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【磯釣り】グレ・初夏の遠征ガイダンス Part3 三宅島〈東京都〉

遠征ガイダンス3-4三宅島

三宅島〈東京都〉
1日を通して釣り三昧。
相手は超大型尾長グレ!!

過去には日本記録の尾長グレが上がるなど、関東の大物場として知られているのが東京都の三宅島である。餌取りを呼び込む黒潮が離れる状況でエントリーできれば60㌢級のビッグワンの可能性も…!!

(文:山口和幸)

三宅島はフカセ釣りでグレを狙う人なら誰もが一度は憧れる尾長グレ狙いの聖地といえる。釣れるグレの9割というほど尾長グレの魚影が濃く、過去には日本記録も上がっている。

そのように夢のある三宅島で最も有名なのが沖磯の三本岳である。ここでフカセをする人は60㌢の尾長グレを目標とするほど実績は抜群。また、勢いよく流れる潮と、壮大なロケーションはとにかく素晴らしい。初めて渡礁すれば度肝を抜かれることだろう。私自身、60㌢を釣ることを目標に釣行しているが、そのロケーションを見ただけでも三宅島にきた甲斐があったと行くたびに実感している。

では、そんな魅力的な三宅島の釣りについて紹介していこう。

黒潮が離れると
好釣果の期待大!!

遠征ガイダンス3-1三宅島

ターゲットは大型の尾長グレ。60㌢オーバーを視野に入れてアプローチしたい。

尾長グレは口太グレと違って春〜初夏に産卵することから4~6月ごろがベストシーズンだといえる。遠征がしやすいGWごろはまさに絶好の釣行タイミングである。

しかし、黒潮筋の中に位置するとあって水温が思いのほか高くなり、餌取りの活性がかなり高まって釣りづらくなることも少なくない。以前、GWに釣行したときには黒潮が三宅島を直撃し、水温が22度にまで高まったことがあった。その水温では餌取りの活性がさすがに高くなり、グレはまったく釣れなかった。潮が走る沖磯なら何とかなる余地はあるが、島回りの地磯だと朝から餌が取られず、ゴールデンタイムといえる日暮れの1時間が勝負ということもある。

沖磯である三本岳の場合、流れが速過ぎてお手上げということもある。そうなると磯際狙いということになるが、磯の周囲は餌取りで埋め尽くされて1匹のグレを釣るのに必死になることも考えられる。三宅島といえば、速い流れの中に仕掛けを入れ込んでアタリをとり、掛かった魚を豪快に寄せるというイメージがあるが、そう甘くはない。

以上のことからよく釣れる条件は「黒潮がやや離れて通るとき」となる。八丈島との間を通るときがいいように思う。それで水温が18~19度で推移すれば、地磯では50㌢までの数釣り、三本岳では型狙いが楽しめる確率が高まる。

この他、天候のよしあしや波の有無なども釣果を左右するが、これは普段の釣りと同じでいいに越したことはない。

遠征ガイダンス3-2三宅島

磯に立っているだけで満足感を得られるほどロケーションは抜群にいい。しっかりとしたタックルで挑み、さらに高い満足感を得られる1匹を手にしたい。

タックルは三宅島仕様を用意する。まれに普段使っているタックルで臨む方がいるが、掛けることができたとしてもほとんどバラすことになる。相手は大型の尾長グレであり、中途半端なタックルでは通用しない。

具体的には、竿は2〜3号(安心なのは3号)、リールは6000~8000番、道糸は6号(できるだけたくさん巻く)、ハリスは6~12号、ハリは尾長グレ用7~9号というものだ。尾長グレ以外にもサンノジやイズスミ・タマミ・イシダイなどの大物がアタるだけに、このシステムで臨んでもバラシが絶えない。

紹介したタックルは、使い慣れていなければ重く感じてうまく操作できない。私も数年に1度の三宅島釣行だけでは使いこなせないことから、突進力のある大物が期待できる夏の夜釣りで用いて練習をしている。その甲斐あって今では無理なく使用できている。

三本岳・青根がアツい!!

三本岳にあるエビ根、マカド根、大根、青根などの有名な磯の中でも私が好きな青根を紹介しよう。

三本岳は少しでも波があると行けない。北東の風が吹くと波が出やすく、渡礁できる磯が限られる。よいのは南西の微風。比較的天候が安定するGWはその条件となることが多いため高確率で渡礁できる。

遠征ガイダンス3-8三宅島
遠征ガイダンス3-9三宅島

最も北側に位置する青根は、足場はよいものの高さがない。そのため北東の波が入るとすぐに磯が洗われる。定員は、フカセ釣りであれば5~10名。

ポイントは三宅島向き一帯と間根との水道の一部。基本的に船付きから先端にかけて並び、東向きの潮なら流して釣り、逆潮であれば磯際を狙う。どの釣り座でも60㌢オーバーがヒットする可能性がある。

先端はいい潮が入ったときに潮の中を流すとおもしろい。餌が残る限り、ラインがなくなるまで流してもいい。潮が走らないときはサラシの切れ目付近を釣る。

船付きは際釣りもおもしろい。餌取りだらけの中、潮が吸い込まれるところに浅いウキ下に設定した仕掛けを入れていくと「こんなところで!?」と思う棚の上で食ってきたりする。肉眼では確認できなくても尾長グレはかなりいるようだ。

遠征ガイダンス3-3三宅島

魚影はかなり濃い。沖、磯際ともにくまなく探りたい。

ここでは他魚も大型が多い。サンノジやイズスミなどは見ていて怖くなるほどの大きさだ。年によってはシマアジやヒラマサなども釣れる。

なお、初めて三宅島に釣行する際は、ルールや注意点を教えてくれるガイドを依頼することをおすすめする。特に、地磯に行くことを考えているなら頼みたい。ガイドは釣れている磯を把握しているうえ、天候をチェックして安全な場所へと案内してくれるから頼んで損はないだろう。

また、ガイドは、私が利用する三本渡船のサポートも行なっている。三本渡船はホースヘッドを磯に付けないため飛び渡ることになるし、荷物を投げるのが普通である。それに慣れていないと回りのお客さんに迷惑をかけることになるため、初めての際はガイドをつけたい。

釣行インフォメーション

基本スケジュール

初日…東京の竹芝桟橋から22時半に出る東海汽船に乗船。翌朝5時ごろに三宅島に到着。着いたらすぐにホテルに向かい、6時の渡船で沖磯に渡る。15時に帰港した後に地磯へ向かい、夕方から日暮れまで釣る(渡船が出船しないときは1日を通して地磯で釣る)。夜はホテルで翌日の作戦を練りながらゆっくりとする。

2日め…1日めと同様の行程で楽しむ。

最終日…渡船に乗ると飛行機の搭乗時刻(最終は16〜16時半。時期によって異なる)に間に合わないため朝だけ地磯で釣りをする。その後、帰り支度をして空港へ向かい、予約した飛行機に乗って東京都の調布へ。そこから電車で品川に向かって新幹線で帰阪する。

費用の目安

大阪発で、いつも利用するホテル海楽にて2泊3日した場合の内訳は以下の通り。不満なく遊ぶなら20万円ほど必要になる。

《内訳》
交通費 約60,000円 ●新幹線の往復運賃約30,000円
●東海汽船の片道運賃6,690円
●航空便の片道運賃(三宅~調布)約17,200 円
●その他の運賃約6,000円
宿泊代 約20,000円 2泊。1日2食つき。
渡船代 31,000円 3人まで。1人増すごとに5,200円追加。三本渡船の場合。
地磯ガイド代 6,000円 1日あたりの料金。1日最大2組まで。要予約。
餌代 5,000〜7,000円 1日分。沖アミ3㌔Mサイズ1,100円、1㌔2Lサイズ600円。
その他の餌の販売もある。
レンタカー代 3,000〜8,000円 軽四と普通車、半日と1日で料金が異なる。

なお、三本渡船については、ホテル海楽に事前に申し出れば段取りしてくれる。春〜初夏の渡船時間は午前6時から午後2〜3時まで。

釣りの段取り、宿泊はホテル海楽04994-5-0131)。

航空便の予約は新中央航空・三宅島空港(04994-6-0006)。

汽船の予約は東海汽船0570-005710)。

※いずれもweb予約可能。

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