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【投げ釣り】遠投でつかむ夏魚の連発 Part.1 キス+α/南紀エリア

遠投夏魚1-5

ターゲット:キス+α/エリア:南紀

わずか数十㍍の投点の違いで
キス+αに出合えるチャンスが拡大!!

投げ釣りにおいて飛距離は大きなアドバンテージとなる。わずか20㍍の飛距離の違いでも探れるエリアに大きな差が生まれることを考えると遠投を意識しないわけにはいかない。たとえば、大型のキスを狙いつつマダイやクロダイも期待する場合は…

(文:脇阪由憲)

遠投スタイルの利点

投げ釣りはその名の通り、仕掛けを遠くに投げて魚を釣る方法である。魚群探知機でポイントを捜す船釣りと違い、魚の回遊を待ち受ける釣り方となる。ということは、広範囲を探るほどに魚にめぐり合う確率が高くなるわけで、仕掛けを遠くに投げられるほど有利ということになる。

たとえば、120㍍投げる人と100㍍投げる人が狙える面積を比べるとわかりやすい。120㍍×120㍍×3.14÷2(半円)=22,608平方㍍と、100㍍×100㍍×3.14÷2=15,700平方㍍となり、6,908平方㍍という面積の差が生まれる。この差をわかりやすく畳の枚数で表現すると、およそ4,200枚分にもなるのである。わずか20㍍の飛距離の差でこれほどまでに探れる範囲がかわると考えれば、飛距離をないがしろにはできないだろう。

私自身、以前はキャスティングが苦手であった。「投げ釣りに飛距離なんて関係ないわ!!」と考える時期があったが、上記の数値を知ってからは考え方が一変した。また、キャスティングに長けたクラブメートのO氏、K氏とともに磯に上がったとき、快調に釣る両氏に対して私はポツポツという結果に終わり、わずか10㍍ほどの飛距離の差で釣果が大きくかわることを痛感した。

もちろん、近投でよく釣れることもあるし、遠投が不要な魚もいる。しかし、遠くに投げられる技術を持つことは投げ釣りにおいて大きなアドバンテージになるのは間違いない。

5~6月に私がよく釣行する紀北~南紀エリアも遠投が有利な釣り場やターゲットが多い。紀ノ川のチヌやキビレ、海南のキス、田辺のマダイ、南紀のキスとマダイの他、個人的に釣ったことがない煙樹ケ浜のチヌなどは遠投が有利とされている。いずれも沖にある魚の回遊ルートや根回りに仕掛けを投入することで、近投よりもひと回りもふた回りも大きなサイズを手にできると実感している。

近ごろのラインは強度に優れており、細号柄の使用によって飛距離アップをはかることができる。カケアガリがキツいところや根が多いところでは信頼度の高い号数が必要だが、障害物が少ないところであればドラグを有効に駆使することで大物とのやり取りも可能だろう。

〈アプローチスタイル〉
大型のキスを狙いつつ
マダイ&クロダイにも期待

ターゲット考察

遠投のターゲットとしておもしろいのは何といってもキスである。キスに関しては遠投=数釣りと考える方も多いだろうが、私は違う。大型のキスを中心にマダイやクロダイも期待するスタイルで楽しんでいる。

遠投夏魚1-1

大型のキス狙いでも遠投スタイルが有利になる。

5月以降は夜釣りで狙うことも多い。遠浅の砂浜や、その近くの波止から遠投で狙える距離に餌を求めた大型魚が入ってくると考えられるからだ。特に警戒心が強い大型のキスは沖めに生息していることが多いだけに、射程圏に入ってきやすい夜間はチャンスだといえる。

遠投するためにはラインは少しでも細い号数がいいが、それで根掛かりが激しいところを釣るわけにはいかない。したがって、基本的には砂地に根が点在するところを狙うことになる。また、足場にしても磯のように不安定なところよりもしっかりと踏ん張れる波止や砂浜をチョイスする方がよい。

条件考察

条件面に関しては釣り場によって好不調があるため一概にはいえないが、紀北~南紀については中~大潮の下げの時合を狙うのがよいように感じている。実際、紀ノ川では下げ始めから干潮前までの時合しか狙わないという人もいるほどである。ただ、こうした時合の傾向はデータ上のことである。すべてを鵜呑みにするのではなく、何度か釣り場に通って自分なりによいと思える潮回りを見つけたい。

この他、天候については投げ釣りでは大敵といえる風を気にかけ、強い向かい風が吹く日は安全面からも釣行を控えた方がよい。また、大雨後は水潮になりやすく、フグがわいて釣りにくくなることを覚えておきたい。水潮になりそうなほどの降雨であれば釣行を控える方がよいだろう。

餌&タックル考察

使用する餌は、この時期は何といってもチロリがはずせない。他の虫餌よりも弱くて切れやすいという難点があるが、頭の部分に切り目を入れたり、頭部を少し切り落とす加工を施してできるだけたくし上げるようにハリにセットすればフォローできる。

遠投夏魚1-2

竿は長めの425が標準だが、自分の体格や力に合わせて投げやすいものを選択すればよい。中には力がないのにAX(38号)やBX(33号)を使っている人がいるが、竿全体にオモリの重さが乗った状態で振りきれなければパワーが生かされずに飛距離はのびない。かたければ飛ぶというものではないことを覚えておきたい。

道糸はナイロン3号をメインに使用している。PEを使うなら1.5~2号を選択する。

ハリはスピニングBスペシャルの13~15号(個人的には12号は使わない)。それに合わせるハリスは3~5号。タイ系の乱入もあるので5号を使うことが多い。

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