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【寒グレ】釣果アップに不可欠の〝なじみ〟を考察 Part.3
遊動仕掛けを駆使するなら
道糸の操作でなじみ向上
深いタナを探れる遊動仕掛けの場合、海面に浮いているラインがなじみを妨げる原因となる。その抵抗を排除するような工夫をロッドワークで行なえば…
(文:梅屋智徳)
グレがいるであろうタナより下の層でアタリがでる、あるいはとれる状態になっていることを仕掛けがなじんだ状態だと私は考えている。
たとえば、4ヒロのタナでグレが餌を食っているにもかかわらず、仕掛けが4ヒロの層に入っていなければ永遠にアタリはでない。何度やっても刺し餌がつきっぱなしといった状況になってしまう。このことを考えると、水温の低下とともにグレの活性が下がってタナが深くなる寒グレ期は、なじみを特に意識しなければならないといえる。
ただ、冬期特有の強い北西風や、サラシ、波気によって仕掛けのなじみは妨げられるからひと筋縄ではいかない。それらの影響がでると、道糸やハリス、ウキに抵抗がかかってなじみにくい状態になる。その結果、刺し餌と撒き餌が同調しなかったり、刺し餌が潮の流れに逆らって流れるなど、グレが釣れない状況となってしまう。
仕掛けに抵抗がかからない操作を実践
では、具体的にどのように対処すればよいかを考えてみたい。
まず考えなくてはならないのがこの時期特有の季節風の対策だ。その影響をまともに受けるのが海面に浮く道糸やウキである。よほど潮を噛む状態にならない限り、仕掛けはそれらに引っ張られて見当違いの方向へ進んでしまう。特に、竿先からウキまでのラインが長く出る遠投時は注意したい。
潮流がしっかりと流れるエリアであれば、はるか先がヒットポイントであっても距離が長いぶん時間をかけてゆっくりと仕掛けをなじませられるので問題はない。しかし、釣り座の両サイドに他の釣り人が入っていたり、ポイントとなるポケットや海底の形状の変化が釣り座近くに見られる状況など、短い距離で強制的に仕掛けをなじませなければならないケースもある。
これらの状況では、最初に仕掛けがなじみやすい形を作る必要がある。流れている途中で修正を加えると、潮や撒き餌の筋から仕掛けがずれやすいから要注意だ。
タナを決めた遊動仕掛けの場合、ウキ止めまでの遊動部分を先に落とすことを考える。道糸を海面につけないように竿を持ち上げた状態を保ち、オモリの重さを利用して送り込めば短時間でウキ止めまで刺し餌を落とすことができる。その後はウキをステイさせ、潮流を利用してハリス先行の形を作るとよい。
軽い仕掛けの場合は投入時に必ず潮かみに道糸を置くようにする。そうして遊びを作らないようにして波の上下動を利用して道糸を送ると、糸フケができにくくて潮筋になじみやすい。また、釣り座の少しの角度の違いで格段に釣りやすくなることも多いだけに、なじみにくい状況なら積極的に移動することも考慮する。
仕掛けがなじんでいるか否かは、撒き餌と刺し餌が流れる方向(同じように流れているか?)、回収時のウキと刺し餌の浮上位置(大きくズレていないか?)、仕掛けの角度(思うように張れているか? 潮をきちんと噛んでいるか?)から判断できるからよくチェックしてほしい。
大切なのは、海上で受ける抵抗を最小限に抑え、海中の状況を即座にとらえられる仕掛けをセッティングすることである。そのためにウキやラインを厳選することはもちろん、困ったときは軽めのマイナス負荷のウキを使うことも視野に入れたい。マイナスウキをジワジワと沈めるスタイルなら比較的簡単に張りを保ったままタナを探れるはずだ。
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