どうやって磯におりればいいの? 行きたい磯がある場合は? お金はいつ払うの? など、初めて渡船を利用する際は不安材料が多いものです。

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初めて渡船を利用するときは、初めてであることを事前に伝えておきましょう。

システムは渡船店によってバラバラです(日本中で統一してもらえないものかといつも思います)。上がる磯の決め方に関しては、完全予約制もあれば、船頭まかせや、磯を走って他の釣り人と取り合いをしなければならないところなどさまざまです。その詳細は目当ての渡船店に電話を入れて確認するしかありません。

「○月○日に何人で行こうと思っています。初めてなので磯は船頭さんにまかせればいいですか?」と聞いてみると「うちは予約制です」とか「上がりたい磯で船をおりて自分で釣り座を確保して下さい」などと教えてくれます。このうち、自分で釣り座を確保しなければならない渡船店はおすすめできません。いい磯を狙う釣り人は他にもいるため場所の取り合いなどのトラブルが起きやすいからです。私はそのような渡船店にはほとんど行かず、予約制か、船頭まかせのところを選んでいます。

行きたい磯があるときは「○○の磯に行きたいのですが、どうですか?」と聞いてみるといいでしょう。「○○磯に行かせてくれ」などと船頭さんが困る無茶を決していわないようにして下さい。

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これだけの人数がいる中で自身で釣り座を確保するのは大変です。慣れるまでは予約制か船頭まかせの渡船店を選ぶことをおすすめします。

乗船時は船長の指示があることがほとんどです。「乗って下さい」という合図で渡船に乗り込んだら船の前方のスペースにバッカンやクーラーバックなどの荷物をまとめて置きます。ロッドケースに関しては、所定の場所があればそこへ置き、ないなら手持ちにします。荷物とともに前方の足もとに置くと踏まれて竿が折れる可能性もあるので注意して下さい(各荷物には自身のものとわかるように大きく名前を書いておくか、何らかの目印をつけておきましょう)。

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渡船の乗降時に焦りは禁物です。落ち着いて行動しましょう。

渡礁する磯を船長が振りわけてくれる渡船の場合、順番がくると「次、○○さ〜ん」と、名前のアナウンスがあります(初めてであることを伝えていれば、たいていの場合は気にかけてくれます)。それが聞こえれば荷物とともに自身も舳先に移動します。この際、船をつける磯を見る船長の視界を遮ることになる舳先の中央には立たず、両サイドで手すりを持ってしゃがんでおきましょう。

そして「はい、渡って!!」という船長の合図があれば渡る側の磯の形状をよく確認したうえで落ち着いて渡礁します。このとき、船長の合図がないにもかかわらず船が磯についたからといってあわてて渡礁しないこと(波の具合によってはいったん離れたり、舳先が上下することもあるため危険)、磯と船をまたいだまま荷物を運搬すること(何らかの要因で磯から舳先が離れた際に落水する危険がある)を決してしないように注意して下さい。

なお、このパターンは船に乗り込む際も同様です。

料金は後払い制が主流です。帰港後に道具を片づけてから船頭さんに払いましょう。ただし、中には前払い制を取っているところもあるため釣行前に問い合わせるのが無難です。

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数釣りが期待できる秋磯を楽しんで下さい!!

以上のように、いろいろとある難関をクリアすれば楽しいグレ釣りを満喫できるシーズンです。釣れるときは簡単に釣れる魚でもあるので、始めようかどうか迷っているなら思い切って磯に出かけてみて下さい。きっと素晴らしい世界が待っています。

【桑原英高プロフィール】

グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。紀州グレ研所属。1969年生。
■ブログ:https://ameblo.jp/gureken-hk

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