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チヌ・紀州釣りの悩みを解決!!|急流攻略のコツを教えて下さい

QA紀州釣り急流1

急流攻略のコツを教えて下さい

釣りやすい流れが一転して急に潮が飛びだし、手に負えなくなった経験があります。そうした状況ではどう釣るのが正解だったのでしょうか? 急流攻略のコツをいろいろと教えて下さい

紀州釣りの技量が試される状況です

急潮流を攻略するにはいろいろとテクニックが要求されます。紀州釣りをある程度マスターしていなければ難しいですが、裏を返せば急潮流を釣りこなすことができれば基本をマスターできている、ということになります。

急潮流とはいっても激流だと釣りは成立しません。ここでは人が歩く程度までの速さ(これ以上速くなると成立しにくくなります)の攻略法を紹介します。

【要点1】ダンゴについて

まずは紀州釣りで最も大切なダンゴについて解説しましょう。

大切なのは確実に着底するダンゴにすることです。同じ水深でも潮が速いケースでは沈下速度が速い(比重の重い)ブレンドパターンとします。ただし、砂を多くするとバラけやすくなるため、粘り気が出るアミエビなどを加える必要があります。

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急流になる可能性がある釣り場へ行くときはアミエビや、粘り気の出る集魚材を持参しましょう。

ご質問のように途中から潮が速くなる可能性のある釣り場へ行くときは、砂の他にアミエビなどを予備に持参しておきたいものです。あらかじめ潮が速いとわかっているならダンゴを作る際に比重のあるブレンドとすればよいでしょう。

【要点2】ダンゴが割れるタイミングと位置について

そして、急潮流攻略で最も大切なことは、着底すると同時(ウキに負担がかかると同時、つまり仕掛けがなじむと同時)にダンゴが割れることです。ダンゴがなかなか割れずにゴロゴロと転がるようでは魚が違和感を持ちますし、ポイント作りが難しいため釣りが成立しません。

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自身の前で割れるようにダンゴは潮かみへ投入します。

また、ダンゴは潮かみにダンゴを投入することになります。自分の正面、あるいは少し潮しもで仕掛けがなじみ、ダンゴから刺し餌が抜けて竿1本分ほど流したら回収、というのが一連の流れになります。このときダンゴの割れが遅いほど刺し餌を流せる距離が短くなります。ポイントも潮しも側になるため釣りにくくなります。このため、できるだけ自分の正面でダンゴが着底するように心がけましょう。

どうしても着底ポイントが潮しもになる場合は、潮かみに移動して投入するスタイルが有効です(図参照)。

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この他、着底と同時にダンゴを割るには握る回数や握り方、使用するウキにも気を配らなくてはなりません。きちんと着底するものの、なかなか割れない場合は握る回数を減らすか、より高浮力のウキにかえましょう。

私が使用する自作ウキは、1.5号程度のオモリが乗る浮力があるためほとんどの急潮流を釣りこなすことができます。しかし、浮力がないウキだとダンゴの抵抗どころか、仕掛けが受ける潮の抵抗だけでシモります。それではアタリがわかりません。高浮力のウキだと食いがわるくなるだろうと低浮力のウキを使っていては急潮流を釣りこなすのは不可能です。

もっとも、紀州釣りでは高浮力のウキを使ったからといってチヌの食いがわるくなることはありません。少なくとも1号負荷程度のウキを使用して下さい。

【要点3】ウキ下の設定について

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急流の状況下ではウキ下の設定がとても重要です。

ウキ下の設定もとても大切です。急潮流の場合、水深よりも深いウキ下を取る必要がありますし、ときには仕掛けの浮き上がりを抑えるためにハリスにオモリを打つこともあります。

そのように難しいウキ下設定でベストといえるのは、ダンゴが着底して仕掛けがなじんだときにウキが沈むか沈まないかという設定です。むやみに水深よりも深くするとアタリがでにくくなり、ダンゴの着底を確認できなくなります。逆に浅くすると、ウキが完全に沈むことからダンゴが割れると同時に仕掛けが浮き上がります。これでは餌取りに刺し餌をかすめ取られます。

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ダンゴの着底(仕掛けのなじみ)と割れが確認でき、なおかつ仕掛けが浮き上がらないところへウキ止めをセットすることが大切です。もちろん、刻一刻とかわる潮の速さに応じてウキ止めの位置を調整することは欠かせません。釣果を大きく左右する大切な部分ですからこまめに調整しましょう(図参照)。

【要点4】仕掛けの選択について

流れがあると仕掛けを重くしたいという心理が働きます。しかし、紀州釣りの場合はハリスにオモリを打つことはほとんどありません。ダンゴが割れた場所から刺し餌を流したくないときでさえもウキ下の調整でカバーするほどです。 

ただし、そうしたウキ下の設定でカバーできないときは3Bや4Bといったやや重めのオモリをハリ上20〜40㌢に打つのが有効です。状況がかわってBぐらいまでの軽いオモリで食ってくるならウキ下の調整で対応できます。そちらの方が食いがいいだけに、いつまでもオモリをつける必要はありません。

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釣りこなせる流れならオモリを外しましょう。その方がよりよい食いが期待できます。

また、ハリと刺し餌の使いわけも急潮流を釣りこなすためには欠かせません。急潮流の場合は小さめのハリと、ハリいっぱい程度の小さめの刺し餌の組み合わせが有効です。これは、流れの中にいるチヌにはゆっくりと餌を食う時間がなく、ひと口サイズの方が食いやすいだろうという考えがあるからです。

ちなみに、私はチヌバリの3号か4号をメインに使っていますが、急潮流のときは2号、あるいはグレバリの6号を使用します。

以上のように急潮流の釣りでは、紀州釣りにおける技量のすべてが試されることになります。私がよくいう「1にダンゴ、2にダンゴ、3、4がなくて5にウキ下、6はウキを含む道具類、7にラインメンディングなどの仕掛けの扱い、8に刺し餌と合わせのタイミングで釣果が末広がり」をまさに実践したときに結果が出るという難しい状況ですが、それだけに狙い通りに釣れたときの喜びははかりしれません。急潮流を避けずにどんどん挑戦してウデを上げて下さい。

(解説:藤原直樹)

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