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渋くなりがちな産卵後のグレの攻略法を解説|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.11

今回は5月の魚の行動とともに、それに合った釣り方についてまとめてみました。この時期のグレは産卵後とあって口を使わないことがあります。ボウズで終わることもある厳しい状況の中、どのようにすれば釣果を出せるのかについて迫ってみましょう。
(カメラ/文 上田泰大)
狙うべきポイントは釣れる魚が教えてくれる!?
現在の地球上にいる生物は、体が大きくて強いものだけではありません。1本の木を見ても小さな鳥がいたり、それらが餌としているイモムシや昆虫などがいます。また、セミの幼虫は木の根元にある土の中、樹液を吸うカブトムシは木の幹、チョウチョの幼虫は葉という具合に、それぞれがいるところは異なります。つまり、環境の棲みわけがうまく行なわれた結果、体の大小や力の強弱にかかわらず現在にいたるまで存続してきたと考えられます。これは「適者生存の法則」といわれ、海の中も例外ではありません。
グレよりも弱いと思われるアカジャコ(ネンブツダイ)やタカノハダイなどが釣れるときは、グレは釣れないとよくいわれます。実際、その周囲にグレがいる可能性は低く、別のポイントを狙うのが得策となります。
このネンブツダイが釣れるときは期待薄です。 ヒダリマキやミギマキもグレが釣れないときに掛かる魚です。 また、オセン(スズメダイ)やトウゴロウイワシ・ボラなどはグレと同様に撒き餌によく反応しますが、捕食するタナがグレよりも上になります。したがって、それらが見られるときは撒き餌で寄せ、その下層を狙うのが有効だといえます。
潮の流れの中にいることが多いマダイが釣れたときは、潮筋を外すのも一策です。 小さいグレは同じサイズで集まることが多いです。 もちろん、何の反応もないこともあります。その場合はグレのつき場を直撃するのが1つの手となります。
以前、夏に海へ潜って見たことがありますが、適者生存の法則の通りにグレはグレだけの群れでかたまって磯の割れ目にいることがほとんどでした。そのことからも割れ目などのつき場を直撃するイメージで狙うのが有効だといえます。
産卵に入る春はグレが釣れない!?
「春は産卵に入るのでグレは釣れない」とよくいわれますが、心配する必要はありません。すべてのグレがいっせいに産卵するわけではないからです。
この時期は集魚力と遠投を兼ね備えた撒き餌で挑むことが多いです。 この産卵時期の誤差も自然界に存在する法則の1つです。チョウチョを例にあげると、サナギから羽化するまでがすぐのものや、何カ月もかかるものがいます。いっせいに羽化しないのは、台風などの自然災害によって絶滅することを避けるためだと考えられます。この点についてはグレも同じであり、産卵する時期は群れによってかわると思われます。
まったく釣れないわけではありません。狙い方しだいで十分に楽しむことができます。 産卵するグレが最も多いのは、水温が最も下がるタイミングだと考えられます。というのも、水温が最も低いときは、卵や孵化した稚魚を狙う魚の動きが鈍いうえ、食欲があまりないと思われるからです。
産卵期は普段狙わない場所にも注目すべき!!
数年前の5月に和歌山県の串本の磯で行なわれたジャパンカップグレの予選でのできごとを紹介しましょう。
釣れないときは磯の周辺をよく観察しましょう。そして、可能性がありそうな変化はどんどん狙うべきです。 当日はサバだらけで規定のサイズである25㌢以上のグレがなかなか釣れない状況でした。何とか釣ろうと磯の回りを見渡していると、湾奥に海藻が生えている浅場がありました。この時期には誰も狙わないようなところですが、産卵の時期にはよい結果が出ることがあります。
産卵を意識したグレが残ってないかイチかバチか狙ってみたところ、ポッテリと太った40㌢弱のグレがヒット(5月ながら白子が垂れていました)。この1匹のおかげで予選を通過できました。
誰も狙わないようなポイントでこのような良型が出ることもあります。時期的な固定観念も捨ててアプローチしてみて下さい。 冒険的なアプローチで釣った1匹がトーナメントにおける勝負の行方を左右することがあります。 このように、釣れないときはグレの居場所を捜しながら普段やらないことにもチャレンジすべきです。そうすることで新たに気づくことがあるなど、今後に生きる釣れるパターンの引き出しを増やすことにつながります。
普段見逃すポイントも狙う価値があります。 思いがけない釣果が期待できる誰もやらないポイントやタナを狙う釣りをぜひ試してみて下さい。
タックルデータ
撒き餌
※マルキユー製品グレパワーV9徳用 遠投ふかせTR 爆寄せグレ グレパワーV11 刺し餌
※マルキユー製品くわせオキアミスーパーハード — くわせオキアミV9 — くわせオキアミスペシャル — 竿 シマノ・BB-XSPECIAL SZII 1.2号485/520 リール シマノ・BB-Xハイパーフォース2500DXG
※リンクは17年モデル道糸 東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.5号 ウキ ソルブレ・PFフカセM00 —ハリス 東レ・スーパーL EXハイパー1.2号 ハリ ハヤブサ・鬼掛 極軽グレ5号 ハヤブサ・鬼掛 軽攻めチヌ1号 【上田泰大プロフィール】
釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。
年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。
■ブログ:グレトーナメント全国制覇への道
■youtube:上田TVこちらの記事も要チェック!!日本グレトーナメント優勝!! 勝ち抜いた戦術を解説|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.7
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