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【特集・投げ釣り】松尾幸浩さんのカレイ釣り戦略(後編)
後編ではカレイを効率よく釣るためのタックルと餌の解説、実釣に関するアドバイスをピックアップ。それぞれの考え方を理解したうえで釣り場に出向き、スムースにアプローチして良型のカレイを手にしよう!!
タックル考察
■ラインはPEが理想。でも、テトラ帯では…
ラインはPEを理想としている。その理由は…
①同じ強さのナイロンラインと比べて細号柄を使えるぶん飛距離を稼げるうえ、流れや風の影響を受けにくい。
②伸縮性がほとんどないためアタリが明確にでる。
…というもの。
①の飛距離については50㍍以内で釣れる東二見人工島の場合は特に必要としないが、流れや風の影響を受けにくいというメリットは大きい。急流域ではラインにかかる抵抗はかなり大きく、無視はできないからだ。単なる横流れならオモリの重さの使いわけで対処できるが、斜め方向から手前に突いてきたり、沖へ払い出したりするような流れの場合はラインが引っ張られ、狙いのコースから仕掛けがズレるという不具合が生じやすい(風も同様)。太い号数ほどそれが顕著であるため、目当てのスポットがおよそ決まっている場合は抵抗のかかりにくい細号柄を使えるPEラインが有利となる。
ただし、PEラインには擦れに弱いというデメリットがある。特に、東二見人工島のように貝類が付着したテトラを越えて釣るときは、その欠点が表面化してくる。回収時や取り込み時は注意して回避することも可能だが、周囲の人とオマツリしたときは自身の意図で避けられないため貝類への擦れによる劣化が起こりやすい。裂けやすいPEラインの特性上、見た目には何の変化がなくてもわずかな傷が広がって、時間がたってから切れる確率が高いためテトラに擦れた時点で交換が必要となる。タイムロスとなる大がかりな交換のリスクを考慮したうえで総合的に判断すると、テトラ帯ではPEよりも根ズレの耐性が少しはあるナイロンを選択する方がスムースとのことである。
とはいえ、②の点は見逃せない。「竿尻を浮かせるアタリはやっぱり興奮する」と松尾さんがいうように、カレイ釣りの醍醐味の1つである鋭いアタリを体感するうえではナイロンよりものびないPEラインが適している。この視覚的な楽しさもなくてはならないとベテランは感じている。
また、伸縮性が小さいぶん、ナイロンだとでにくい小さなアタリをとり、合わせてハリを掛けるという積極性のある釣りもPEだと可能になる。この合わせるという行為は、前述したアタリので方と同様に楽しさの向上につながる他、意外とかたいカレイの口にしっかりとハリを掛けるうえでも行なうのが理想的である。それによって大型ほど多くなる、取り込み時のハリ外れによるバラシを防ぐことにもつながる。
その他、色わけを目安にすることで釣れたポイントの距離を把握でき、同じポイントを攻め続けやすいというメリットもPEラインにはある。この点については、ナイロンでも油性ペンでマーキングを行なうという方法にてフォローできるが、スマートさという点ではPEにはかなわない。
以上のように、PEラインには欠点以上にメリットが多い。混雑時のテトラ帯での釣りではナイロンとし、それ以外では釣りやすさと楽しさに勝るPEラインを使うのがベテランのスタイルだ。
■オモリは瞬時に変更できる六角タイプが便利
潮流の速い海域では重さにバリエーションがある六角タイプを使いわける。じわじわと流れ、深みなどのポイントへ入ったときに仕掛けが止まるのを理想とし、30〜40号の範囲で重さをかえていく。
六角オモリには、スナップによる脱着だけでL型天秤にセットできるため、タイムロスが少ないという利点もある。また、安価であるというのも選択理由の1つである。
■仕掛けは餌をアピールできる段差仕様
2つの餌が近くにあることによって期待できる高いアピール度、カレイがハリをダブルで餌をくわえた際に得られるフッキングの安心感、という2つの利点を重視して5㌢の差をつけた段差仕掛けを用いる。とりわけ、餌のボリュームアップの効果は高く、この仕掛けを使うようになってから釣果がアップしたとのことである。
段差仕掛けの長さは、流れが緩いときは餌を漂わせるために長く、速いときは浮き過ぎないように短くというのが基本。底べったりで定位するカレイを狙う際は、このあたりの細かな部分に配慮できればヒットチャンスがさらに拡大するという。
速い流れが走ることがなかった取材当日は、フワフワと餌が漂うと考えられる長い仕掛けを多用していた。ただし、長いハリスの仕掛けを近投狙いで用いると、フワリと投入した際に力糸に絡みやすいという難点が出てくる。それをクリアするために力糸とモトスの間に35㌢程度のステンレス線(0.8㍉径)を入れ、張りを持たせることでカラミを抑えている。
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