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寒グレ期に良型を獲るなら身につけたい。細仕掛けを生かすファイト方法を再点検

寒グレ角度8

グレとの接触が少なくなる寒グレ期は1匹との出合いを大切にしたいものです。アタリを確実にものにするためには、やり取りの方法を今一度見つめ直すことも必要でしょう。その方法に迫ってみましょう。

(文:武田一平)

グレに口を使わせることを優先した仕掛けで挑む

グレは学習しながら成長する魚です。よく釣れる木ッ葉サイズでさえ群れの仲間が釣り上げられ、自らも危険な目にあうとハリやハリスがついた餌に警戒心を抱くようになります。そうなると安全な住み家から大きく離れて捕食しないようになります。その行動は大きなグレほど顕著です。

そして、警戒心が強くなったグレは、撒き餌は食べるものの違った動きをする刺し餌を口にしなくなります。食いが立てばやり取りに余裕を持てる太ハリス+大バリの仕掛けでも食うことがありますが、そういう状況に出合うことは多くありません。むしろ厳しい条件になることが多く、状況に合わせた仕掛けの交換が求められます。グレの食いがわるいようなら、刺し餌を自然にアピールできるように自分の技量と相談して目前の状況を釣りこなせる最低限の細いライン、小バリを使用するのが得策となります。

寒グレ角度4
寒の時期には、良型のグレに口を使わせるために細い仕掛けを駆使しなくてはならない場面が多くなります。それでもきちんと取り込めるようにやり取りの方法を覚えておきたいものです。

魚のサイズが大きいとラインが切れたり、ハリがはずれてバレる確率が高くなりますが、バラさないとやり取りはうまくならないものです。そう考える私は魚に与える違和感を軽減するために仕掛けをできるだけ繊細にします。とにかく掛けることを優先した仕様で挑むわけです。

釣り上げた魚とのやり取りは記憶になくても、大グレをバラしたときのやり取りは忘れることはないはずです。そのときの失敗を振り返ってタックルバランスや、ラインとハリの強度を体で覚えれば竿さばきが改善されると思います。

話がそれましたが、バラシのリスクが高い細ハリスで大グレと渡り合うには力まかせではいけません。引っ張り合うのは最後の最後、イチかバチかのとき以外にはありません。

大切なのは魚を怒らせず、暴れさせないこと。それには竿の反発力を生かし、魚が泳ぐ方向へゆっくりとやさしくついていくような竿さばきが求められます。

細仕掛けでグレを手にするやり取り方法

寒グレ角度2
魚の引きに合わせて竿の角度を調整することが大切です。強引なファイトは禁物です。

まずは竿が曲がる方向や、ウキが入る角度から魚が泳ぐ方向を確認します。そのうえで竿の角度が垂直にならないように海面に対して水平から斜め45度に傾け、魚が右に泳げば右、左に突っ込めば左という具合に竿をさばきながら弱らせて浮かせます。

具体的な流れとしては…
竿の1〜2番節の先端部を利用するイメージで斜めに合わせる。
グレの口にハリが掛かれば3〜4番節を体の後ろ側にくるまでしっかりと曲げて魚を引き寄せる。
以降は2番節の曲がり具合を見ながらこちらが有利になる方向にグレを誘導する。
…という具合です。

このやり取りで特に重要なのが竿の保持角です。竿がのされてまっすぐになった状態はアウト。魚の力が仕掛けに直接かかり、ラインブレイクの確率が一気に高まります。このためやり取りの最中は竿が曲がった状態をキープすることを意識することが大切です。

竿の保持角の目安は、締め込みに耐えるときは45度、魚を浮かしにかかるときは45度以上。竿尻が魚の方に向くまで竿を起こし、竿が起きたぶんだけリールで糸を巻き取るのがやり取りのコツです。

寒グレ角度5
寒グレ角度3
魚を浮かせるときはしっかりと竿を起こしましょう。

注意点は急がないこと。魚を早く浮かそうとしてリールをむやみに巻かないようにしましょう。強い締め込みに襲われて竿がのされそうになれば竿の角度が45度ぐらいになるまでラインを出すことです。

とにかく、ゆっくりと時間をかけて魚を怒らさないことが大切です。そうすれば繊細な仕掛けでも大グレを取り込めるようになるはずです。

グレのアタリを明確にだすための角度について

アタリを多くだすには的確なタナ合わせと、仕掛けに余計な抵抗がかからないようにすることが重要です。グレがいるタナにウキ下がきちんと合っていても道糸が弧を描いたり、ウキが先行することで、餌を捕食するグレの動きに仕掛けの角度が合わなければ大グレの小さなアタリをとることはできません。

また、糸フケは小アタリを吸収してしまうため、アタリをとるためのウキやナビなどの目印から穂先までのラインは一直線の状態を保つことです。そうすればわずかにでるアタリもとらえることができます。

上下運動で活発に餌を捕食していれば明確なアタリがでますが、大きなグレに関してはその限りではありません。ウキが少し入って止まったり、わずかに傾く程度のシビアなアタリ、あるいは波紋での反応しかでないこともある横方向での捕食をすることがあります。この傾向は毎日のように釣り人が上がっている磯ほど顕著です。それらのアタリをとるには竿先で聞いて合わせるか、瞬時に掛け合わせるかの2パターンがあります。どちらを選択すればよいかはそのときの状況によってかわります。

最後に、グレが餌を捕食するために動く角度と仕掛けの角度について。

寒グレ角度7

2ヒロのタナで餌を食っていても捕食運動の幅が狭く、角度が緩ければ3ヒロで仕掛けを張らないとアタリがでないことがあります。そうした状況に対応するには、魚が出てくる位置、流すときのウキと仕掛けの位置、張ったときのウキの傾きの角度に注意し、魚から刺し餌が点に見えるような角度を求めていろいろと試すことが欠かせません。

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