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【寒グレ】タナを極める Part.3

寒グレ タナを極める3−4

若狭では超低水温でもオセンの動向でタナを決定

12度まで水温が下がればさすがに深ダナを意識したくなるが、若狭の代表ともいえる餌取りのオセンが見られるならこれまでと同様の釣り方も意識しなくてはならない。オセンの下層を狙うというセオリーでアプローチすることも欠かせない!!

(文:林 淳一)

日本海側におけるタナ考察

私のホームグランドである若狭で寒グレを狙うにあたってタナを捜すことは大事な作業の1つである。ただ、その前にやるべきことがある。それは釣り場の選択だ。

日本海方面では一般的に寒グレシーズンとされる1月中旬~2月下旬には水温が14度を切るほどまで下がる。どこでもグレが釣れる初冬とは違い、釣り場をきちんと選ばないと釣果が上がらない。水温が下がっても釣れる釣り場は限られるが、うまくセレクトしたうえでタナ、仕掛けなどを合わせることができれば釣果はグンと上がる。

この時期に釣れる磯は、足もとに海溝がある、あるいは足もとからドン深で際がオーバーハングしている、という特徴がある。もっと具体的にいうと、足もとで最低6ヒロ以上、10〜20㍍沖で10ヒロ以上というように急激に深くなるような地形を有する磯が理想的だ。そうした磯ならタナの設定さえ間違わなければほぼ確実にグレが釣れると考えていい。

寒グレ タナを極める3−3

たとえば、若狭の音海では厳寒期にも50㌢に迫る良型が釣れる。低水温期の日本海側も侮れない。

ただ、2月を過ぎると水温が12度を切ることが多くなるうえ、日本海特有の強烈な北西風や、降雪によって流入する冷水の影響で2~3日はタナが底近くになることもある。日本海方面に釣行するならこのことを頭に入れてウキ下を決めなくてはならない。

以上のように、この時期は基本的に深いタナから攻めることになるため比重のある撒き餌を用いることが欠かせない。深いタナで刺し餌との同調を考えて集魚材をセレクトしよう。

なお、沖にシモリやハナレ磯があって水道になっていれば、水深が6ヒロ以内であっても大型のグレが居ついていることが多い。そのような磯では浅いタナから攻める方が釣果に繋がることを覚えておきたい。

餌取りの動きから釣り方を絞り込む

餌取りが見える場合

ウキ下の設定で私が重要視しているのは餌取りのタナである。日本海における代表的な餌取りであるスズメダイ(オセン)は低水温に非常に強く、1〜2月でも水面近くまで撒き餌を食いに上がってくる。私はこのオセンの動きからグレのタナを考える。

餌を拾うオセンが確認できれば、グレが浮く可能性があると考えてその下の層を狙う。それですぐにグレが食うほど厳寒期は甘くはないが、こうした基準があると釣りやすくなる。

寒グレ タナを極める3−5

オセンが見えていればチャンス。そのタナを見きわめ、1ヒロ下を狙えば良型がヒットする可能性が高い。

具体的には、ウキ下は2ヒロ半~3ヒロからスタートすることになる。それで餌が残るようなら徐々に深くしていく。私の場合、3~4回様子を見てアタリがなかったり、餌が残る状態が続けば3ヒロあたりから刺し餌の重みでウキが沈む設定にした沈め釣りに切りかえる。沈め釣りが苦手ということであれば、様子をうかがいながら2~3投ごとにウキ下を1ヒロ長く取って狙ってもよい。

ここで気をつけたいのは、1匹釣れたウキ下がその場でのグレのタナだと決めつけないことだ。厳寒期は数匹釣れたとしても、時間、潮の流れ、餌取りの状況、水温が変化することよって急に食わなくなったり、逆に食いだすこともあるからだ。常にいろいろなタナを意識して攻める方が好結果に繋がりやすい。

寒グレ タナを極める3−1

ちなみに若狭の場合、厳寒期でも餌取りをかわすために多少の遠投が必要となる釣り場もある。そのため冬は磯際狙いといった固定観念をなくして釣ることも大事である。

なお、餌取りをかわして少し遠投するときは深いタナで釣れることが多いことから4ヒロ以深から攻めてみるのもおもしろい。私の経験上、アタれば40㌢アップが多い。

■ワンポイントアドバイス

①足もとの餌取りが多くて餌が残らないときは遠投で深ダナを探る。その際、本命ポイントには撒き餌を入れ過ぎないようにする。

②仕掛けの潮へのなじみがわるいときはハリ上に7~8号のガン玉を打つ。

③足もとにいるオセンが下層にいるときは磯際を狙う。

餌取りが見えない場合

足もとに撒き餌をしてもオセンなど餌取りが見えない場合は、これまでの経験から4ヒロ以深でグレが釣れることが多い。そのためウキ下は4ヒロぐらいからスタートする。

狙い目は日本海では珍しい磯際である。この場合もグレが釣れるポイントの目安となるオセンがいるタナを捜しながら釣る。吸われるようにかじられるなど、オセン特有の刺し餌の取られ方をすれば、そのタナを中心に1ヒロ前後を丹念に狙うようにする。

寒グレ タナを極める3−2

底まで探ってもオセン(餌取り)がいなければ磯がわりを視野に入れよう。ただ、実績場といわれる磯では突如として巨グレがヒットすることも多々あるから粘りも必要だ。

■ワンポイントアドバイス

①朝イチは深いタナへ仕掛けを入れずに釣る。

②餌取りの動きしだいで遠投も考慮する。

③撒き餌には比重のある集魚材を使用する。

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