ブリ&マダイが連発!! 超楽しい串本のカセの楽しみ方を紹介|マルチ派Kのデータ釣行指南!vol.4 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

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ブリ&マダイが連発!! 串本のカセの楽しみ方を紹介|マルチ派Kのデータ釣行指南!vol.4

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ブリ〜メジロの期待感が高まるとともに、マダイの数釣りが始まっているという串本のカセへ釣行しました。好条件にも恵まれたこともあり、目当てのブリの他、良型マダイの連発を楽しむことができました!!

(カメラ/文 黒野忠則)

みなさん、こんにちは。vol.3から2カ月たちましたが、みなさんの釣況はいかがでしょうか? 私はといいますと、多忙のあまり釣りに行く機会がほとんどなくて気をもんでいました。今後も繁忙期は更新期間が少し空くしれませんが、ご容赦下さい。

ブリ〜メジロとマダイを含む五目釣りが楽しい串本のカセ

今回は和歌山県串本町の「フィッシング章丸」さんが提供してくれるアンカーを打ったカセからの釣りを楽しみました。9月に入ってからシーズンインしたブリ〜メジロの完全フカセ釣りをメインに、天秤ズボでマダイも狙うという2本立てのプランです。

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大島港を基地とする「フィッシング章丸」でカセの釣りを楽しみました。

カセというと、沖にある養殖筏などに小船をかけて釣りをするイメージがあるかと思いますが、串本エリアではアンカーを打ってポイントへ固定したカセからの釣りを提供してくれる渡船店が多くあります。その1つである章丸さんの場合、そのときに最もいいポイントを魚探の情報を頼りに見つけてカセを設置してくれます。安全面には最大の配慮をして下さるので安心して釣りを楽しめるのがうれしいです。

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カセにはトイレが設置されています。
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腰掛けも備わっています。
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玉網も備えつけられています。

これからの時期に本命となるブリ〜メジロがよく釣れる条件は「潮が濁っていること」です。好天が続いたときにも濁ることがありますが、確率的に濁りやすい悪天候の後ほど要注目だといえます。前々日が悪天候、前日と当日は沖合で4㍍の波があった今回の釣行では、うまい具合に濁り潮となりました(釣り場は湾外ですが、串本大島の近くとあって当日の波高は1㍍ほどと釣りにはほとんど影響がありませんでした)。

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沖のよいポイントまで曳航してもらったカセで竿を出すシステムです。適度に濁りがある条件だと好釣果が上がる期待感が増します。

そして、シーズン初期はイワシミンチの天秤釣りの方が多彩な釣果が期待できるそうですが、ブリを目当てとするなら完全フカセの釣りが有望です。この場合、タナの見きわめが重要になります。そのため、アタリが期待できるタナを船長に確認しておくことで効率よく釣ることができます(最近は40㍍ラインだそうです。)。

完全フカセ釣りといっても一般的に使われる沖アミではなく、撒き餌、刺し餌ともにイワシを使用します(カセを予約をする際に注文するとプラス2,000円で解凍した15㌔のイワシブロックを用意してくれます)。

刺し餌として使うときは写真のようなハリの刺し方をしています。こうすると海中でイワシをナチュラルに見せることができ、撒き餌との同調がうまくいくと感じています。

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このように目を通してから背中に掛けます。

撒き餌については、7時までに使い切るつもりで絶えず巻き続けることが大事です。というのも、ポイントに到着してから7時過ぎまでに青物の時合が集中するからです(それ以後にも釣れることもありますが、アタリの数は極端に激減します)。そのタイミングに撒き餌の量を節約すると魚が寄りにくくなるので注意が必要です(むやみに撒かずに刺し餌との同調を意識して下さい)。

メジロが連発。さらにブリクラスまでヒット!!

釣行日は9月16日。私を含む5組のうち3組のお客さんとともにブリ・メジロ狙いの湾外へ向かいます(他の1組は湾内での五目釣りでした)。

1人釣行だと乗り合いとなることもありますが、今回は同乗者がおらずに広いカセを貸し切りとなりました。広々としているのはうれしいですが、他のカセと比べると撒き餌の効果が劣るのは否めません。そう考えると、イワシを30㌔用意してもよかったかもしれません。単独釣行の場合、乗り合いでないのなら冷凍イワシのブロックを2枚注文することをおすすめします。

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5時20分に釣りをスタート。まずはスコップ用いてイワシを4〜5匹撒きます(トングを使われる方、素手で投げる方など撒き方はいろいろです。私は沖アミを用いた釣りもすることからスコップを用意しています)。続いて撒いたイワシの中へ刺し餌をつけた仕掛けを投入します。このとき抵抗なくなじむようにあらかじめ10㍍ほどラインを出しておくことが大事です。出していないと同調しにくくなるので注意が必要です。

仕掛けを投入したら撒き餌をもう1度入れ、潮流に合わせてラインを送ります。イシダイ用などの回転のよいリールであればスプールをフリーにするだけで糸が勝手に出ていきますが、手持無沙汰になるのが嫌ということで私は自らラインを送り出しています。

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糸送りがスムースなイシダイ用リールも便利です。

船長に聞いていた当たりダナとなりうる40㍍ラインで仕掛けを止めると、カツンッ、カツンッいうアタリがでました。しかし、ここではまだ合わせてはいけません。そのアタリが何度か続いたのちに大きく引き込まれたタイミングで大きく合わると、見事にフッキング成功!! フロロカーボンラインの8号通しとあって引っ張り合いで切られることはまずありません。このためドラグをフルロックにし、突っ込みのパワーに耐えながら徐々に巻き上げていきます。

1〜2回の突っ込みを耐えるとすんなり上がってきたのは70㌢ほどのメジロです(青物は1人では撮影できませんでした。うまく撮影する方法がありましたらお教え下さい)。

その後、2度のヒットがあり、1匹はハリ外れでバラしたものの、もう1匹はキャッチすることができました。サイズはやはりメジロクラスです。

やや深いタナを探るとガツンッ!!

「回りで上がるのも同様のサイズばかりだから今日はメジロクラスしかないのかな?」と思いながら仕掛けを止めるライン41〜42㍍と少し深くし、エギングで行なうジャークのようなサソイを入れてみます。すると、糸フケが出ている間に竿先が海中へ向けて一気に突っ込みました。

最初の突っ込みを耐えてポンピングで浮かせにかかりますが、先ほどまでのサイズとは抵抗の強さが違ううえ、何度も突っ込みます。メジロは座りながらでも十分にやり取りできましたが、コイツはスタンディングファイトで対応する方がよいようです。

何度かの突っ込みに耐えたのちに海面下に見えたのはメジロとブリの境というような微妙なサイズです。ただし、メジロとは体高が明らかに違います。サイズ測定は下船後に行なうとし、血抜きと神経締めをすませてクーラーボックスに入れます。

少し疲れましたが、7時まであと少しなのでもう少しがんばります。しかし、その後はアタリがないまま餌切れとなりました。

マダイも好調。良型が連発です!!

少しの仮眠ののち9時半過ぎから沖アミを餌にした天秤ズボ釣りを始めます。

マダイが釣れるかもしれないと聞いていたので、潮流の速さを想定して4号ハリスを6㍍(3ヒロ半弱)取った2本バリ仕掛けをセットします。カゴは沖アミ用の大きめのものとし、40号のオモリをセットします。

竿は50号負荷で2㍍程度の船竿が適しています。リールはカウンター付きの船用リールであれば、何でも構いません。

ちなみに、私はプロマリンのソリッドハンター50-180ブルーという船竿を愛用しています。理由はどんな天候でも見やすい色だからです。その特筆すべき点を教えて下さったのは釣りの際の海難事故で亡くなった先輩です。「今度、タイ釣りに行こう。そのときまでにソリッドハンター用意しといてよ」という話をした翌週に先輩は帰らぬ人となり、用意した竿で一緒に釣りへ行くという約束が果たせませんでした。そんなできごともあり、船の五目釣りではこの竿を使うようにしています。今回、マダイを釣ることで先輩との約束が10年越しに果たせるような気がします。

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さて、最初は50㍍ほどの底から仕掛けの長さだけ浮かせて釣っていましたが、アタリがまったくなことから少し上の40㍍ラインを狙うことにします。すると、それが正解だったようで明確なアタリがでました。何度も突っ込みを見せたたものの、やがて抵抗することなく上がってきたのは45㌢ほどのマダイです。いきなりのマダイにびっくりしましたが、10年越しの先輩との約束を果たせたような気がしてとても満足です。

50㌢クラスのマダイも登場!!

11時、見回りにきた船長に「ここでもマダイは釣れるからがんばって!!」と声をかけていただきました。それならと、数と型にこだわってみようと考え、釣り方を少しかえてみます。

まずは撒き餌を切らさないことを考え、仕掛けが40㍍ラインに到達したらハリスを少しだけなじませ、シャクる、止める、2度シャクるというサソイをかけます。そして、6㍍先の刺し餌に撒き餌が届くのに時間がかかるため2分ほど待ちます。

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撒き餌を切らさない作戦が奏功しました。

このパターンがうまくハマり、奇跡のラッシュが始まりました。40㌢アップのマダイが4連続でヒットしたかと思えば、最後に50㌢級もヒット!! 写真撮影に手間取ったこともあって以降はパタリと魚信がなくなりましたが、ハリスを3号に落とすとアタリがで始めました。しかし、一瞬で切られて姿を見ることができませんでした(あとで船長に聞くと「マダイではなく、サワラかもしれないね」とのことです)。

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よい型のマダイも釣れて満足です!!

予定通りに13時に納竿。帰港後は乗船場で釣れた魚を計測してもらいます。串本では80㌢を超えるとブリと認定されるそうですが、私が釣ったのは果たして?

結果は81㌢!! 普段は小物釣り師とあってブリとなるとうれしさはひとしおです。

また、マダイは最大50㌢で6匹の大釣りとなりました。マダイ釣りと聞いた先輩が当時釣れなかった魚も釣らせてくれたのかもしれません。

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釣果はご覧の通り。とても充実した1日になりました。

この日、すべてのカセで上がったブリは私の1匹だけでした。釣れた要因は、35㍍ラインでもガンガンとアタッていたというやや上のメジロのタナを無視して42㍍ラインを探ったことと、サソイをしっかりとかけたことでしょうか。沖へ出る前に船長に情報を細かく聞いていなければ今日のような釣りはできなかったでしょう。今釣れているタナをしっかりと把握すること、魚を待つのではなく迎えに行くこと、という2点がとても肝心だと感じた串本のカセの釣りでした。

なお、今年は例年より少し早い8月27日からブリ〜メジロが釣れ始めていますし、9月10日前後からマダイの数が上がっています。好釣果が上がる期待感は大きいので釣行されてみてはいかがでしょうか?

最後になりましたが、楽しい釣りをさせて下さいました小山船長、どうもありがとうございました!!

それでは、Bon congé !

釣行メモ

フィッシング章丸
HP http://fishing-akimaru.com/cho-ka.html
電話番号 080-5638-7881
料金 男性6,000円
女性、中学生5,000円
小学生以下無料(1名につき大人1名の付き添いが必要)
備考 要予約。
餌の販売あり。
弁当あり(600円)
アクセス 紀勢道・すさみ南ICをおりてR42を串本方面へしばらく南下。潮岬東入口交差点を右折して進み、浅海交差点を左折。くしもと大橋を渡ってから大島港の標識に従って左折。

【黒野忠則プロフィール】

食べておいしい魚を求めて、波止や磯のカゴ釣りをはじめ、フカセ釣り、エギング、チョイ投げ、ヌカ切りなど、さまざまなジャンルの釣りを行なうマルチアングラー。年間20回程度の限られた釣行回数の中でも、あらゆるデータを駆使したスタイルを実践して安定した釣果を上げている。釣り歴は20年。AURAフィールドアドバイザー。

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