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夏の夜釣りは楽しい!! お手軽釣り場で大物が連発です♪|せんなん〜わかやまライブショット第2章Vol.22
体力的にも時間的にも制約があるため、夏の夜に大物のヒットが期待できる本格的な磯場へのエントリーを躊躇せざるをえません。それならと、手軽に遊べる釣り場へ行ってみたところ、大物の引きを堪能することができました!!
(カメラ/文 葛城修平)
「快適な釣行をするにはいつどこへ行けばいいの?」というグチが出るほど豪雨に台風、猛暑と厳しい天候の日が続いています。
そんな中でも、昨年は楽しめなかった夏の磯魚との力勝負ができる釣り場へどうしても行きたい、という思いが湧いてきます。でも、キツい磯歩きは体力的にできないし、酸素ボンベの容量を考えると時間的に渡船を利用するのも無理です。ということで、手軽に遊べるポイントに行ってみることにしました。
南紀・伊勢ヶ谷の岩場でカマスの回遊に遭遇
白浜よりもお湯がいいということで、湯治場としてかつて人気があった椿温泉。観光客誘致のために野生の猿を飼育し、周辺の海で泳がせていたそうです。小さな突堤は遊覧船の発着場でもあったのでしょうか?
今回の釣行先はその椿に決めました。
持参する餌はボイル沖アミ1枚(3㌔)とアミエビに加えて夜釣り用の集魚材1袋です。さらに、大物の気配がもしやあったときのためにキビナゴを少しだけ持参して大阪を出発しました。
道の駅「椿はなの湯」の先にある下り道へ鋭角に右折して入り、ほどなく進んで行き止まりになったあたりにあるスペースに駐車します。ここから突堤まではほんの少しの距離です。
突堤の先端に行くと、予想よりも水深があります。とはいえ、背丈より少し深いくらいかな?
底は砂泥質ですが、右側は岩礁帯が続いてます。干潮時は岩礁の上から狙うこともできそうですが、釣りやすさでは突堤に分がありそうです。そこへ釣り座を撮って夜に撒き餌を続けていれば、岩場沿いにコロダイが寄ってくるような雰囲気がプンプンします。ただし、ここは初めての場所だけに少し先の岩場から様子をうかがうことにしましょう。
割と歩きやすい岩場を進むと、目の前に外洋が広がりました。大きな岩がいたるところにあるため取り込みに苦労しそうですが、おもしろそうなポイントが続いています。
魚を掛けたら玉網を使わずにズリ上げたいので、釣り座がスロープになったポイントを釣り座とします。沖で掛けて浮かせたら、スロープへ誘導して引き上げるという作戦です。
さて、日没までは撒き餌を入れずにポイントの観察をしておきます。
足もとの水深は満潮で1ヒロ半ほどでしょうか。ところどころに大岩があるため底で掛けるとやっかいな感じです。そう考えながら海中の様子をうかがっていると、悠々と泳ぐ60㌢ぐらいのアオブダイが見えました。この他、岩を舐めているアイゴが見えますが、小魚はほとんど見えません。
沖に目をやると、15㍍ほど先で落ち込んでいます。それでも落ち込む深さは3~4㍍程度でしょう。
アカハタでも食ってこないかと試しにキビナゴをつけて投げてみます。しかし、フグさえアタりません。それならと底はあきらめ、ウキ下を1ヒロ半に設定して遠投をします。そのまま放置して冷たいものでも飲んでひと息入れようとした矢先、ウキが消えました。
「えっ、何?」と期待をして竿を立てるとスカッ!! 手応えはありません。
「何だったんだろう?」と、もう1回投げてみると、すぐにアタリがでました。今度は手応えがあるけど軽い軽い。間もなく抜き上げたのは良型のカマスです。
「こりゃええお土産になるわ!!」と、食い込みやすいようにブツ切りにしたキビナゴで狙うと、10匹ほどキャッチすることができました。
夜釣りではいい手応えの魚が連発!!
「さあ、夜釣りに備えて撒き餌の準備を…」と、アミエビと集魚材を撒き餌シャクでクルクルとかき混ぜると、シャクのカッブが壊れてしまいました。予備は車にあるけど、戻る元気はない…。それで、ペットボトルを加工して簡易的な撒き餌すくいを作りました。カケアガリがある15㍍沖は狙えないのでおもしろさには欠けるけど、コロダイやタマミは足もとへ寄ってくることもあるので諦めるわけにはいきません。
やがてあたりが暗くなり、電気ウキの光が映えるようになりました。磯に沿うように沖へ向かってゆっくりと流れた潮が磯の切れ間から沖へ出ていきます。
「めっちゃええ感じ…」と思っていたらウキがスコンッ!! と入りました。ガツンと合わせを入れて相手の頭を一気にこちらへ向かせましたが、左右に走り回って浮いてきません。それでも何とかスロープへ誘導してズリ上げようとしますが、それを拒んで沖に走ろうとします。
「止まれ!! 止まれ!!」と竿で溜めようとしたとき、フッと手応えがなくなりました。ハリはずれです。ハリ近くに打ったガン玉がチモトまで下がって弾くことで起こるハリはずれには常に気をつけているのですが、またやってしまいました。ハリスが高性能であり、ツルツル過ぎるんですよね。それにしても何だったんだろうか?
気を取り直して続けると、沖に出る潮ではなく、磯沿いの浅場を流れる潮になっています。それでも「ここ!!」というポイントにウキが到達したとき、スルスルと海中に入りました。「うりゃ!!」と竿を突き上げると、これまた相手はよく走ります。
今度はズリ上げに成功して50㌢近いオジサンをゲット。まあまあウマい魚だけにバッカンの住人になってもらいます。
さらに続けると、今度はクロホシフエダイ、いわゆるクロテンがヒット。これがいるということは白い点(超美味なシブダイ)の可能性もあるでしょう。
しかし、ここから潮が下げ始めたことでアタリがなくなりました。せめて沖を狙えたらいいんですが、撒き餌が入らないのでは手の打ちようがありません。仕方なく磯際を集中的に狙うと、頭を振る魚がヒット。「まっ、今日はコイツも食材にするか?」と年なし級のチヌをキープして納竿としました。
今回竿を出さなかった手軽な突堤もものすごく気になります。再釣行したくて仕方がない釣り場でした。
大ウネリを避けた逃げ場でおいしい大物がドスンッ!!
台風の影響で大波とウネリがあり、かなり大きな波止の内側でしか釣りができない状況の日に釣行しました。波の影響がもう少しなければ気になっている例の突堤へ行こうと思いましたが、今回は断念。それで目をつけたのが南紀・富田川河口の突堤です。
ここは何度もきており、グレ・チヌ・キビレはもちろん、コロダイ・オジサン・コショウダイ・ウナギをキャッチしたことがあります。また、マゴチがボイル沖アミに食ってきたり、得体の知れない巨魚に何度も遭遇したりするなど、思わぬ魚との出合いも経験しています。日中はチヌぐらいしか釣れませんが、夜になると超大物釣り場に変貌するのです。
この釣り場は行くたびに底の状況がかわることからあらためて水深を測ったところ、これまでにないほど浅くなっています。突堤の先端からのびる一段低い石積みの先が1番の狙い目となりますが、水深が1㍍ちょっとしかありません。いつもは先端だけは掘れていて2ヒロ近くあったのに…。
そして、ウネリの影響も顕著です。右にある富田川があふれ、左にある小さな川へと流れ込むがごとく激流がサーッと走ったかと思うと、今度は逆にゴウゴウと流れます。撒き餌をどのように打っても刺し餌との同調なんてまったく不可能です。
ちなみに、今日の餌は沖アミのボイル1枚(3㌔)のみと心許ないため、ちょっと沖めにポイントを作るなんてこともできません。
明るいうちはメッキやキビレの新子などが遊んでくれましたが、日没後からは知らぬ間に刺し餌がかすめ取られてばかりです。どうやらフグの活性だけが高いようです。
通常、河口の釣り場では上げ潮が有利になるのですが、この釣り場では前へ向かって潮筋ができる潮の下げ始めが最大のチャンスとなります。潮が左右に動くときは、流れるウキを追いかけて撒き餌をかぶせてはいけません。それではポイントがボケてしまいます。
さて、アタリがないまま時間だけが過ぎていき、撒き餌が底をついてきました。「フグしかいないのか?」と考えていたところ、ハリに問題があるような気がしました。今日は夜光塗料つきとケイムラのハリを主に使っていますが、どうもこれが目立ち過ぎているのではないか? ならばと、使い慣れたバリバスのサクラマス・サツキマスの4号にしてみました。
これが功を奏したのか刺し餌が残るようになりました。さらに、潮が下げ始めたことで石積みの角に向かって流れだしました。「これこれ!! この潮を待っていました」
正直なところ、今日は完全無欠の丸ボウズを覚悟しました。「これでボチボチ納竿するか?」なんて思いながらウキ下を1㍍に設定した最後の1投で流れていくウキが止まりました。そのまま沈んでいくのは根掛かりか? 半信半疑で糸を張っていくと、ゴツッ!! と魚の感触が伝わってきました。反射的に合せると、ドンッ!! ときました。うんっ? ゴトンゴトンッ!? 頭を振るような引きはチヌか? だとしたら重さからして年なしだな。
「まあ、今日はチヌでもいいや」と浮かせてから玉網のところまで引っ張ります。
「うんっ!? チヌにしてはしつこく抵抗するなぁ。チヌなら空気を吸ったところでとっくにグロッキーなはずなのに?」と思いながら上げてみると50㌢の玉網枠とほぼ同寸のコショウダイでした。予定外の高級魚に「やってもたがな!!」と珍しくガッツポーズが出ましたよ。
さて、次回こそは椿の突堤でのんびりと大物を待ち構えたいですね。
タックルデータ
ライン | バリバス・バーマックス磯ストロングタイプ4号 | ||
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ハリス | バリバス・ハードトップTiNICKS3号 | ||
ハリ | バリバス・サクラマス・サツキマス4号 | ||
【葛城修平プロフィール】
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