釣れないときこそ大事!! 尾鷲での初釣りを通じてレベルアップに繋げる考え方を紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.53 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

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釣れないときこそ大事!! 尾鷲での初釣りを通じてレベルアップに繋げる考え方を紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.53

グレ常勝トーナメント

2023年の初釣りの釣り場として選んだのは三重県の尾鷲。初釣りとあって景気のよい釣果を期待して挑んだものの、寒波の影響かグレの活性は低調。それでも答えをシビアに絞り込むことで…!!

(カメラ/文 上田泰大)

1月23日、2023年の初釣りで釣行したのは三重県の尾鷲です。寒波の襲来したタイミングとあって釣り場へ向かう道中は雪。これが釣りに影響を及ぼさないといいのですが…。

グレ常勝トーナメント
釣り場へ向かう道中は雪。かなり寒い日の釣行です。

寒波の影響アリ!? グレの活性は低調

渡礁したのは佐波瑠島にある「南カガリの入り江」。船長が勧めるこの磯は、ナギの日しか乗れないほどの足場の低さが特徴です。船長によると、波のある日がしばらく続いていたため、最近は誰も乗っていないとのことです。

まず目をつけたのが船付き側の湾の奥側にあるというシモリ回りです。その周辺にはいいサイズのグレが入ってくるそうです。

グレ常勝トーナメント
グレ常勝トーナメント
足場の低い磯です。
グレ常勝トーナメント
①の釣り座に入ってワンド内にあるシモリを狙います。

①の釣り座に入って釣りを開始。しかし、刺し餌が取られない状況が続きます。それでも撒き餌がききだすと、2ヒロ半ぐらいのタナで刺し餌が取られるようになりました。それならと、シモリの潮かみから刺し餌を入れて流し、シモリの手前で仕掛けを張って止めてみます。すると、モゾモゾッとウキが入りました。

しばらくやり取りをして上がってきたのはアイゴ。昨年からコイツがかなり増えたような気がします。

グレ常勝トーナメント
撒き餌はこのような配合としました。
グレ常勝トーナメント

その後、横、裏という具合にシモリの周囲を探りましたが、釣れるのはキタマクラぐらいでグレの反応はありません。寒波の影響で魚の活性が低くなっている感じです。

いろいろと試しても反応がないことから釣り座を沖向き(②)へ変更します。こちらはシモリがあちこちに点在しています。

グレ常勝トーナメント
②の沖向きへ移動しました。
グレ常勝トーナメント
ちなみに、③の釣り座はこのようなロケーションです。

ひとまず浅いタナを攻めますが、刺し餌は取られません。そこからウキ下を徐々に深くしていくと、3ヒロぐらいで沖アミの頭がかじられる程度の反応があらわれました。

手前にあるサラシの影響で表層の潮は沖へ払い出されているものの、沖の潮はあまり動いていません。そのため、浅いタナや深いタナを探ったり、刺し餌をムキ身にしたり、ガン玉を打って速く沈めてみたりと、いろいろとやってみてもグレからの反応はありません。

わずかな変化をとらえて良型グレ!!

時間だけが過ぎていく状況の中、潮がわりを迎えるタイミングで潮が一瞬だけフラッと右へ流れました。この変化を見逃さず、3ヒロのウキ下で潮目を直撃します。すると、ウキの頭が10㌢ほど押さえ込まれました。

すかさずバシッと合わせると、グレ独特の締め込みが伝わります。シモリに注意しつつ慎重にやり取りしてキャッチしたのは40㌢弱の口太グレ。価値ある1匹を手にすることができました。

グレ常勝トーナメント
変化を見逃さず、小さなアタリをとらえると…!!
グレ常勝トーナメント
キャッチしたのは40㌢弱。価値ある1匹にうれしさが込み上げます。

お弁当タイムを経た昼ごろには水温が上がってきたのか、20㌢ぐらいの木ッ葉尾長やアイゴ・イズスミなどの他魚がたくさん釣れるようになりました。やはり竿を曲がる状況は楽しいですね。

グレ常勝トーナメント
同行の金井田君とお昼休憩。寒い1日でも楽しく過ごせました。

今回は厳しい状況とあって時合は一瞬だけでしたが、諦めずに狙い続けたことが釣果につながったと思います。

グレが釣れないときに考えるべきこと

「釣れない日に1匹を釣ることは、非常に有意義な練習になる」

これがなぜかを解説しましょう。

よく釣れている状況は魚の活性が高いため、あまりマッチしていない仕掛けでも釣果を重ねることができます。しかし、魚の活性が低いときはそうもいきません。グレの動く範囲が狭いぶん、仕掛けを的確に合わせないと釣果に結びつかないのです。

したがって、個人的には状況が厳しいときは以下の3つを意識しています。

・刺し餌と撒き餌の同調

・刺し餌先行で流す

・撒き餌を食っている場所とタナ

これらが非常に重要です。

以上を実践するために注意すべきことは以下の4つです。

・撒き餌を打つ場所

・ラインメンディング

・狙うポイント

・刺し餌の取られ具合

これらは状況によって変化しますが、1つ1つ意識しながら釣っていると、その日、そのときの答えが見えてくるはずです。厳しい状況であっても諦めずにチャレンジしてみてください。

グレ常勝トーナメント
いろいろと考えて価値ある1匹を手にして下さい。

この日は他の釣り場でもグレの顔を見られなかった人が多数おられました。よく釣れる日もあれば、まったく釣れない日もあるのが釣りというものです。

グレ釣りにおいては黒潮の影響も関係していると思われますが、自然が相手というところも釣りの魅力の1つだと考えて楽しんで下さい。

釣行メモ

ゆき丸渡船
HP https://www.tsurisoku.com/yukimarutosen/
電話番号 090-9170-8944
住所 三重県尾鷲市中村町8-21
料金 5000円
備考 ■時間は夜明け~14時
■不定休
■釣り座は船長が指定
■弁当注文可
■無料駐車場有

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。

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