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【アユ】連発を求む初期の秘訣 Part.2 習性ごとに適した釣りの展開が不可欠
習性ごとに適した釣りの展開が不可欠
ナワバリを持っている野アユは石回りを狙うのが基本パターン。それに対して群れるアユは、逃げても止まる大きな群れに目をつける、ハリが掛かりやすい層にオトリを泳がせるなど、少しでも要領よく釣ることを意識することが大切。そうして習性に適した釣りを展開すれば初期はもっと楽しくなる!!
(文:下田成人)
〈初期の基本パターン〉
石回りをテンポよく探るのが基本パターン
初期に狙い目となるのは早瀬や、水深が豊富な場所にある大石や岩盤の回りなどである。いずれも石回りにオトリを止めながら探っていくのが釣り方の基本であり、水温が低くてアユの追いが弱いシーズン初期は30秒から1分程度止めて反応をうかがうのが有効だ。止めるといってもまったく動かさないのではなく、少し持ち上げたり、少し引いて止めるといったサソイをかけながらじっくりと探っていく。
手順としては、まずは石裏でしばらく泳がせる→反応がなければ石の横、頭という具合にオトリを引き上げて探る→追いがなければ次の石にオトリを誘導する、という具合である。このサイクルで野アユの反応を探っていくわけだが、水温の上昇によって状況が変化することもあるため、朝一番に反応がなかった場所に関しては時間をおいて再び探りたい。
そして、初期は1個所での釣り返しがあまりきかないため、釣れたポイントだとしてもむやみに粘らずに移動する方が好釣果に繋がると思う。また、オトリが体力のない若アユであるなら状況に応じて背バリやオモリを駆使することも考慮したい。
〈群れアユ対策〉
掛かる野アユを見つけることが先決
ナワバリを持ったアユが相手なら以上の釣り方でいいが、群れる傾向が強い人工産が相手の場合は別の手段を講じなくてならない。
まず、群れアユとひと口にいっても比較的釣りやすい群れと、釣りづらい群れがある点を把握することが大切だ。それらはアカの食み方から区別でき、流れに対してまっすぐにアカを食むタイプは掛かりづらく、交差するように横に動いて食むタイプはオトリにからみやすくてハリ掛かりしやすい。その傾向を参考にして狙えば掛かる確率はアップするだろう。
そして、アユの密度の濃い群れが狙い目となるだけに、釣り始める前に橋の上など高いところから群れの動きを観察することも欠かせない。それをクセづけていると、密度の濃さの他、時間帯や場所によって群れアユの動きや食み方が違うことに気がつけるようになるはずだ。
そうしてよい狙い目を見つけたら、その上で竿を振ってみる。すると、たいていの場合は竿の影に驚いてアユが走りだす。その際に走った群れを注視すると、少し逃げて止まる群れと、ずっと走り回って止まらない群れの存在がいることに気がつくはずだ。そのうち釣れるのは止まる群れであり、その行動が確認できれば実際に竿を出して狙う。
竿を出すときは立ち位置に気をつけること。できるだけ竿影が川面に映らない位置に立つことを心がけたい。
そして、オトリは下流から上流に向けて静かに泳がせ、後方から群れになじませる。最初はこの方法で野アユがハリ掛かりすると思うが、喜んではいられない。すぐさま掛かりアユを群れから離して引き抜くことが大切だ。群れの中で掛かりアユを暴れさせると群れアユの警戒心が強くなり、群れがバラけて掛かりにくくなるから注意したい。
ポイント的に変化のない広いトロ場などでは、1~2匹釣っただけで釣り人の近くには止まらないことが多くなる。そういう状況に見舞われたときは近くにある瀬落ちの波立ちや掘れ込み、大石回りなどの野アユが隠れやすいところに目をつける。そのような場所は群れが止まりやすく、釣れるペースが上がりやすい。
この他、野アユの泳層が狭くなるぶんオトリとの接点が増す浅場狙いも有効である。その際はナイロンなどの比重の軽いラインを使い、野アユよりも少し上の層にオトリを泳がせることでハリ掛かりの向上が期待できる。また、竿先の操作でオトリを少し持ち上げるのも有効だ。そうして作ったスペースに野アユが入るとハリ掛かりしやすくなる。
これらのテクニックを駆使するにあたり、私は掛かる確率の高い4本イカリのハリを基本としている。もちろん、根掛かりが多いときは3本イカリに変更する他、ダブルのチョウバリが効果的なこともあるためハリケースに少し備えている。
いずれの場合もハリ先のチェックはこまめにすること。首尾よく追わせてもハリ先が傷んでいたせいでケラレやバラシが続いたのでは釣果のペースは上がらない。友釣りは循環の釣りである。オトリがかわれば入れ掛かりになることもよくあるだけに、釣れていないときほど面倒がらずにハリ先をチェックし、痛んでいればすぐに交換すること。それだけで釣果アップに繋がることも多いものである。
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