大物派要注目!! 大判イシダイを手にする確率を高める手法を解説

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>ホームグランドの紀東ではこれから大型のイシダイが出る期待感が高まります。ただし、利口なイシダイに口を使わせるのは簡単ではありません。よりよい釣果を上げるには撒き餌の方法や仕掛け面など、何かと工夫を凝らすことが欠かせません。

(文:小杉義文)

7月中旬を過ぎると強烈な日差しが照りつけ、磯で竿を出すのが辛くなります。しかし、強靭かつ精悍な顔つきをした幻と呼ばれるほどの大判イシダイに出合えるチャンスが高い時期だけに釣行しないわけにはいきません。

イシダイ師ならご存知のように、この時期のイシダイは沖の深場から浅瀬へと移動を始め、安全な場所で産卵の準備を開始します。そして、体力を蓄えるために活発な捕食活動を始めます。

食い気のあるイシダイが狙えるエリアに入ってくることから1年を通して最も大型がヒットする確率が高いのがこの時期です。私の過去のデータを見ても大型の釣果は7~8月が最も多くなっています。夢の70㌢オーバーに出合うことができたのもこの時期であり、自己記録を狙うのであればこれからが最大のチャンスだといえます。

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大型のイシダイを手にする絶好期です。そのチャンスを逃さないためにはいろいろと工夫が必要です。

とはいえ、相手は頭のわるい魚ではありません。大型のイシダイは特に賢く、高い警戒心を持っています。ひとつ間違うと丸ボウズというリスクがあるのもこの時期の特徴でもあります。

「それでもイシダイを何とか食わせたい!!」と思うのがイシダイ師でしょう。その熱意こそイシダイ釣りには欠かせません。そこで、私の経験を例に、ホームグランドの紀東で大型のイシダイをターゲットとした今後のパターンを紹介させていただきましょう。

大型イシダイを釣る確率を高める事前準備

まず考えたいのが水温や餌取りの動向です。例年の7月上~中旬は22~24度前後の水温が予想されます。しかし、底潮はさほど高くないぶん餌取りの活性も高くないと考えられます。このため餌は勝負が早いヤドカリやサザエが有効だといえます。乗っ込みイシダイはやわらかい餌を好む傾向にあるという点でもこれらの餌は必須だといえます。

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ヤドカリのようなやわらかい餌が特に有効です。

もちろん、ウニなどのかたい餌でも食うことがあります。たとえば、前日よりも水温が急激に上昇したときなどは餌取りの活性も上がるためウニのようなかたい餌が有効となります。

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もちろんウニの用意も欠かせません。

ただし、そうした海況の変化は毎日のように磯に行かなければ把握できないものです。そのため行きつけの渡船の船長とのコミュニケーションを大事にし、最近の海況をきっちりと把握できるようにしておきたいものです。

大型イシダイを釣る確率を高める実釣考察

次に考えたいのが釣り方です。これらは足もと派と遠投派によってかわります。

足もとを狙うケース

足もとを狙うのであれば撒き餌を使うパターンが有効です。しかし、その効果のほどはポイントの水深に大きく左右されます。浅場であれば潮の流れを見ながら上撒きすることでうまくいきますが、深場ではそう簡単にはいきません。潮の流れは我々が考える以上に複雑であり、簡単にポイントへ入れることはできないものです。

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近投で狙うときはポイントへ撒き餌を直接きかせられる方法を実践して好結果を得ています。

近投ポイントの場合、私はガンガゼやマルキユーのデカバンをジャークカッターと名づけた自作の三角形のプレートで割る方法を取っています。着底後に竿を大きくシャクれば餌が粉砕するこのカッターを使用すればポイントへダイレクトに撒き餌をきかせることができます。

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これがジャークカッターです。ハリと同じようにウニなどの餌をつけてから仕掛けにセットして投入。着底後に竿を大きくあおることで餌がカットされて拡散し、撒き餌となります。

この方法は磯の上から落とし込む撒き餌よりも数倍の効果があると思われ、ガンガゼなら10~15個、デカバンなら4㌔もあれば十分な集魚力が期待できます。実際、私の回りの釣友たちもこの方法を試すようになってから高確率でイシダイをゲットしています。

ただし、遠投が必要なポイントでは通用しません。竿をシャクッても道糸がのびるためにカッターにパワーが伝わらず、餌が割れないからです。このため遠投時は餌のつけ方の工夫で対応することになります。

遠投で狙うケース

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遠投が有効なポイントでは餌に工夫を凝らすことになります。

餌はヤドカリとサザエをメインに使用します。その形と大きさが遠投に適しているからです。また、遠投のポイントには餌取りが比較的少ないため、やわらかい餌でも勝負になるというのも選択理由の1つです。とはいえ、あまりに大きなサイズを使用したり、たくさんつけるのはNG。空気抵抗が大きくなって投げづらくなり、ポイントにうまく入らないからです。

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ヤドカリの刺し方は少し工夫を凝らしています。まずツメと足をハサミで切り取り、尻尾から頭に向かってワイヤーを通します。次に切り取ったツメを頭側に2個通してから足を1本通し、最後にゴム管を通して短く切った爪楊枝で止めます。それが仕上がったらツメをハンマーでたたいてつぶします。

この刺し方なら餌がズレにくいうえ、つぶしたツメや足のエキスの匂いによる集魚効果が期待できます。


大型イシダイを釣る確率を高める工夫

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イシダイは光るものに対して警戒心を持つという話を聞いたことで…。

私の仕掛けの特徴としてオモリに色をつけて使用するというものがあります。友人との釣行の際に色を塗ったものと通常のものを比べてみると、色を塗ったオモリを使った仕掛けの方がアタリが多かったからです。釣果にも差が出ました。双方とも実績のあるポイントで竿を出していたのになぜこのような結果になったのでしょうか?

「イシダイ釣りをするとき、餌の近くにキラキラしたものをつけてないだろうな?」と、素潜り漁をしている先輩にいわれたことがあります。そのとき、私は釣りをしない人がなぜそんなことをいうのだろうと首をかしげました。

すると先輩は「デカいイシダイがよく潜んでいる穴の前にキラキラと光る金属の天秤なんかが引っ掛かっていると1匹も寄りつかんぞ。ひょっとしたらモリやカゴを含めた金属類は危険なものと認識してるのかもしれん」というのです。そういえばイケスの中でも鉄の網には魚が近づきません。

さらに先輩は「金属や光る異物を取り除いたところ大型のイシダイが戻ってきた」と教えてくれました。

これは私のホームグランドである紀東方面での話です。他のエリアでも同様のケースが見られるかわかりませんが、実際にそうした傾向があるのなら信じるべきでしょう。そして、この話を聞いてからは仕掛けの中に光るような金属類を使うのを避けることとし、オモリを塗装するようになりました。

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このようにオモリを塗装する方法と、黒いパイプを用いることも効果があると感じています。

塗装方法は鉄骨用の塗料に3~4回ドブ浸けするというものです(1回ごとに乾かすこと)。重ね塗りをすることで塗装を剥がれにくくするわけです。色は海藻に似た深緑色や赤茶色にしています。

天秤はナイロンパイプを短めにした自作タイプを違和感のない黒色にして使っています。オモリやサルカンの色が剥がれ落ちた場合は、できるだけ早い段階で新しいものに交換するように心がけています。

大型イシダイを釣る確率を高める悪条件対策

ここまで解説したイシダイに警戒心を与えないパターンは、少しでも本命らしきアタリがあったり、潮はわるくないものの食い込みがよくないという場合に効果的な方法です。

しかし、そうしたよい状況ばかりではないのがイシダイ釣りです。潮の変化で水温が急に下がった、あるいは潮が動かないなど、本命はおろか餌取りも集まらないという最悪のシチュエーションに出くわすことも珍しくありません。

そんなときはお手上げ状態となりますが、何もしなければ大型どころかイシダイと呼べる魚すら見ることもできません。そのようにわるい状況のときは、イシダイの好奇心の強さを利用するのが得策だと考えています。具体的には前述した警戒心を解く方法とは逆の餌を目立たせるパターンの実践です。それで急にアタリがで始めることも多いものです。

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餌をあえて目立たせる方法を実践することで厳しい状況を打開できることもあります。

方法としては、アタリがないポイントの回りを細かく探り、少しでも高くなった棚やシモリの上に目立つように餌を置くのが有効です(本命の実績があるポイントの近くを探ることが大切です)。カウンター表示つきのリールであればシビアな調整も難しくありません。過去には50㌢のポイントの違いで餌取りの活性が極端に上がったり、本命がヒットしたこともあるだけにカウンターを活用して何十㌢単位の調整を行なうことが大切です。

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カウンターの数値を見ながら餌の置き場所をシビアに調整しましょう。

この場合、オモリの色はヤドカリなどに近い派手な赤やオレンジを使うようにしています。天秤は赤色とし、パール玉も使用して餌の存在をアピールします。こうすることで遠くにいるイシダイの好奇心をあおることができると考えています。

釣果を上げるには魚目線になることも大事

イシダイを釣るには多くのプロセスがあります。その中で潮読みや、仕掛けをポイントに入れてアタリを見るという部分は人間目線ですが、最も重要なのは道糸の先には魚だけが知っている世界があるということです。このため魚の目線になって考えてみることが大切だと私は思います。

厳しい状況だとしても、安くない餌を買って磯に立っている以上は創意工夫を怠らないこと。それがイシダイ釣りの楽しさの1つでもあります。

こんなに苦労しなくても釣れるときは釣れます。ですが、大自然が相手であるためよい条件に恵まれるとは限りません。釣れないときにちょっとした仕掛けの工夫でキャッチできた1匹の価値は計り知れません。

さあ、シーズンはこれからが本番です。みなさんも試行錯誤をして超大型のイシダイがヒットするチャンスを高めて下さい。

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