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投げでの確率アップの方法とは? 南紀におけるマダイ狙いの実践的戦略

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どんなところで釣れているか? 実績場の条件を把握して自分なりにポイントを絞っていくのがマダイ狙いの魅力の1つ。その点をふまえて、南紀エリアを例にあげてよりよい釣果を上げるための考え方を紹介していきましょう。

(文:中本嗣通)

南紀でのマダイ狙いの要点

南紀でマダイのポイントを考える場合、まず優先すべき条件は「潮通し」でしょう。マダイは捕食目的で干満の潮流に乗って接岸~離岸の行動パターンを繰り返すと考えられることから、回遊してくる確率が高い潮通しの良好なスポットを重視することが最大の攻略メソッドになります。

次に優先すべきが「水深」です。一般的にマダイは10~20㍍以上の深さを持つポイントが有望だとされていますが、これは水深20~30㍍以上の沖で生息するマダイが接岸する過程において必要なものだと考えています。ただし、夜間や餌場に近いポイントなら10㍍以下のごく浅いスポットでも十分に釣れるので、水深に関しては個々の釣り場が持つ条件に合わせて考えればよいでしょう。

そして、ポイントの海底にはマダイの回遊ルートとなる「海底の起伏」が不可欠です。一般的に投げ釣りのマダイポイントに岩礁地帯は少なく、真砂底や砂礫底にカケアガリなどの起伏、もしくは大小のシモリが点在するような条件のスポットが大半です。そんな海底の変化に沿って回遊するのを待ち伏せるのが投げマダイのスタイルといえます。

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「マダイが回るとしたらココしかないだろう…?」 自分なりのデータと感覚を駆使したポイントの読みがアタッたときの気分は最高です。

初めての釣り場へ釣行する場合、そのようなポイントの位置をつかみやすいように釣友からの釣果情報、雑誌やネットなどからの得た情報を整理するとともに、空撮ポイント集などを利用して狙い目を予測しておきます。そうして自分なりに海底を探ってポイントを絞り込んでいくプロセスもマダイ釣りのおもしろさのひとつだと感じていますが、渡船利用の場合なら釣り場に精通している船長さんからもアドバイスをもらうことでヒット率が高まります。

なお、いろいろ考えて目をつけた釣り座に先客が入っていた場合、周囲に同様の期待値がある釣り座があるならそちらへ向かいますが、そうでなければ思いきって別の釣り場へ移動するようにしています。ヘタに妥協し、イマイチ納得できない釣り座で竿を出して貧果に終われば悔いが残るからです。

マダイ狙いのタックル考察

南紀でマダイをメインターゲットとする場合、数本の竿を並べて回遊待ちをする関係から機動性に優れる振り出し竿が有利です。33~35号の竿にマダイの強烈なアタリに対応できるQD(クイックドラグ)のリールを組み合わせています。ラインはPE3号+PE6号の力糸10㍍というシステムが基本です。

仕掛けは、マダイ1本に狙いを絞るならフロロハリス8~10号の1本バリが主体。ハリの回りは、フグなどの餌取りを考えてケプラーノットで補強することが多いです。全長はさばきを重視して150㌢前後にまとめています。

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そして、仕掛けには発光系のアクセサリー類を必ずつけています。マダイを含めた多くの魚類の視界に映る夜の海底は限りなくモノクロに近いと聞きます。その中では夜光玉の淡い輝きがひときわ白っぽく映る様子が強いアピールとなり、釣果を押し上げてくれると考えているからです。

同じ意味で朝夕のまづめどきや曇天の日中には紫外線を受けて光るケイムラ玉や蛍光ビーズが薄暗い海底でのアピールに有効と感じています。

マダイ狙いの餌考察

投げマダイの餌で最上といえるのがタイムシです。個人的にも南紀のマダイで最も実績ある餌なので入手できれば必ず使用しています。ただし、タイムシは体液による自己中毒や低温、真水に弱いという非常にデリケートな部分があります。購入後の管理には十分な注意を払わなくてはなりません。

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餌はタイムシが最良です。

ちなみに、タイムシの中でもよく動く頭部と尾部はマダイの食いが最もよい部位です。通常の手返しではできるだけ体の中央部分を使い、頭部と尾部は10㌢前後に切り残しておき、特に有望な時間帯までキープしておくのがおすすめです。

タイムシが入手できない場合はチロリやマムシを使います(特に体液が豊富な太めのものを好んで使用しています)。また、大ダイに的を絞るケースでは食いのよいコウジを使いたいところですが、これは入手できない場合が多いのでもっぱらユムシで代用することになります。なお、コウジもユムシも集魚効果を期待できる内臓は抜かずに1匹掛けで使用するケースが多いです。

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タイムシが入手できないときはマムシとチロリを使います。

その他、砂地のポイントではボケやカメジャコが抜群の効果を発揮するパターンがあります。この手の餌は投げにくいといわれますが、死んだものでもマダイの食いには関係ないので強めのスイングにも耐えるようにしっかりとハリを通しましょう。

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