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盛期のキス、勝負を決める5投とは?【本格派キャスター・サーフでの作戦】
多バリを備えた〝1投多魚釣法〟で効率よく!!
投げ釣りで数を追求するならキスの魚影を判断しやすい多バリ仕掛けが有利。群れの密度が濃いエリアを素早く見つけて満艦飾の手応えを何度となく味わいたい!!
(文:松尾幸浩)
【釣り場考察】川と磯場がからむサーフに注目!!
私の場合、過去に3ケタ釣りを達成した実績場の中から狙う釣り場を絞り込む。その結果、必然的にサーフの釣り場となるわけだが、よく釣れる場所には川の流れ込みがあるという共通点がある。おそらくは川の上流から流れてくる豊富な餌が魚影の濃さに繋がっているのだろう。ただ、釣行前に降雨が続くと、キスを沖に移動させる濁りが入るうえ、ゴミが多く流れてくるなどのマイナス面もある。
サーフということでいえば、総体的に浅いことから波の影響を受けやすいというネックがある。波高は1㍍が限度と考え、波を起こす要因となる風の動向にも注意が必要だ。
また、海底にシモリがない平坦なサーフでは網入れの可能性がある。このことから川とともに網入れができない磯場の存在も意識したいところだ。
以上のことから、磯場が両サイドにあり、藻場やシモリが点在しているサーフがキス釣り場としてベストだといえる。そうしたところはキスの群れが集まりやすく、魚影の濃さが常時期待できる。ただし、シモリが多過ぎると根掛かりが多発するだけに、サビくことができるというのが釣り場選びの大前提となる。
【成功に導く勝負の5投】
扇状に投げわけてテンポよくサーチ!!
今後はキスの数釣りのピークを迎える。テクニックをきわめれば束釣りも十分に可能だ。そんな好釣果を上げるために、ここでは「最初の5投」にこだわってポイントの見きわめ術を紹介したい。
最近の関西の傾向としては浅場、近場での釣果が目立っている。これはうれしい面もあるが、いいかえれば誰でも釣れることから魚影が薄くなっている可能性もある。そんな中で数を釣ろうと思えば、やはり3色ライン(75㍍+力糸)を重点的に探りたい。
そのためにはタックルは投げ専用を用いたい。竿はやわらかめの27号クラス、リールはトーナメントサーフ45のような本格仕様がおすすめだ。この組み合わせなら自重が軽く、キャスト回数の多さからくる疲れが軽減できるというメリットもある。
そして、数釣りの場合は〝1投多魚釣法〟が絶対に有利であるため、反応のよしあしを素早く判断できる10本バリ仕掛けで挑むのがおすすめだ。
では、以上のタックルを用いた5投の考え方を解説しよう(以下は右から左へ潮が流れるシチュエーションを例にあげて解説)。
【1投め】正面の状況を探る
正面の3色付近へ軽くキャストする。着底後はすぐに糸フケを取り、カケアガリの位置やシモリの有無などを確認しながら超スローで波打ち際までサビいてアタリを探る。アタリがでれば色わけされたラインでおよその距離を把握するが、1~2匹程度の反応では心許ない。5本以上のハリにキスが掛かるところがポイントとして有望だ。
足もとまで探りきれば近ごろよく見られるトロ藻(トロロ昆布のような海藻)がオモリや仕掛けについていないかよく確認すること。それがハリに付着すると餌が隠れてキスが食わなくなるため、その時点で場所の移動を考えたい。
また、釣れなくても餌が取られていれば以降に期待が持てるが、きれいに残っているならキスがいないと判断して場所を移動する。
【2投め】右斜めの状況を探る
右斜め(潮かみ)3色付近へキャストして底の状態を探る。斜めに仕掛けを引く方がカケアガリを長く探ることができるため、1投めよりは多くのキスが釣れるはずだ。このとき潮が流れている場合はサビかずに潮に任せて流すように釣る。
【3投め】左斜めの状況を探る
左斜め(潮しも)3色付近へキャストする。潮が右から左へ流れていれば、その抵抗を感じながらできるだけゆっくりとていねいに仕掛けを引く。その条件であれば潮流を受けて仕掛けがまっすぐになるうえ、潮かみ(右)に向けて餌を追うキスとの接点が多いコースを引けることから群れがいればハリの数だけ釣れることも多い。
【4投め】正面の沖めを探る
正面へフルスイングして5色付近(125㍍+力糸)へキャストする。このときも超スローでサビくが、1投めに3色から波打ち際まで探っていることから2色(50㍍)サビいたら巻き取る。これで沖合に約140㍍と左右に約200㍍(ともにテーパーライン含む)という具合に広範囲を探ったことになる。
【5投め】最も反応がよかった場所をしっかりと探る
最も数が釣れたポイントへ再度投入する。たとえば、左斜めのキャストで得た7連の釣果が1番よいなら、そこにキスが群れていると判断して同じように探る。これで6~8連と数が釣れれば、じっくりと粘って数を稼ぐ。
期待して探ったものの5連以下であればキスの群れが薄いと判断して移動する。この際、潮の流れに合わせて潮かみへ移動することが大切だ。右から左へ潮が流れていれば右側へ200㍍ほど移動する。
移動後は再び正面と左右を同じように探る。それでも結果が出なければさらに200㍍ほど右へ移動する。
実績とデータに基づいて選択した釣り場であるだけに、よほどの悪天候にならない限りキスの群れはどこかにいるはずだ。「キスは足で釣れ」の格言通りに順を追って探れば好釣果が上がるはずである。
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