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トーナメンターが語る後半戦のキス引き釣り戦略 Part1
トラブル回避の対策が不可欠
本格的に秋ギス釣りが楽しめる状況では、比較的手前(30㍍以内)に多くのキスが群がっているものです。その中で特に魚が溜まりやすいのが海底に溝状の変化がある場所です。まずはそこに注目して効率よく釣ることを考えます。
溝のポイントを攻める場合は潮の流れに乗せて仕掛けを運び込むパターンがメインとなります。溝の大きさや潮の速さによっていろいろと考えたい部分もありますが、最大のコツは仕掛けを長く止めないようにすることです。1匹食いつけば回りの魚も食いが立つという状況だと、むやみに仕掛けを止めてアタリを待つと掛かったキスがバナナ状態になりやすいからです。そうならないように、食いのよいときほど仕掛けのトラブルが起きにくい攻め方で手返しよく釣ることを考えましょう。
また、波打ち際主体に狙うときのコツとして、仕掛けと魚を暴れさせないようできるだけていねいに釣ることを心がけたいものです。非常に難しいことですが、これをきわめると数釣りがさらにおもしろくなります。ポイントが近いのでキスのアタリはバンバン、ビンビンと激しく伝わりますが、それを楽しみながらできるだけ我慢して1匹でも多くのキスをハリに掛けていくことが大切です。
私の師匠の1人、現役時代に波打ち際の魔術師ともいわれた名手である松本恒夫さんは誰よりも多くキスを釣り上げる姿をよく見せて下さいました。そして当時の私といえば「アタリが多い割にキスが掛かってない!!」とか「カラミが多いせいで陸に仕掛けがある時間が長過ぎる!!」と、師匠のお叱りばかり受けていました…。
今、あのときの私にアドバイスをするとしたら「キスのアタリに惑わされるな。自分を信じて自分の釣りをしなさい」でしょうか? そんな感じで釣ることができれば釣果は自然とのびてくるように思います。このあたりの感覚は人に教わってもなかなか身につきません。実践でキスに教えてもらう方が学ぶことが多いものです。トラブルなく最高の効率で掛けていくことをテーマに、とにかく数を釣るのが一番の勉強法といえるでしょう。
なお、最近は数え切れないぐらいの天秤の選択肢があります。感度のいいオモリでアタリをとるのも楽しいですが、秋ギスに関していえば故意にアタリを感じにくいようにして数を狙うスタイルをおすすめします。その方が理想的にキスを掛けていく感覚をつかみやすいと思うからです。私はナイロンの力糸を使用していています。おそらくPEの力糸を使う方々に比べていくらか感度が鈍い釣りをしていることになるでしょうが、それぐらいの方が釣りやすいように感じています。
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