盛期のキス、勝負を決める5投とは?【本格派キャスター・磯場での大型狙いの作戦】 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

盛期のキス、勝負を決める5投とは?【本格派キャスター・磯場での大型狙いの作戦】

キス釣り5投 投げ釣り地磯5

置き竿&引き釣りの併用で
磯回りに潜む大型を手中に!!

型物を狙うなら砂地帯の磯回りに要注目。違和感なく餌を食わせられる置き竿とともに、情報収集能力に長けた手持ちスタイルを併用すればヒット率は急上昇!!

(文:生田隆博)

【釣り場考察】サーフと水道部がからむ地磯が注目!!

私は地磯に目をつける。磯場とはいえ底が砂地であることが前提となるため、近くに海水浴場のようなサーフがあることを選択の目安としている。そのようなロケーションにはシモリの他に、キスの隠れ場所となりうる密生した海藻が見られることが多く、濃い魚影が期待できる。

そのうえ、釣り座の200㍍以内に島や沈み磯がある水道部であればさらに期待度が上がる。そうした地形は、それぞれを結ぶ線上こそ浅いものの、両サイドは徐々に深くなるカケアガリが形成されていてキスの溜まり場になることが多いからだ(水深は10㍍未満が理想であり、20㍍を越える深場は避けたい)。

キス釣り5投 投げ釣り地磯4

そのようなポイントでは潮かみに投入し、仕掛けが止まるところを探る。このためある程度の流れが必要である。

そして、釣り場選びで最も大切なことは夜釣りでも安全を確保できるフラットな足場を有していること。前下がりの勾配がきつい場所は海への転落の危険性が高いためエントリーを避けることだ。

【成功に導く勝負の5投】勝負をかけるまでのポイント精査が重要!!

5投での情報収集方法を紹介するにあたり、まずはタックルと餌を紹介しておこう。

オモリは遠投を駆使することから仕掛けが流されてもからみにくい固定式天秤を使用する。また、障害物が多い磯場を狙うことから道糸にナイロン3号(交差するとからみやすいPEは使わない)、モトス5号、ハリス3号というシステムに1㍍ほどの2〜3本バリを合わせた全体的に短い仕掛けを用いる。餌は、日中はアオイソメかイシゴカイ、夜はチロリかマムシを使いわける。

そして、サイズを意識した私の場合、前述のような場所にて30号クラスの竿を3本用いて置き竿&引き釣りを併用して狙う。そのため3本の竿を用いたワンサイクルを1投として話を進めさせていただく。

キス釣り5投 投げ釣り地磯3

【1投め】目標物(島や沈み磯)の潮かみに投入して流れを読む

まずは可能な限り遠投をする(対岸との距離が近ければ中間地点よりもやや沖へ投げる)。オモリが着底してからも送り続けた糸が止まったところでリールのベールを戻して糸フケを取る。この時点で魚がいるであろうポイントに入っているためサソイは不要だ。

そのまま竿を置いて10分ほど様子をうかがった結果、本命でなくともキューセンやテンコチが釣れれば期待十分と考えて2投めに入る。その点、イソベラやカサゴが釣れれば期待薄だ。それらが釣れるということはキス狙いには適さない底の荒さであると考えられるため、場所をかえることを考慮する。

また、仕掛けがまったく止まらないほど流れが速いときは2投めから投点を徐々に近くして対応するが、潮止まりでもないのに仕掛けがまったく流れなければ釣果は期待できないので場所を移動する。

【2投め】底の状態を探ってキスの居場所を捜す

1投めで釣れた、または餌が取られた場所に1本めの仕掛けを投入し、その潮かみに投点を少しずらして2本めの仕掛けを投入する。そのうち1本めはそのまま置き竿にし、2本めは引き釣りで探る。

引き釣りの方は、巻き取り時に抵抗がなければ20秒でリールのハンドル1回転ぐらいのスロースピードでサビき、重みを感じたら5分ほど止める、という操作を繰り返す。あまり近くまで探ると障害物に仕掛けが取られるので30㍍付近まで寄せたらピックアップする。

キスがいればこの時点でどちらかの竿にアタリがあるはずだ。それでキスが釣れれば、そこを狙って3投めを行なう。

キス釣り5投 投げ釣り地磯1

置き竿と引き釣りを併用して広範囲を探っていく。

【3投め】メインポイントを確定する

2投めまでで所要時間は30分ほど。この時点でキスに出合えたらラッキーだが、そう簡単にはいかない。キスの群れが小さくてたまたま釣れたということもあるため、引き釣りを続けてキスが群れる場所を確実に探り当てることを考える。キスは25㌢を越える大型になると単独で行動するケースが多いだけに、22㌢ほどの良型が連で釣れる場所を見つけたい。

【4投め】キスの居場所をつかんだらハリの数を増やし、餌を小さくつけて釣る

そして、これからが数を稼ぐテクニックになる。

まずは仕掛けを全長1.5㍍の3本バリにかえる。平均サイズが大きい磯で釣れるキスがハリ掛かりしたのちに暴れると、仕掛けがダンゴ状態になって手返しがわるくなることからハリは3本に留めておくのがベターだ。

キス釣り5投 投げ釣り地磯2

このクラスが暴れると仕掛けの絡みが多発する。手返しよく攻めるためにハリ数は少なめにしておきたい。

餌はアオイソメやイシゴカイなら頭を取り、動きのいい尾の部分だけをハリいっぱいにつける。

そして、ポイントを直撃するとキスが散るため、20㍍ほど先に投入して引き寄せるという方法で狙う。その際、ポイント付近の10㍍前後は3匹に餌を食わせるために特に時間をかけて探る。キスが餌を追う姿をイメージしながらゆっくりとサソイをかけたい。そのように想像力を高めて釣れば、キスの性質に合った巻き取り方法が自然と身につくはずだ。

アタリがあっても合わせる必要はない。餌が小さいうえに固定式天秤を用いていることから向こう合わせでハリ掛かりするからだ。3回めのアタリがあるまで静かに巻いては止めるという操作を繰り返す。そして、ポイントを通り過ぎたらすみやかに巻き取って次の投入を行なう。

【5投め】サブポイントを捜す

同じポイントを攻め続けると、いずれ群れが散る。そのため3つめの仕掛けをまったく違う方向に投げる。海藻の切れ目に投入するのもいいだろう。なお、この時点で潮がかわっているようなら1投めからやり直す。

5投め以降にアタリがなくなればどんどん移動する人も多いだろうが、再び回遊してくるのを待つのも一手だ。その判断を間違わないために1~2投めに行なうポイントのサーチをおろそかにしないことだ。

ポイントを見切るのは底が岩礁のように荒いときのみとし、砂浜近くに小移動する。砂浜に近づくにつれて型は小さくなるが、数が稼げることがある。引き続き型を狙うなら同じ磯場の中で釣り座を移動するのもいい。

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