【気軽に狙えるアマゴ・ヤマメ】渓流・テンカラ入門ガイダンス | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME - Part 2

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【気軽に狙えるアマゴ・ヤマメ】渓流・テンカラ入門ガイダンス

釣り場考察

テンカラガイダンス7

このように頭上が開けた川が釣りやすい。ただし、晴天の日中は魚が表層まで出にくく、反応が薄くなりがちである。したがって、日中は白い泡のある瀬を狙うか、木々が生い茂って日陰となる部分を中心に狙うのがよい。

砂泥底は避け、石底の釣り場を選ぶ。その中にある大きな石の付近や瀬などに目をつけたい。淵やトロ場は技巧を要するので初心者には不向きだ。

そして、流れがあるところをポイントとして選ぶが、魚が毛バリに反応しにくいほど強くて速過ぎる流れは適さない。とはいえ、まったく流れがないと釣りにくい。このことから強い流れに囲まれた水勢のあるところがよい狙い目といえる。そうしたポイントが見られる瀬を主体に狙うとよい。

テンカラガイダンス11

頭上に覆いかぶさる木々があるときは特に慎重なキャストが求められる。投げることに集中し過ぎるあまり仕掛けが木に引っ掛かることのないように、木々までの距離は常に把握しておきたい。

渓流釣りでは障害物の有無にも気をつかわなければならない。特に枝谷を釣る場合、頭上に覆いかぶさる木々があったり、ポイント近くにブッシュがあることが多いためキャスティング時は十分な注意が必要だ。ときには竿、仕掛けともに短くするなどの工夫も必要となる。釣趣に欠けるが、餌釣りのチョウチン釣りと同様にラインを極端に短くしたチョウチンテンカラという手法も考えたい。

また、障害物が多いところでは取り込み方法を考える必要がある。合わせは竿を突くか手前に引くかの2通り。それらの方法が失敗が最も少ない。竿を上げる通常の合わせ方では仕掛けが木の枝にからむことが多い。それをはずすために竿をシャクると、その反動で魚がはずれたり、穂先を折るのがオチだ。特に初心者はやらない方がよい。

条件考察

テンカラでは渇水気味の方が好条件となる。増水がテンカラには不利である理由は、水棲昆虫の羽化は降雨時よりも晴天時に行なわれると思われるからだ(それが証拠に雨の日はハッチが見られない)。

また、朝夕のまづめどきは魚の活性がよくなる。盛夏は夕まづめが特によい。解禁後しばらくの晴天時は、太陽が照って水温が上昇し始める10時過ぎごろから午後にかけて思わぬ活性の向上が見られることがある。しかし、雪解けによって増水し、濁りがひどくなる状況はいけない。水温が低下して魚の活性がわるくなる。急激な水温の変化は状況として一番わるい。

基本アプローチ

テンカラガイダンス6

このように大きな岩などに身を隠しながら釣るのが基本となる。できるだけ川面に自身の影を落とさないようにしたい。

餌釣り同様に上流に向かって釣り歩くのが基本。渓流魚の視野は広く、下るように遡行すると自身の存在を悟られて相手は口を使わなくなる。魚から見えないようにできるだけ身を隠すとともに、無駄な音を立てないことを意識して狙いたい。

キャスティングの際はいきなりポイントに毛バリを射込むのではなく、ポイントのかみ手50~60㌢、少なくとも1㍍以内ぐらいに射る。そして、毛バリが着水したらいつでも合わせられるよう集中する。漫然とキャスティングをしていては魚が毛バリに出たことに気づくのが遅れてチャンスをフイにする可能性が高くなる。

実際の釣りを想定すると、まずは魚から姿が見えないであろう岩陰などから岸近くに毛バリを射る。そして、徐々に川の中央部に向かって投点をかえて探る。こうした行程で狙えば意外と見逃しやすい岸近くの魚もきちんと釣れる。

テンカラガイダンス3

「餌が流れてきやすく、定位しやすい場所」ということをイメージすると、おのずとポイントが見えてくる。

前述のように毛バリはポイントの少しかみ手に落とすわけだが、打ち込む際は釣れる場所を予想し、取り込み場所を考えておく。そうすればバラシが少なくなる。

主に狙うのは落ち込みや白泡の周辺。要するに流れが少し緩くなっているところが狙い目である。理由は、餌がゆっくり流れるために魚が捕食しやすいうえ、休息場所として定位しやすいと思われるからである。

応用パターン

食いが渋いときは毛バリを逆引きにしたり、意図的にアクションを加えて魚の興味をひくとよいことがある。また、毛バリの色、大きさ、種類などをかえるなどの工夫をしたい。

その他

餌釣りと異なり、テンカラは勝負が早いため1個所で粘り過ぎないこと。数分探って反応がなければ見切りをつけて移動する。このため歩く距離は餌釣りの2倍ほどになる。

〈実践釣り場ガイド〉
千代川水系・吉川川、糸白見川〈鳥取県〉

初心者がテンカラにチャレンジするには広々とした渓流をすすめる。ブッシュや木々が川に覆いかぶさるなど、トラブルが生じやすい枝谷はおすすめしない。

アプローチには細心の注意を払うこと。静かに行動し、むやみに姿を水面に映さないことを心がける。

おすすめは鳥取県の千代川水系。支流が多くて転進しやすいし、比較的安全な足場の渓が多い。また、林道から釣り場までの距離が短くて入渓しやすいのがよい。具体的な場所は地図の通りである。

吉川川

兵庫県宍粟市方面から国道29号線を北上して戸倉トンネルを越えると鳥取県に入る。そのトンネルから20分ほど走ったところにある「岩屋堂」の看板を目印に左折して少し進むと岩屋堂の対岸に駐車場(無料)がある。そこから上流一帯が釣り場になる。

吉川川の川筋は酪農家が多いためときおり牛の匂いがする。気になる方は他の川に入った方がよい。牛舎があるが、水質はわるくない。

ちなみに、岩屋堂は同じく鳥取県の三朝町にある投入堂と並ぶ珍しい建物がある奇勝地である。

糸白見川

国道29号線から左折してしばらく走るとフェンスのバリケード(シカ避け)がある。そこにあるチェーンをはずして先に進む(通過後は必ずチェーンをかけること)。

車は鳥取大学のワンダーフォーゲル部の山小屋周辺にとめられる。その周辺が釣り場になる。

なお、釣り疲れたら少し足をのばして春米川沿いにある公衆浴場、若桜ゆはら温泉ふれあいの湯に行くとよい。入浴料は400円。

インフォメーション

千代川水系のヤマメ・イワナ・アマゴの遊漁料は年券5500円、日券3500円。

釣況問い合わせは千代川漁協0858-85-0853)。

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