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【実釣マニュアル】カマスの釣り方

カマスの釣り方6

カマスの回遊さえあれば朝夕に入れ食いタイムの期待大。ただし、年回りによるムラが激しいから情報収集は不可欠です。地元の人が釣りだしたという話があればすぐにアプローチしましょう!!

カマスの釣りの基本

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時合中の餌を活発に追う様子はとても獰猛です。

カマスは獰猛なフィッシュイーター、つまり他の魚を食べるタイプの魚です。波止回りで釣れるものは大きくて30~40㌢クラスですが(南洋に住むもっと大きなカマスの仲間が釣れることもあります)、ルアー釣りのターゲットとしても人気があるようにダイナミックに小魚を襲います。

シーズンについて

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ひとたび回りだすと、連発が期待できるのが魅力です。

紀伊半島では春にも大群が接岸することがあるようですが、一般的には夏から晩秋の釣りものであり、群れが回ればシーズンイン、回らなくなると終わりという感じとなります。このため釣れている話がないのにカマス狙いで出かけるのは少々難しいものがあります。他の魚を狙う釣行で現地の釣り具店への釣況問い合わせの際にカマスの名前が上がればその準備もしておくというスタイルがいいでしょう。食べるとおいしい魚とあって地元の人がこまめに狙っており、釣れていればそれなりに情報があるものです。

釣れるタイミングについて

カマスの釣り方1
まづめどきが最大のチャンスです。

カマスの時合は明確です。朝夕のまづめどきに群れが接岸して食いが立ちます。常夜灯のある場所では日没後もよいですし、ときには日中の時合もありますが、基本的にまづめどきを釣るスケジュールを組みましょう。

餌について

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餌はキビナゴがベストです。

餌は、魚の身餌を使います。その場で釣った小型のイワシなどもよい餌になります。特に、キビナゴ(冷凍物が餌店にあります。また、鮮魚店で刺し身用を買うのもよいでしょう)はサイズ的に手ごろです。カマスが小さいときは半分~3分の1ぐらいに切って使うとちょうどいいでしょう。ルアーで釣るときもキビナゴか、それよりすこし小さいぐらいのサイズのものを選びます。

カマス釣りのベーシックなウキ釣り

夕暮れとともに港内に入り始めたカタクチイワシなどの小魚を追ってカマスの群れがやってくるのが最高のシチュエーションです。この状況であれば簡単なウキ釣りの仕掛けで手返しよく数が釣れます。港奥の岸壁で足もとにも魚が回るようならのべ竿で釣るのも楽しいですが、足場が高いときや、釣れるポイントが少し沖めであるケースを考えると磯竿に小型スピニングリールの組み合わせで遊ぶ方がいいでしょう。

仕掛けで注意したいのは、カマスの鋭い歯でハリスを切られないようにすること。大物が回る場所ではタチウオ用のワイヤーハリスを使う人もいるようですが、通常は大きめで軸の長いハリを用いるとともにチモト(ハリスを結んだところ)にビニールパイプをかぶせて補強する程度で十分です。

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釣り方のコツはサソイをこまめにかけること。仕掛けを投入してウキがなじんだら〝竿先を少し上げて仕掛けを浮かせては再びなじませる〟といった動きをつけるだけでも食いがよくなります。〝少し引いては止める〟というのもいいでしょう。いずれにせよウキをひったくるようなアタリがきたらしっかりと合わせてからやり取りをして取り込みましょう。

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よく釣れている状況なら1ヒロまでの浅いタナを狙う感じでいいですが、アタリが遠いときはだんだんと深いタナを釣るようにします。魚の活性が上がりきらない状態では底層を数少ない魚が泳いでいるだけのケースも多いからです。ウキ釣りはルアー釣りに比べて手返しの面で不利なこともありますが、ポツポツとしか釣れないときには深いタナもじっくりと釣れるので釣果が安定しています。

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ご覧の通りにカマスの歯はとても鋭利です。魚バサミとともに、ハリをはずすプライヤーは必ず用意しましょう。

なお、カマスの歯は鋭く危険ですし、魚体は粘液が多くて直接つかむと手がヌルヌルになります。魚バサミを用意して魚に触れずに取り扱うのも手返しアップのコツです。


時合に強いジグサビキ

活性の高いカマスの群れが小魚を追い回している状況なら何かと手返しのよいルアー系の釣りの方が数を釣りやすいものです。特に、多数の擬餌バリを使うサビキ仕掛けは大漁志向の方に向いています。

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数を狙うなら手返しよく探れるジグサビキが有効です。

カマス用のサビキにはアミカゴがついている小バリのタイプもありますが、これはエンピツ級などといわれる小型のカマスを釣るためのものです。キビナゴを食うような型のものを狙うなら大きな擬餌バリにオモリ(メタルジグ)をつけて使うタイプを選ぶことです。道具は、磯竿やエギングロッドなどのある程度仕掛けを投げられるものなら特にこだわらなくても構いません。

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基本的にウキはつけません。そのため投入した仕掛けを底に着けないよう常に引くことになります。投げたらスローに巻き寄せるだけでも十分なサソイになって活性の高いカマスは食ってきます。それでダメなら「着水→糸を張って底近くまで沈める→大きくシャクり上げる→糸を張って底近くまで…」という操作の繰り返しでアピールするのが効果的です(このサソイはウキがないときに沖めのアジをサビキで狙うときにも使えます)。

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それでもダメなら仕掛けにサビキ用のウキをセットし、切ったキビナゴを擬餌バリにつける多バリの餌釣りスタイルにかえる人もいます。かなり野暮ったい釣りですが、サビキが不調なのに餌釣りの人にはアタる状況で効果的です。

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カマス釣りで最も手軽なルアー釣り

カマスが釣れているエリアの餌店に釣り方を聞くとルアー釣りをすすめられることも多くなっています。エギング用などのタックルを持っているならそれが一番手軽だということです。テクニックの面でも特に難しい部分はありません。アコウの項で紹介したワーミングのパターンや、スズキの項で紹介した各種ハードプラグのタダ巻きでもカマスが飛びついてきます。

カマスの釣り方7
速引きでも海面を割らずに一定の層を泳ぐルアーがカマス狙いには最適です。

ワーミングの場合、特に簡単なのは底まで沈めてからのスロー引きです。それで反応がわるいなら「糸を張って底まで沈める→スロー巻きである程度浮かせる→糸を張って底まで…」という具合にフォーリング(沈む動き)のサソイを中心としたパターンで狙うのが有効です。

ハードプラグの場合、やや速めの一定速度でのタダ巻きでOKです。釣れないときはトゥイッチやストップなどアクションをつけたくなりますが、行なわないのが賢明です。リトリーブスピードが遅くなるぶんルアーを丸飲みにされやすく、リーダーが鋭い歯によって切れる可能性が高まるからです。