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【寒グレ】好釣果を上げる要点はタナ設定!! 深ダナを意識した実践的プロセスを追求
10ヒロ以深のタナでもグレは食いますが、フカセ釣りの基本といえる撒き餌と刺し餌の同調をはかれているかというと疑問です。フカセ釣りで〝釣った〟にこだわるならタナをきちんとつかんでアプローチしたいものです
(文:中谷仁司)
1月中旬は寒グレシーズンの真っ只中であり、良型グレが上がったという情報が各地で聞かれるようになります。その反面、1日を通して数えるほどしかアタリがなかった、という寂しい話がたくさん聞かれるのも寒グレ期の特徴です。
そのような不安定な状況の中でよりよい釣果を上げるために欠かせないのがタナ取りです。そこで、ここでは水温の上下によるグレの活性、地形的な要因、時間的な要因(時合)などの各状況におけるタナ(ウキ下)の決定方法や調整方法について紹介させていただきます。
寒グレ期は臨機応変のタナ設定が重要!!
この時期は浅ダナや深ダナといった言葉をよく耳にしますが、タナの定義は人によって違いがあるかと思います。私の場合、たっぷりと水深があるポイントでは5ヒロ程度までを浅ダナ、それ以上を深ダナ、水深がないポイントではグレが見える範囲(3ヒロ程度)を浅ダナ、それ以上を深ダナと考えています。
フカセ釣りでグレを狙うとなればタナ(ウキ下)は自ずと限られます。10ヒロ、15ヒロといったタナ取りも可能ですが、そこで撒き餌と刺し餌を同調させるのは至難の業です。たとえそのタナでグレが食ったとしても〝釣った〟ではなくて〝釣れた〟という印象が強いため価値は半減します。やはり私は〝釣った〟を求めたいと考えており、フカセ釣りの基本である撒き餌と刺し餌の同調を意識したタナ設定を重視しています。
そのタナ設定を考えるにあたって覚えておきたいのが、魚類にあるといわれている適水温と生存温度です。水温が低下して適水温の範囲外となればグレの動きは極端に鈍ります。口太グレの適水温は15〜23度、尾長グレはそれにプラス2度程度といわれています。魚類は変温動物であるため水温の急激な変動についていけず、ある程度安定していないと行動できないことを覚えておかなくてはなりません。
以上のことから水温の変動が激しくなるこの時期は、水温が安定する深ダナ狙いが基本となるといえます。ただ、低水温であっても3〜4日ほど変動なく安定していればグレの活性が上がり、思いのほか浅いタナで撒き餌を拾うことがあるため柔軟な対応が求められます。
寒グレ期に行ないたい実践ノウハウ
この時期に私が実践しているノウハウを紹介しましょう。
撒き餌作りについて
釣り場にもよりますが、1日の釣りなら生沖アミ9㌔に集魚材3袋を混ぜ合わせたものを使用します。
混ぜる際は沖アミの粒をあまりつぶさずにざっくりとバラけさせることから始めます。次に沖アミがヒタヒタになるまで水を加えて5〜10分ほど放置します。沖アミが十分に水分を吸収したところで集魚材を加え、まんべんなく混ざったら水を加えてかたさを調整します。
何気ない撒き餌作りですが、重要なポイントが1つあります。それは沖アミに水を含ませてから配合餌を混ぜ合わせるという点です。空気が乾燥しているこの時期は、時間の経過とともに撒き餌の水分が奪われます。配合餌にも吸収される沖アミの水分の減り具合は特に早く、やがてカラカラになったものが目立つようになります。そのような沖アミは沈まずに海面を漂います。打った撒き餌に鳥が集まるのはそうした沖アミが混じっているからです。もちろん、それでは狙いのタナに撒き餌を届けることはできません。
刺し餌に関しては、グレが吸い込みやすい小粒にこだわっています。生沖アミの他、Sサイズの加工タイプの沖アミを餌取りの動きに応じて使いわけています。また、食いが渋いことが多い時期とあり、大きめの生沖アミをムキ身にして使用することもあります。それが非常に効果的な場面もあるため用意しておきたいものです。
仕掛けについて
仕掛けはいつでも浅ダナに対応できるように、約15㍍取ったハリスの中にウキを入れるパターンとしています。こうすれば道糸を切らずに10ヒロ程度のタナまでウキ下を変更することが可能です。
深ダナ狙いの場合はオモリ負荷の大きなウキを多用するためウキ止め+シモリ玉が必須となります。しっかりとタナを取ることで寒の時期に多い小さなアタリを拾いやすくなります。
そして、寒の時期はグレになるべく違和感を与えないようにウキ調整用のオモリはウキゴムの直下に打つようにしています。ウキ下のハリスにはできるだけ打たない方がよいでしょう。
ハリは吸い込みを重視し、短軸のタイプ(5〜7号)をメインに使用しています。
寒グレ期の条件、状況別の戦略
潮流や風などの影響で海況は刻一刻と変化します。特によくあるのが潮流による水温の変動です。ここではタナ変更の判断基準となる水温変化の目安を3点ピックアップしてみましょう。
水温が上昇したと判断できるケースは次の通りです。
①それまで見えなかった餌取りが磯際に急に現われる。または見えている餌取りが沖に出る。
②触った刺し餌やハリスがそれまでよりも温かく感じられる。
③透き通っていた海水の色が濁る。
水温が下降したと判断できるケースは次の通り。
①餌取りの動きが緩慢になる。または姿を消す。
②触った刺し餌やハリスがそれまでより冷たく感じられる。
③海水の色が澄む。
以上の点から水温が上昇したと判断した場合、グレの活性の上昇が考えられます。底付近で餌を拾っていたグレが撒き餌につられて浮上し、大胆に餌を拾うことがあります。そのときに深ダナの設定なら3ヒロほどまで一気にウキ下を詰めて状況をうかがいます。それで刺し餌が残るようであれば50㌢単位でウキ下を詰め、刺し餌が残ったり取られたりするタナを捜します。
一方、水温が下降したと判断した場合は現状よりも3ヒロほどウキ下を深くします。そこから刺し餌が残ったり取られたりするタナを50㌢ずつウキ下を詰めて探ります。
いずれの場合も最終的には10㌢単位の調整を行なって、よりよいアタリので方に近づけていきます。
なお、居食いすることも多いこの時期のアタリはかなりシビアであることが多くなります。比較的浅いタナにグレが浮くときは、小さなアタリをとりやすいカヤウキなどを使用した二段ウキ仕掛けでアプローチすることも考慮したいものです。
また、タナを深くするときはシモリ玉を必ず入れること。きっちりとタナ取りをしてアタリボケを解消しましょう。
寒グレ期の最終手段は?
前述の判断でタナ(ウキ下)を変更しても釣れない状況ももちろんあります。底層まで水温が下がっているときなどはグレはおろか餌取りすら見えないものです。
そのように反応が極端にわるいときは、1号程度の中通しオモリを使用した仕掛けでグレがジッとしていると思われるつき場を直撃するパターンを駆使することで、アタリがでる可能性が高まります。この場合、2〜3ヒロのハリスをサルカンを使用して道糸と結束します。また、ハリスにはオモリを打ちません。
狙い目は撒き餌が溜まりやすい沖のシモリや潮目など。そこへ仕掛けを投入し、底まできくようによく練り込んだ撒き餌を打ち込んでアタリを待ちます。
これで状況が好転しなければ少し一服。餌をいったん切ってポイントを休めます。釣れないときは撒き餌を打ち過ぎる傾向がありますが、寒の時期はそれが逆効果になることもあります。仕掛けをチェックしたり、ハリスやハリを交換しながら潮がわりを待ちましょう。アタリが少ないこの時期に確実に1匹を取ろうと思えばそうした時間もムダにしないことが大切です。
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